CENTURY扱いの小型メカニカルキーボード。
CHERRY製スイッチを使用した筺体はテンキーやF1~12キー、各種特殊キーを廃した67キータイプ日本語配列で、Majestouch MINILA等と近いスタイル。
更に徹底的に両サイドや前後を切り詰めたおかげでこの手のモノとしても特に省スペースなのが特徴。CapsLockインジゲータLEDはキー内部に埋め込む切り詰めっぷり。
ブルーLEDバックライトを搭載しキーの刻印が光るギミックを持つのも同クラス製品では珍しい。ゲーマー向けキーボードでは最近増えてきたギミックだが。
刻印はかな表記をオミットし、フォントもキーボードとしては独特のもの。通常日本語表記がされるキーもアルファベット表記や記号表記がされデザイン重視の感がある。実際カッコいいしこういう高いキーボードを買うような人はある程度記号化されていてもすぐに判るだろう。
キーの表面はすべすべサラサラとした手触りで気持ちいい。ただ筺体自体は単なるトレーといった感じでさほど高級感は無い。内部に鉄板が仕込んであるらしく剛性はあるが。
背面にはチルトスタンドを持たず、滑り止めが4箇所に。角度調節は出来ない分見事に滑らない。また中央にはシリアルナンバー入り金属製プレート。
チルトスタンドが無い分本体側にはしっかりとした傾斜がつく。
背面の接続ケーブルは直付けではなくMiniUSBタイプ。付属品だけでなく汎用ケーブルとの交換も可能。但しコネクタ部が筺体内側にあるとかそういうのはないので、ケーブル側コネクタ部をぶつけそうでちょっとこわい。またケーブルを出す方向を選ぶギミックもなし。
背面ディップスイッチで「Winキー無効化」「WinキーをFnキーへ」「Escキーを半角/全角キーへ」「左側ShiftとCapsLockを入れ替え」の操作が出来る。もちろんそれにあわせたキートップも付属。今回私は「Escキーを半角/全角キーへ」の設定とキートップ交換を行った。EscがFnキー同時押しになってしまうが半角/全角のほうがよく使うもんで。
惜しいのはキーが少ない分Fnキーを多用するのだが左手で押せるFnキーがWinキーと排他な点。Winキーも多用する奴なので私は切り替えできない。
Fnキー同時押しの各キーは割と扱いやすい配置。一部のキーはPrintScreenならFn+P等と頭文字をあわせて割り振ってあるので覚えやすい。音量上げ下げ、ミュートも可能。
いや、覚えなくても横の印字みればとりあえずいいじゃん…と思うのだが、後述する理由で出来れば覚えておいたほうがいいのだ。
LEDバックライトはブルーで、7段階の輝度調節とオンオフが可能。それぞれFnキー+CVBが割り振られる。最大輝度だとまぶしいくらいで、虫もびっくりするほど光物が好きな私でさえ実使用では輝度を4程度まで下げたくらいだ。
さぞ視認性がいいのだろうと思われそうだが、実は正直あまり視認性は良くない。輝度は十分で明るい場所で意味がないとかそういう方面ではなく…
LEDの位置の関係で光るのはキートップの奥がメイン。つまりキートップ手前側に書かれた「1」等の数字はあまり光らず、キー側面に書かれたFnキー同時押し向けの刻印はほとんど光らない。
光らないと黒に薄い青orグレーになるのでぱっと見の視認性はよくないというわけ。特に数字キーなんかはShift同時押し用の刻印が単体用の刻印より目立つという逆転現象。構造上仕方ないのだが「視認性」という実用面でBlackPawnに期待しすぎるのは禁物。先ほどのFnキー同時押しを覚えた方がいいというのもそれ。
ただし「かっこいい」という意味ではマジかっこいい。ちょーかっこいい。もうなんかこれ使ってるだけで自分がかっこいいきがしてくる(ねーよ)。輝度を下げればさりげなく色が付いている程度になるので光物は苦手だという人でも大丈夫。
もちろんLEDを消灯すればブラックにグレー刻印のおしゃれキーボードになる。
という訳でLEDバックライトとスタイリッシュなフォントを組み合わせた独特な雰囲気と切り詰めた少スペースが魅力なBkackPawnだが、それ以外の面ではライバルの同系統キーボードに対してアドバンテージがあるわけでもなく、カスタマイズ製や視認性なんかは他のモデルのほうが有利。
しかし私のようにデザインや雰囲気が気に入った人にはもちろん、光るキーボードが欲しいけど大きなゲーマー向けキーボードは置く場所が無いという人には貴重な存在だろう(当然Fキーが無いのでゲームには不向き)。
さて、BlackPawnには使用しているスイッチの軸の違いで4種類のラインナップがされており、店頭では4軸を混合した展示用モデルがあり、体験できる。このスイッチによって使用感はかなり変わってくるのだ。デザインが気に入った&配列がOKなら実際に展示機でスイッチを触って体感してみるのがいい。
他に限定生産として重い緑軸モデル、そしてこの4軸混合モデルが存在する。
はい、このよりによって文字通り「イロモノ」な4軸混合いっちゃいました。
…マジで混合だ。しかも使用位置にあわせて細かくスイッチを配分するなんでオシャレな事はしていない。
最上段が赤軸、2段目とEnterが茶軸、3段目が黒軸、下2段が青軸。
という男らしい…というか安直な配置。
そもそも店頭デモ用に作られた奴を「お客様のご好評にお答えして」製品化したらしいが、きっと好評出した人も製品化するとは思ってなかっただろう。
もしこれが小指のキーは軽いスイッチとかマジメな配置になっていたらそれはそれで面白そうなのだが、この展示デモ機そのままという頭が悪い(褒め言葉)製品だからこそ私が手を出した。
しかしいざ使ってみると覚悟していた程違和感は無い。案外普通に使えるのだ。
一番力が入りやすいであろう中段に黒軸が位置しているのと、4種の中で一番タッチや音が浮いている青軸が下2段なのでローマ字入力の場合頻度が少ないのも違和感を少なくしている要因か。むしろタッチよりも青軸の音に違和感が出るのだが、1日使ったら慣れた。
但し私自身まともではないタイピング(指の割り振りがメチャクチャ 変な癖つける前にちゃんと練習したほうがいいねホント)なので参考にならないかもしれない。ちなみにしばらく触った感じだと私が好きなのは黒軸のようだ。店頭で使った時は赤軸がいいかななんて思ってたんだけど。
実用性を考えたら好みの軸に統一されている通常モデルのほうが実用的なのは当たり前。しかし先述の通り通常のBLACK PAWNは機能面でライバルに劣る部分もあるので決め手に欠ける面もある。
しかしこの4軸混合…しかも単なる展示用デモ機そのままなネタスイッチ配列モデルは当然BLACK PAWNにしかない訳で、BLACK PAWNを選ぶ決定打を持っているモデルがこの4軸混合かもしれない。実用面でメリットがあるかどうかはこのさいキニシナイでおこう。
1つのキーボードで4種類のタッチが体感できるこれは楽しいし、ついつい面白がって余計な文章を書きたくなるのだ。
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という訳で書きたくなった余談
さてコレ、私が今まで買ったキーボードの中では最高額。次点はWedgeMobileKeyboardの窓辺バージョン(グッズ類コミで10000円)。当然これだけの額を出すのだからメインPCで使うつもりだ。
メインPCで今まで使っていたのはやはり少スペースだがテンキー付きのメンブレンタイプ。この型がお気に入りで同型のものを3個も確保していてメインおよびゲームPCそれぞれで使用し1台が予備。しかし最近1台の動作が怪しくなってきたので、そろそろ他のモノを入手しておきたい。
特にメインPC側はペンタブレットと左手トラックボールで挟むような配置になるので横幅が小さければ小さいほどいい。しかしテンキー付きに拘っていたらこれ以上の小型化は不可能。
まずはテンキーのないパンタグラフキーボードを使ってみると案外どうにかなる。使いたかったら外付けすればいい。
そして残る問題はF1~F12キー。この手の小型キーボードでキーストロークが深いものというと大抵Fキーも省かれてしまっている。Fキーはフォトショップのアクションを割り振っているのでFn同時押しはどうかと思った。しかしFキーが実装されているコンパクトキーボードは英語配列のものしかないようだ。私は2種類の配列を使い分けられる程頭がよくない。
そこで今度はFキーが別なWedgeMobileKeyboard(痛)を接続。暫く使ってみて左手補助デバイスにある程度のFキーを割り振れば後はFnキー同時押しでも案外どうにかなるという結論に。
但しどちらのパンタグラフ…それもMS製で品質がいいものでさえ、どうもメインPCで使うには違和感があった。Sufaceで使う分には文句が無い2つなので恐らくペンタブや左手トラックボール、そしてポジションの兼ね合いで高さがあわないのだろう。やはり狙うはそれなりのストロークのあるメンブレンかメカニカルだ。
これでやっと67キー…それもメカニカルモデルの導入の踏ん切りがついた。以前メカニカルを使った時は音で家族から苦情がきたのだが、今は環境も変わっているので大丈夫。最初にキーボードの不調が出てから実に1ヶ月考えた事になる。
これだけ考えておいてイロモノを選ぶとはやっぱりネタ体質は避けられないようだ。利便性を考えたらせめてFnキーが両側にあるモデルを選ぶべきだった気がしないでもない。でもこの光るギミックと4軸混合の魅力には逆らえなかったのよ。
Escより半角/全角キーを優先したり、PrintScreenの位置を気にしたり、Winキーを離せなかったりするのは純粋なタイピングよりもPhotoshopをはじめとした複数の画像編集ソフトや動画編集ソフトを使う場面が多いという、この手のキーボードを買う層から少しズレた主目的のせいだったりする。
最後にこのモデル、こんなおばかな製品を大量に作るわけもなく200個の限定生産で、XXX/200のシリアルナンバーが振られている。外箱からもシリアルナンバーは確認できるので、秋葉原でこの4軸混合の在庫を持っている店舗を何件か見て回って、好みの数字が無いか探してみた。
で、選らんだのが070。ななみっぽい!073(なな み)とかあったらカンペキだったんだけど、そもそも秋葉原で数個しか無かったので「7」が入ってるシリアルをゲットできただけでもよし。
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購入金額
15,800円
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購入日
2014年06月01日
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購入場所
TSUKUMO eX
きっちょむさん
2014/06/04
作りを見て気づきましたが、私が持ってるCoolerMaster社製と同じ作りですね。
たぶんOEM元が同じですね。
下小川さん
2014/06/04
ただこのモデルに限らずF1~F12が省略されているキーボードは事前によく検討したほうがよさそうですね。
そういわれるときっちょーさんのCoolerMasterと似ている感じがありますね。CHERRY製スイッチ搭載のキーボードはキートップに互換性があるので入れ替えて使う人もいるとか。
そういえばこんな3色LEDを搭載したCHERRYスイッチキーボードがショーにでてたとか。
http://www.gdm.or.jp/crew/2014/0603/72689