山崎まさよし。福耳や
さかいゆう、
スキマスイッチ
らが在籍する音楽制作プロダクション(かつてはスガシカオも所属してた)所属のアーティスト。この事務所のアーティストは一般的なJ-POPとはちがう「なにか」を持っている人達が多いが、この人はとても詞を大切にしている。
先日話題になった憲法改正に関する全英詞の曲「#9 story」のようにゴリッとしたものもあるが、切々と亡くした恋人を歌う「one more time,one more chance」、一人暮らしの日常を綴った「ツバメ」、過ぎた青春をまだオトナになりきれてない状態から見た「僕と不良と校庭で」など日常を歌った詞に味がある。
そんな彼の過ぎた恋を歌う歌「全部、君だった。」は、さらに曲の構成まで詞>曲の姿勢が及んでいる。この曲、いわゆるサビがない。Aメロ⇒Bメロ⇒Cメロで1コーラス、これが繰り返され1度ブリッジがあるという構成。Cメロは普通はサビにあたる部分だが、DonF#→Em7→Bm7→GonDと循環するコードで曲の盛り上がりはない。でもそこに乗せられる詞は♪今ならあの夜を越えられるかな/君の涙に答えられるかな/胸も苦しくて張り裂けるほど/全部、君だった♪とかつて自分のすべてだった恋人を歌う狂おしいもの。この落差が感情の深さを物語る。
「mud skiffle track X (instrumental)」は生ギターと所々でわずかに鳴るパーカッションのみの小粋な小品。即興の作らしく、タメのあるリズムがイイ感じだ。彼は基本が生ギターだね。
ハーモニクスを上手く使った装飾音とパーカッションが彩るアコースティックな「OVER THE RAINBOW」は、もちろんオズの魔法使いの「虹の彼方に」。生ギターのカッティングが中心で独特の山﨑の声なので、ややテンポが速くてブルージィな?オズになっているが、イイ感じの粘りがあって味がある。
DVDは2012年に行われたワンマンシークレットライヴから、自らギターを叩いて即興で作ったリズムのサンプリングループに乗せてThe Beatlesの「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」と、初期の曲「ベンジャミン」が小さなライヴ会場で歌われる。このリハの時には「新曲」として「全部、君だった。」のさわりがスタッフに披露されるのが面白い。これにスタジオによる一人多重録音の様子がわかる「mud skiffle track X (instrumental)」の映像が付く。曲のメロディラインとしてインパクトをあえて抑えてまで、詞の訴求性を重視した曲?
山﨑の詩人としてのコダワリが良く判る曲です。【収録曲】
<CD>
1. 全部、君だった。
2. mud skiffle track X (instrumental)
3. OVER THE RAINBOW
<DVD>
1. STRAWBERRY FIELDS FOREVER (Live)
2. ベンジャミン (Live)
3. mud skiffle track X (instrumental)
「全部、君だった。」
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購入金額
290円
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購入日
2012年09月30日
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購入場所
Yahoo!オークション
mickeyさん
2014/09/23
聴いていました。
良い曲ですね。
cybercatさん
2014/09/23