レビューメディア「ジグソー」

過去の名曲を現在のメンバーで

2009年頃に、シカゴは60~70年代に発表された初期の名曲をセルフリメイクして録音していました。それらは後にダウンロード音源として販売され、AmazonやiTunesなどのオンライン販売では「The Nashville Sessions」というアルバム名が付与されていました。

今年に入り、その音源がCDとして発売され、ダウンロード販売で既に入手していた私も、改めてCDで購入しました。今回取り上げているのはそのCD版の方です。収録曲は以下の通りとなっています。

1.25 or 6 to 4
2.Make Me Smile
3.Feelin' Stronger Every Day
4.Beginnings
5.Saturday In The Park
6.Colour My World
7.Does Anybody Really Know What Time It Is?
8.Questions 67 And 68
9.Old Days
10.Just You 'n' Me
11.Call On Me
12.Another Rainy Day in New York City
13.No Tell Lover
14.(I've Been) Searchin' So Long
15.Alive Again

このセッションは2009年中に複数回に分けて行われたため、2009年8月に脱退したビル・チャンプリンも一部の収録曲には参加しているのですが、クレジットには含まれていないようです。また、この時期ツアーを中心に参加していたパーカッションのドリュー・ヘスターも演奏には参加していて、ダウンロード販売時のメンバー名にも含まれていたのですが、今回のCDではクレジットから外されてしまっています。

それはさておき、基本的にはかつてピーター・セテラが歌っていた部分はそのまま後任のジェイソン・シェフが歌っているのですが、故テリー・キャスのヴォーカルを担当しているのは、普段はトランペットを演奏しているリー・ロックネインであり、これが妙にイメージが合っているのです。スタジオ収録でリー・ロックネインの歌声が楽しめる音源は貴重であり、このアルバムの売りとなっています。

また、「(I've Been) Searchin' So Long」や「Questions 67 And 68」などは、ジェイソン・シェフの歌声が非常にマッチしていて、オリジナルのピーター・セテラに対して違和感が感じられません。この相性の良さがあってこそ、今でもシカゴがライブを続けていられるということでしょう。

かつての名曲も修正されたアレンジと新しい録音により現代的な印象を与えられ、新鮮に聴くことが出来るというのがこの作品の大きな魅力といえます。生憎日本では正規リリースはされておらず、また輸入盤も限られた販売店でしか取り扱われていないため、非常に高価であるのが難点です。抵抗がない方は、シカゴの公式通販サイトから購入すると手ごろな価格で入手でき、お薦めです。
  • 購入金額

    1,451円

  • 購入日

    2013年05月13日

  • 購入場所

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