以前からBluetoothに対応しているDAPは使っていたのに、Bluetooth対応ヘッドフォンを持っていないことが少し気になっていました。
先日スマートフォンを契約したときにJBL J46BTというインナーイヤータイプのものは貰ったのですが、これが音楽を楽しもうと思うほどの音質ではありませんでしたので。
そこで、どうせなら音質面での実績がある、MDR-1Rシリーズの直系モデルであるMDR-1RBTシリーズ、それもaptXに対応したMDR-1RBT MK2が欲しいと思っていました。
先日後継モデルでSONY独自の高音質コーデックLDACに対応したMDR-1ABTが発売されましたが、ベースモデルのMDR-1Aを聴く限り何か音質的にしっくりこない方向の改良となっていたため、敢えて旧型となるMDR-1RBT MK2の方に狙いを定めていたのです。
BluetoothらしくDAPのリモコン操作も可能
まずは本体を確認してみましょう。
パッケージデザインは初代MDR-1Rシリーズとあまり変わっていません。
外装デザインも、この段階では大きな違いはないように見えます。強いていえばハウジングにNFCのロゴが入っているのが目に付く程度でしょうか。なお、このNFCを使って、同じくNFC対応のWalkman等(NW-A10シリーズなど)とワンタッチでペアリングすることも出来ます。
ペアリング中。MDR-1RBT MK2の電源ボタンを7秒以上押して起動すると、Bluetoothのペアリング待機モードとなります。なお、充電中にはBluetoothの動作全般を受け付けなくなります。
今回はまずAstell&Kern AK100とのペアリングを試します。
MDR-1RBT MK2を接続待機状態にして、デバイスを探すと機器リストに「MDR-1RBT」という名前で表示されます。ソフト的には先代から全く変更されていないということでしょう。
上の写真のように「接続完了」となっていれば音楽再生及びリモコン操作が可能となります。
Bluetoothを通して可能なDAPの操作は次のものとなります。
・再生/停止
・トラック送り
・トラック戻し
・音量調整
さらに、ペアリング先が携帯電話やスマートフォンである場合には、通話切り替えボタンも装備していますので、直接音声通話も可能となります。一応左側のハウジング下部にマイクも内蔵していますので、本機だけでの通話にも対応しています。
なお、リモコン機能についてはAK100ではボタン操作後のタイムラグが少々気になるレベルですが、NW-A16ではかなり快適な反応となり、Bluetoothとは思えないほどの良好なレスポンスとなります。
MDR-1Rとは意外と違う
まずは本題というべきBluetooth接続時について述べておきましょう。
まず、同じSONY同士のWalkman NW-A16と接続してみました。
試聴ソースとしてChicago XXXVI "NOW"のハイレゾ版を再生してみたのですが、一聴してはっきりと判るのは明らかに情報量が低下するということ。イメージとしてはCD音源を192Kbps程度のmp3に変換してから聴いているような感じです。少なくともハイレゾと通常盤CDよりははっきりと音質差が感じ取れます。
もっとも、最初SBCで接続したときには聴くに堪えないという音でしたので、aptX対応のMDR-1RBT MK2を選んだこと自体は正解だったと思いますが。素性のしっかりしたMDR-1R系の製品だけあり、Bluetoothの音質劣化は顕著に表れてしまいます。
次にAstell&Kern AK100との組み合わせですが、こちらも基本的な印象はNW-A16と大きくは変わりませんが、本体側の音質傾向の違いなのか、こちらの方が若干情報量の不足が目立ちにくい感じはします。ただ、いずれにしてもaptXであっても有線接続と同等に語れるほどの音質ではないといって良いでしょう。それでもJBL J46BTのように音楽が楽しめないという水準ではなく、キチンと音質評価出来るレベルまでBluetoothで表現してくれているというのは、実はそれだけで素晴らしいことではあるのですが…。
そこで次に、MDR-1RBT MK2標準添付のステレオケーブルを使って、LUXMAN DA-100に有線接続して、初代のMDR-1Rと比較試聴してみました。
MDR-1RとMDR-1RBT MK2とを比較すると、ヘッドフォンとしての基本的な仕様はほぼ同じですし、搭載しているドライバーも同等といわれています。しかし、再生音が全く同じというわけではありません。
MDR-1RBT MK2の方が低音方向のピークが感じられず、スムーズに最低域まで伸びている印象はあるのですが、中域に少し独特の癖というか響きが加わってくる印象です。ホールエコーが入っている楽曲だと、少しそのエコーが強調されてきこえてくるといえばわかりやすいでしょうか。この辺りはひょっとするとMDR-1RとMDR-1R MK2との間にある差なのかも知れません。低域方向がより素直なのがMDR-1RBT MK2で、中域に色づけが少ないのがMDR-1Rというイメージで解釈するべきでしょうか。
私自身は「Bluetoothで使えるMDR-1R」というつもりで入手したのですが、意外にも初代MDR-1Rとは違いを楽しむことが出来る程度に差がありました。どちらが良い悪いという問題ではないのですが、全く同じではないということを念頭に置いた上で選んだ方が良さそうです。
個人的には有線接続で使う限りは使い勝手もほぼ同等ですので、いざというときにワイヤレスでも使えるMDR-1RBT MK2の方により魅力を感じますが、室内でのリスニング専用であればMDR-1Rで十分ではないかと思います。
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購入金額
17,064円
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購入日
2015年05月09日
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購入場所
ソフマップ
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