レビューメディア「ジグソー」

AKGの定番も欲しい

AKGのクインシー・ジョーンズ・シグネチャーであるQ701のホワイトモデルを入手しました.




ただ,残念ながら,サングラスをかけている"made in china"です.もう本国生産品を探すのは難しいです.ここは,AKG品質を信用するしかありません.

AKGのヘッドフォンは初めてですが,AKG製品は2台目です.



以前,K702を買う気満々だったのですが,HD650のお買い得品を見つけて,急遽HD650にしてしまいました.



そんなわけで,念願の700シリーズです.
Q701が出たときは,K702との値差が大きかったですが,最近はあまり変わらなくなりました.

付属品は,緑の脱着式ケーブルの3mと6m,および6.3mm変換プラグ.
6mケーブルなんて,プロしか使わないでしょうって,思いますが,付属しています.


脱着式ケーブルのヘッドフォン側は,miniXLRです.



インピーダンスは,62Ωと低め(DAPには高いです)ですが,感度が93dBしかありません.
よって,ポータブル用途では非常に難しい(2重苦)です.
まぁ,開放型なので,屋内用途でしょうから,完全にHPA必須です.

ファーストインプレッションは,高音がきつくて,耳が痛いくらいです.
完全に高音よりの音質.
ただ,開放感はいいです.
やはり,ボーカルが前に出てきます.HD650やDJ1PROと異なる点です.
低音よりのHD650,高音よりのK701と言われますが,まさにぴったりな表現です.

そして,開放型とはいえ,音漏れがひどいです.HD650以上に音漏れします.このヘッドフォンをアウトドアで使用するのは無理です.インドアでも,気を使わなければならないほどです.

あと,ヘッドバンドのコブが痛いというレビューを見かけますが,ほとんど気になりません.ULTRASONEのDJ1PROの頭頂圧と同じくらいの感じです.

イヤーパッドは気持ちよく,このヘッドフォンも音質が落ち着けば,長時間リスニング可能と思われます.
ただ,HD650のほうがさらに装着感はいいです.ほとんど,ヘッドフォンをしていることを忘れるくらいの装着感です.


その後,高域が落ち着いてくれることの願いつつ,1週間以上エージングしました.
すると,高域が落ち着いて,低域も主張し始めました.とても,バランスが良くなりました.

よく腰高といわれますが,確かに高域よりの音質です.しかし,耳障りな面は全くなく,クリアで,音の分離が良く,とても聴きやすいです.女性ボーカルには最適だと思います.

HD650と似た音質ですが,十分使い分けが出来ることがわかりました.

低音命の人やモニター用途以外であれば,リスニング用としてはオススメできます.これ1台でそつなくこなせると思います. 個人的には,HD650のほうがより好みですが,値段差を考え,HPAが既にあるなら,Q701の1本持ちでも十分な気がします.

値段も2万円強まで落ちていますので,コスパはいいと思います.
ただし,再生環境が必要です.DAP直やひ弱なHPAでは,Q701の実力が出ません.DAP直なら,とても2万円台のヘッドフォンとは思えない音です.DAP直で聴くなら,イヤフォンのK324PやSHE9700のほうが遥かにいいです.





HPAへ追加投資が必要と考えると,コスパは悪くなってしまいますが,このクラスのヘッドフォンとしては選択候補に挙げるべきものだと思います.
聴く環境にとても左右されますので,評価の分かれるヘッドフォンです.


【簡単な改造編】 2014.9.14追記

このQ701は,腰高な音質が特徴ですが,中高域に影響を与えず,低音を出す簡単な改造方法があることが,海外のK701サイトにあることがわかりました.国内でも,引用されています.

Reversible AKG K701 bass mod

K701について書かれていますが,Q701でも同じです.

気に入らなければ元に戻せる方法なので,エージングも落ち着いた頃なので,早速実行してみました.
※(注)実行するのは自己責任でお願いします.個体によっては,分解しにくいそうです.

左右どちらも同じ方法ですが,まず,左から.

”Q"のロゴのあるセンターメッシュを外します.

構造は,こんな感じですので,反時計回りに回すと外せます.

ピンセットをメッシュ部の最外周まで広げて,軽く挿して,回してください.プラなので,傷が付きますので,慎重に!

外すとかんな感じです.上下の2本のネジは外します.


そうすると,カバーが外れます.このカバーは,左右2カ所,爪があります.さらに,左側はケーブルがありますので,慎重に外してください.


この状態で,ドライバー部の中心にパッチテープのようなものが見えます.


そのテープを剥がします.結構,強力に貼り付いています.ピンセットなどで剥がしてください.剥がしても,粘着力は活きていますので,元に戻すことは可能です.


これだけです.元に戻します.

右側も同様の手順で,剥がします.右側はケーブルが無い分,楽です.


では,早速,聴いています.
確かに,低音が出るようになります.中高域は,そのままの感じです.
ただ,低域が出るといっても,HD650のような音質ではなく,広がりのある低域で,芯の通った感じまでは行きません.
中高域は変化がないように思えますが,低域が盛り上がる分,中域にかぶるような感じになります.この感じが嫌いな人には,オススメしません.たぶん,クインシー・ジョーンズが嫌った可能性があります.
音楽性に関しては,低域が出る分,リスニング向けには改善していると思います.やっぱり,低域がないと曲がまとまりません.

簡単な(?)改造で,Q701の弱点(特徴かもしれませんが)が改善されます.音質は好みですので,この改造が正解かどうかは判断できませんが,一度試してみる価値のある改造です.
リケーブルするより,遙かに音質変化があります.
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2014年09月01日

  • 購入場所

30人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (3)

  • harmankardonさん

    2014/09/12

    れいんさん,コメントありがとうございます.

    やっぱり,そこですか.
    K701とは,違うホワイトです.

    プラですが,光沢もあり,意外に高級感があります.

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