東京ブラススタイル。現在も活動を続ける女子ブラスバンド。さすがに若い世代の女性バンド、しかも10人程度の大所帯というと足かけ10年になる活動期間の中にはいろいろあって、自分の音楽を見つめるべく退団したひと、改姓した人、寿退社?した人など多数で出入りが多く、また作品のリリースに波があるので(立て続けに出したかと思うと2年ほど空いちゃったり)歴代メンバーの中には一度も音源リリースがない人も..2014年11月現在ではインディーズデビュー当時から在籍し続けるのは2名だけ、となっている(なぜか二人ともサックスだな)。
しかし、デビュー当初から彼女たちが目指しているものは変わらず、「人になじみのある曲(多くはアニソン系)をブラスバンドスタイルで演奏する」「ややジャズっぽいアレンジではあるがアドリブに凝ることなく吹奏楽部でも演奏できる平易な曲」そして「楽しく!」。
テクニック的には特筆すべき尖り方ではないので、彼女らの作品を「良くできた学芸会レベル」という人もいるが、全国の学校を回ってそこのブラスバンドの子供たちと共演するという草の根活動をしており、特に震災直後は東北の学校を精力的に回り勇気と笑顔を与えてきた。そういう意味では「手が届くお姉さん」でよいのだろう。
本作は彼女たちが一時期メジャー契約していたときの2枚目のアルバム。1枚目
は、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」、「キャッツ・アイ」など有名どころ、かつ、やや古めの作品をブラスアレンジしたが、2枚目が結構マニアックw
“ブラスタG”の「G」はガイナックス。つまりエヴァこと「新世紀エヴァンゲリオン」で識られるアニメ制作スタジオの作品を集めている...が。選曲的にチョイマイナーか?w宮崎アニメ以外のアニメ系をあんまりガッツリ追っていないオッサンには元曲がわからん曲が多数w
しかし、その分元曲と比べることがなくて新鮮だったが。
「空色デイズ」は彼女たちの代表曲の一つ。「ソロパート」はサックスだけだが、パートごとに見せ場があって、一人で演奏するフレーズを回していく、という造りなので、前述の学生・生徒とのブラバン共演でも良く取り上げられた。なにげに現役メンバーでもある「いぐちく」こと井口久美子のテナーのソロの後ろの平野なつきが弾くベースラインが良く動いていてカッコイイ!
エヴァの「残酷な天使のテーゼ」はこのアルバム最大の見せ場か?Aメロは静かなんだけれど、Bメロに入って徐々に盛り上がり、サビは結構ハイテンション。ブリッジでベースの導入からサックス隊のソロ回しのあと、ペット2人の掛け合いになったあたりでスピードアップ!ハイスピードなランニングベースをバックにしたピアノソロは結構ジャジィ。これは現役メンバー矢野美恵による(当時は結婚前でフジワラミエ)。このグループのキーボーディストは前任の野口茜
含め、結構趣味いいプレイする。
「キューティーハニー」は唯一のヴォーカル曲。ヴォーカルは前作同様メンバーによるもので、音は外してはいないけれど「スゴい」レベルではないのだが、トランペットとトロンボーンのソロのラインとCOOLな音色のオルガンのバッキングが気持ちよく、疾走感溢れる。ちなみにこれはインディーズ1作に収められたものとはバックも含めて別ヴァージョン。
すごくテクニックを追求しているわけではなくて、洒落たアレンジのブラスバンド曲。ただそれだけに間口が広くて日本中、あるいは海外でもいろんな人と共演している。音楽って楽しいんだよ、というのが彼女たちのメッセージ。
しかしこのアルバムの曲、スタンダードの「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me to the Moon)」と1970年代が初出の「キューティーハニー」しか識らなかったって...オクレテル?【収録曲】
1. 空色デイズ ~「天元突破ガルンラガン」より
2. ブルーウォーター ~「ふしぎの海のナディア」より
3. 残酷な天使のテーゼ ~「新世紀エヴァンゲリオン」より
4. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン ~「新世紀エヴァンゲリオン」より
5. アクティブ・ハート ~「トップをねらえ」より
6. キューティーハニー(ヴォーカル・ヴァージョン)
「残酷な天使のテーゼ」
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購入金額
1,800円
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購入日
2009年頃
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購入場所
退会したユーザーさん
2014/11/18
彼女たちの歴史までは知らなかったので
なるほどーと勉強になりましたー(^^)
結構好きな感じでちょいちょいながら聴きしてます。
cybercatさん
2014/11/18
肩肘張らず、気軽に聞くにはイイんですよね。
元気いっぱいで。
どうしても若い女性が多いのでメンツの出入りが激しいですね。
自分的にはこの当時在籍していたバリサクのましゅがけっこう好きだったんですが、彼女も今や一児の母ですからねー。