レビューメディア「ジグソー」

セガからも『イース』が出てました

1988年にセガから発売されたマークⅢ・マスターシステム共用(以下、「マークⅢ版」とします)のアクションRPG(移植作)。

 

イース』は、元々は1987年に日本ファルコムが開発したPCゲームであり、同社を代表する人気シリーズの第1作。本作はそのマークⅢ版になりますが、他にも様々な機種への移植版やリメイク版もありますので、何らかの機会にプレイされた方も多いことでしょう。

 

プレイヤーはシリーズの主人公・アドルとなり、呪われた島エステリアを救うため、冒険へと旅立ちます。ジャンルはアクションRPGですが、難しい操作はありません。攻撃方法は至ってシンプルで、敵キャラに体当たりするだけ。但し、真正面からぶつかると被ダメージも大きく、敵キャラとは半分だけ体をずらして当たることが基本です(これはPC版も同じ)。

 

マークⅢ版はファミコン版から約2か月遅れの登場でしたが、アレンジの多かったファミコン版に比べればPC版に忠実な移植だと思います。例えば、ファミコン版では削られていた重要なイベントもちゃんと残っています(「詩人レアにハーモニカを届ける」や「ダームの塔で詩人レアからイースの本を読むためのメガネをもらう」)。また、FM音源に対応している点も高く評価して良いかも知れません。

 

FC版と違って、ジェバの家ではフィーナが見れます

 

詩人レアにハーモニカを届ける

 

とは言え、マークⅢ版は不運にもメガドライブと発売月が重なっており、「セガでも『イース』を出してたんだ?」というのが世間の認識でしょう。おまけに、セガのゲーム機では『イースⅡ』が単独ソフトとして扱われていません(セガサターンソフト『ファルコムクラシックスⅡ』に他の作品と一緒に収録されています)ので、なおさら影が薄いように感じます(せめてメガドライブ版で『イースⅡ』が製作されていれば……)。

  • 購入金額

    5,800円

  • 購入日

    1988年10月15日

  • 購入場所

30人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (11)

  • Schrödingers Katzeさん

    2014/02/03

     「対応している」と「いい音である」は別の要素でありまして。

     …出力パートの数はそこそこ多いんですが…。
     ちゃんとPSGも対応って部分のほうがいいところって気がしなくもなく。

     続編がでなかったってことは、数もあんまり出てないんでしょうね…。

     これより後の移植は原作と性能が逆転してるので、別の意味でどうその時代の人に貧相だと思われないものに仕上げるか?っていう問題が出てきてますね。
  • 千里一歩さん

    2014/02/04

    Schrödingers Katzeさん

    本作はマークⅢ・マスターシステム共用という点で、音源はかなり特殊な扱いになっていると思います。どちらかと言えば、マスターシステムのユーザーを意識していたはずなので、「FM音源に対応していること」は重要なセールスポイントだったかとw

    メガドライブ版では『イースⅢ』(1991年・日本テレネット)が発売されていますし、日本ファルコム関係では『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』(1994年・セガ)、『同Ⅱ』(1995年・セガ)も移植されていますので、『イースⅡ』が単独で販売されても良かったと思うんですよね。ただ、仮にメガドライブ版で登場していたとしても、PCエンジン版の『イースⅠ・Ⅱ』(1989年・ハドソン)が色々とインパクトが強すぎましたので、ハードの普及には貢献しなかったかも知れません。

    『Ⅰ』&『Ⅱ』はファルコム商法(?)で何度もリメイク版が発売されていますので、魅せ方さえ間違えなければ、一定の需要は期待できると思います(オリジナル版とリメイク版の両方が楽しめるとか、アニメーションの追加とか)。『Ⅲ』以降はちょっと怪しいですけど……。
  • Schrödingers Katzeさん

    2014/02/04

     なんつーか、OPLLって、使えない音が多すぎるのに輪をかけて「どこも使い方が凄くヘタ」。
     おまけにSEGAって、なぜか自社製品でも採譜おかしいんですよ…。
     あうあーあーあーなんてベーマガのMSX用投稿プログラムより酷い有様でしたし。
     動画で見ても「あってよかった」って言いづらい音が大半で…。
     売り上げ的にはマスターシステムを意識してても、MKIIIユーザーを見捨ててないって点が大きいと思うのです。それもまだ旬にあった、PCゲームの移植で、ちゃんとだしてみるっていうね。

     メガドライブは音源的には、サウンドボードII相当ですから、音としてはほぼ完全移植ができたはずですね。音色が本物だったSORCERIANもシステムがらみがそのままなので、それだけでもシナリオが違っても「それっぽさ」が引き立ってましたし。
     YsIIIは、Ysと直接的に繋がってなかったからこそ「出せた」気がします。メガドライブ版はX68000版を意識したアレンジになってて、大分ほかの機種とも違ってましたけどね。やるとすればタイミング的にはMEGA-CDだったでしょうけど。
     わざわざメガドライブで遊ぶ価値があるか?っていう問題もありますしね。機種のいいところが出ないソフトはよっぽどそれが売れる要素を持っていなければ意味がないですし。シミュレーションなんかは、メガドライブはほかの機種よりもCPUが素直に速いので、ほかのゲームコンソールより「向いている」種類でしたし。

     YsIII辺りは、フェルガナの誓いって形になってリメイクされていますね。
     「今の」Ysとしてのひとつの答えが、Ys6ベースのシステムなのだと思います。
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