タイポグラフィやカリグラフィなど、文字に纏わることを集めた超ニッチな雑誌「TYPOGRAPHY」の第三号が発刊されました。
今回の特集はデザイナーが覚えておきたい厳選フォント350(和文書体50+欧文書体300)で、超定番的なフォントから、近年流行しているフォントなど、国内外の一流どころのフォントを一挙解説というこれまた胃もたれしそうなほど濃厚かつマニアックな一冊となっています。
さてはて、やはり冒頭2,30ページはいつものごとく、注目のデザイナーの作品や面白い製品がピックアップされています。上の写真は、ソニーミュージック ロンドンオフィスの壁面を文字で埋め尽くした作品で、ソニーミュージックと提携しているレーベル125年分のアーティスト1000名!!!を年代順に並べたものだそうです。
いや~~~、ただただ格好良いですねっ
自分の部屋の壁も、文字で埋め尽くしたいですよ。割と本気で!
こちらはベルリン発の文字看板救済プロジェクト「Buchstabenmuseum」(直訳すると、文字博物館)。
廃棄されるところであった文字看板を回収し、当時の写真などを駆使しつつ修復しているようで、歴史ある文字の保存という非常にマニアック(笑)かつニッチで、有益な活動が行われている事を紹介してくれています。
こういった物を形としてちゃんと残していくって、時代時代の生活してきた人々を反映したものですし、文字の形状、一つ一つにオリジナリティと歴史が詰まっており、写真上からでもワクワクさせられます。日本の駅舎にあるノスタルジックな古い看板や、いまどきのモダンな看板も是非、残していくべきでしょうね。
そして本題のフォント解説。
和文書体はフォントワークスからディスプレイ書体“くろかね”をリリースしている大崎善治氏が、欧文書体は世界無数のプロフェッショナル向けフォントメーカーやタイプデザイナーのフォントを集めて整理するTypecache氏が全面監修されています。
書体選びのポイント、定番書体、近年よく使われる書体、スクリプト&ブラックレター、
信頼できる書体会社やデザイナーリストなどを掲載し、書体選びに必要な情報がほぼ網羅されています。
いままでのフォント見本帳って、無味乾燥というか、読み手の知識ありきという敷居の高い印象の内容のものが多かったのですが、この特集は"なぜこのフォントを選ぶのか"という事を分かりやすく解説しており、見て、選んで、楽しく、そして役に立つ、唯一無二な内容となっています。
そのほかにも、朝日新聞で使われている朝日書体が発売された事に対するニュースと&その戦後から使われてきたフォントの字面の変異とその解説など、大変興味深い内容が盛りだくさん。
今回も読みごたえがあり過ぎて、頭がパンクしそうなほど面白い一冊となっています。
ただ今回は、さすがにかなりデザイン業界向けというか単純にフォント好きな人には難しすぎる、もしくはちょっと不要な情報も多かったかもしれません。雑誌というべきか専門書というべきか、かなり曖昧な一冊かもしれません。といっても、面白いから第4号も間違いなく購入しますっ!
フォント好きにはお勧めな雑誌です^^
興味ある方は是非ぜひ、創刊号と併せてご一読お勧めいたします^^
創刊号
第二号
あっ、こっちの本も面白いですよっ
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購入金額
2,100円
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購入日
2013年09月28日
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購入場所
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