是方博邦、ギタリスト。インスト分野で活躍するため、一般的には「フュージョンギタリスト」のカテゴリーにいるが（そしてそのフィールドのミュージシャンと親交が深いが）、彼のプレイの基本はロック！当時のトップフュージョンギタリスト3人の一夜限りの共演を収めた作品
でも彼のプレイが一番ロック～ブルース寄りでアツかった。
そんな彼本作（2002発売）以降、ユニットやバンドでの活動ばかりでソロアルバムから遠ざかっていた。前回本作の一作前
をご紹介したときに「お代わり、ください」とコールしていたのが、2年越しに実って？（ということはこのシリーズ、すでに2年以上やっているのかｗ）11年ぶりの作品（“LIVE OF LIFE”）をリリースしてくれた。その作品自体はまだ未聴なのだがそのニュースを聞いて懐かしく引っ張り出したのが、本作“DANCER”。
実は2000年当時世にあふれていた打ち込みモロだしの曲が半数を数え、彼のブルージィな奏法とはちょっとフィッティングが悪いナァ、とあまり聴いていなかった。
聴きなおすと、前半の打ち込みと後半の生バンド系の対比が面白く、これはこれでアリ、な感じ。
「BAZAAR STREET」。打ち込みの激しいリズムに乗せて是方のプレイが切り込むインストロック！キャッチーなリフとスライドを上手く使った流麗なソロでスピード感あふれる。ときおり挟まれる機械バックならではの「無音ブレイク」からのフワッっとした復帰がハッとさせられる。
「GRAPE SUGAR」は打ち込みバックに時々加工された無機質なボイスが入るハイスピードチューンだが、是方は逆に速弾きではなく、コードによる厚いメロディラインでゆったりと攻める。音の壁！のような音場作りが時代を感じる。
後半は一転して生バンド構成となるが、もっとも特徴的なのが「YOUR EYES, YOUR MIND」。練習スタジオのような狭い場所で聴くようなオンで録られたドラムスと、音像が大きく録られたオーソドックスなラインのベースのみのシンプルなバックに載せて是方が弾きまくる泣きのバラード。当時T-SQUAREの則竹裕之の振り回すブラシと須藤満のメロディアスなベースがイイカンジ。定番アレンジなら2コーラス目からストリングス音色のキーボードが入って厚さを増していく．．．．ようなところだが、あえて最後まで3ピース、というのが潔い。是方のヴァイオリン奏法も冴える！
改めて聴きなおすと動と静、キカイとニンゲンの対比が結構面白い。
今回の作品（“LIVE OF LIFE”）はデビュー30周年を記念したもので、かつてOTTOTTRIOで共演した安藤正容と野呂一生、キーボードには久米大作や難波弘之といったベテラン勢、ベースに聖飢魔IIのゼノン石川和尚、ドラムスに新旧巧者木村万作や坂東慧．．．といった面々が参加、杉山清貴や田村直美らを加えたヴォーカル曲まである、とのこと。
この動と静、マシンとヒューマンビートのアルバムからどう変わったのか、そんなことを想いながら聞き返した作品です。
装丁のイメージ的にはアフリカンビートな感じなんですがｗ
1. NILE FUNK
2. BAZAAR STREET
3. RAIN HEART
4. GRAPE SUGAR
5. SALAMANDER
6. YOUR EYES, YOUR MIND
7. RAFFLESIA
8. FAIRLY OF THE SEA
9. TOKYO PA PA PA
10. CRUSH ON YOU
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購入金額
3,045円
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購入日
2002年頃
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購入場所
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