のレビュー「ジュークボックス“KIRA”」の項で取り上げた(ビデオに登場させた)作品をご紹介します。
さかいゆう。シンガーソングライター。大きな眼鏡に丸顔、(多くは)帽子をちょこんと乗っけてピアノをひきながら歌う彼の姿からは想像が付かないミラクルボイスが飛び出す。もともとミュージシャンを目指していたのではなかった彼があるきっかけでそれをめざし、渡米して独学でピアノを学び、ストリートライヴで腕を磨いてアーティストとなった。アメリカで影響を受けた黒人音楽とポップスのフレーバーが上手く取り入れられた上質の楽曲をその七色の通る声で表現する。
「君と僕の挽歌」はその「きっかけ」となった友人、ミュージシャンを目指しながら志半ばで交通事故で逝った友人に捧げた曲。その友人の遺志を継ぐ形で音楽家になり、天職を見つけた彼が歌う。♪別れの瞬間も/なぜだろう?/悲しみよりも「ありがとう」がこみ上げて来たよ/伝えたかった/キミに出逢えて良かった♪ふかイイ詞と深く強いドラムス、長音が中心だがフレーズが美しいゆったりとしたグルーヴが特徴のベースにさかいの感情を込めた強いタッチのピアノが乗って進む。リズムを担当するのは最近MISIAと行動することが多いリズムユニット、FUYUと種子田健。KIRAではさすがに躰の芯を揺さぶるような歌うベースラインは感じられないが、アトモスフィアのように絡むストリングスとドラマチックなシンバルの広がりに包まれ、優しい感じに。ちなみにこの曲のPV、2パターンあるがロングバージョンは劇仕立てになっている。泣かせるPVで、最近流行りの?「おひとり泣き女子」の気持ちもわかる気がする造りだが、曲がかなりいじられている。さかいのアカペラが聴けたりするおもしろいところはあるけど、販売されているヴァージョンと違うのはPVとしてはどうなんだろう?
「三日月ナイフ」はドラムの録り方がイイ。さかいの強めのタッチのピアノと厚めのオルガンを大きめに録られた種子田のフレーズが美しいベースとエネルギッシュなFUYUのドラムスが支える。FUYUのタム回しは目の前でタムがゆれているようなリアルな録り方で臨場感溢れる(自分がドラム叩くから余計にそう思うのかな)。
「Lalalai ~幡多弁ver.~」はSONYの液晶テレビのCFソングだった「Lalalai」をさかいの出身の博多の言葉で歌った歌。♪ラララ~イ/好きながよ/オマンへの思い/本気ながで♪とあったかみのある言霊の歌詞がブルージィなピアノに載せて歌われるミスマッチwそして粘ってスケールアウトして攻めるさかいのエンディングピアノソロの長いこと長いことwラストのぐちゃっwとしたコードで唐突に終わるのも茶目っ気があってイイ。
シングルではあるけれどアルバム未収録曲が多く、別に買う価値あり。特に大きく録られた種子田+FUYUの神リズム隊がキモ。最近は表だっての活動は小泉今日子やSMAPへの楽曲提供などの活動がメインの印象があるけれど、そろそろ次のアルバムキボンヌw
【収録曲】
1. 君と僕の挽歌
2. 三日月ナイフ
3. Lalalai ~幡多弁ver.~
4. 君と僕の挽歌 <backing track>
(既出ですが文中で触れたのでもう一度)「君と僕の挽歌」
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購入金額
1,223円
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購入日
2012年12月頃
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購入場所
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