レビューメディア「ジグソー」

第2世代のRaptor

SATA接続のHDDとして初めて10,000rpm対応製品となったのが、初代のRaptorシリーズ(WDxxxGD系)でした。初代は、特に初期物では予想以上にシーケンシャル速度が伸びず、期待していたパワーユーザーたちを落胆される結果となったものの、74GBモデルの追加時に速度性能は随分改善されていました。

ただ、それでもその性能は1世代前の10,000pm対応SCSI HDDというレベルであり、同世代のSCSI HDDと肩を並べるという水準には達していませんでした。

そのような状況で、フルモデルチェンジされた新型Raptorが本機でした。バリエーションモデルとしてヘッドの動きが見える透明窓が付いた、Raptor Xが発売されていたことを記憶の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

初代Raptorと比べるとシーケンシャル速度の伸びは明らかであり、リード・ライト共に90MB/sに迫る速度を叩き出していました。今なら5,400rpm製品でも十分出せる値ではありますが、当時のプラッター密度を考えればかなりの高速性能です。

ただ、当時散々測定したはずのベンチマークの値がなぜか全く残っていませんので、詳細はここでは割愛します。

シーケンシャル速度が順当に進化した一方で、ランダム速度は進化こそしている物の劇的な向上というほどでもなく、OSの起動速度など体感的な速度ではそれほど大きく進化したという印象は受けませんでした。当時の水準としては安く売られていた中古品で入手していますので、コストパフォーマンスも妥当という程度の感覚でしたが、新品価格から見れば少々物足りなさを感じたのは事実です。

そして何よりも問題だったのは、この製品はエンタープライズ向けであったにもかかわらず、故障報告が随分多く見られたということです。実は私の所有分もメインPCで使っていた1年半の間は無事に動いていましたが、その後使おうとしたところ既に動かなくなっていました。

後継製品のVeloci Raptorで体感速度は大きく改善していただけに、少々中途半端な印象を受けた製品でした。
  • 購入金額

    12,800円

  • 購入日

    2007年10月21日

  • 購入場所

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