所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。オールマイティにジャンルを問わず活躍するアーティストがいます。ジャンルをまたがり表現形はずいぶん異なりますが、それでもそこを貫くのはその人の、ひととなり。そんな内側からあふれてくる楽しさに満ちた作品をご紹介します。
中西俊博、ヴァイオリニスト。クラシック~ポップス~ニューエイジ~ジャズ~フュージョン~舞台音楽と八面六臂の大活躍。番組のBGMに取り入れられていることも多く、TVを点けっぱなしにしておいたら、彼の音楽を聴かずに1週間を過ごすことは不可能だろう。
その作風は、粋で楽しい。もちろん、哀しげなバラードも重いマイナーの曲もあるのだが、でも彼の本質は陽性だ。軽やかに歌うヴァイオリン、親しみやすい曲調と合わせて、とても朗らかな彼の人柄が表れている。
本作は、1980年代から現在まで活躍する彼としては初期の作品(1990年発表)、永い芸暦で何度かレコード会社を移籍しているが、そのなかで最もポップなカラーで押したFOR LIFEでの最初の作品。実にバラエティに富み、そして楽しい楽曲が並ぶ。
「スキッド・エクスプレス」。中西の作風が良く出ている代表曲のひとつ。バンドではなく、弦楽四重奏での演奏だが、とっつきにくくなるのではなくコミカルで覚えやすいメロディ。そのわりに、演奏自体は技巧を凝らして色々な奏法が挟まれる。最後に「しぃぃぃーっ!」と静かに!?と注意する声が入るのが茶目っ気にあふれている。
「Cookie In The Pocket」は、ブリっとした渡辺直樹のベースと、タイトな石川雅春のドラムのリズムが気持ちよいフュージョンタッチのポップな曲。Bメロはむしろキーボード主体で、「オレがオレが」ではない、中西の総合プロデュース力が光る。
「ホビー・キャット・クルーズ」は、ラテン調のバックのリズムに合わせて、中西のヴァイオリンが歌う。左右の端にまで散らされたキーボードがスリリング!オルガンのグリスで左右に音が飛び回る!楽しい!!担当は攻殻機動隊の音楽
で有名な菅野よう子。
テクニックはひけらかすものではなく、ヒトを楽しませるためにある、というのが主張としてビンビン伝わってくる、若き日の中西の作品。
楽しい音楽、楽しませる音楽です。
【収録曲】
1. スキッド・エクスプレス
2. Cookie In The Pocket
3. Sing Again
4. 遙かなる想い
5. ストリート・ピープル
6. マリン・スノー
7. 風を感じて
8. ホビー・キャット・クルーズ
9. Down Hill & Climb Hill
10. 森の木蔭で夢みたら
「スキッド・エクスプレス(Live)」
ポップヴァイオリンなら彼
特にこのあたりが一番覚えやすいメロディ
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購入金額
3,000円
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購入日
1990年頃
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購入場所
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