SHANTI(シャンティ)。シンガーソングライターでジャズボーカリスト。ただジャズ、といっても「ど」ジャズではなく、ジャズテイストのポップスのあたりが一番濃い感じ。実はゴダイゴでドラムを叩いていたTommy Snyderの娘であり、Shanti Snyderが本名。ゴダイゴ活動停止後、現在はフランスに拠点を移しているアメリカ人Tommyの影響もあってか、娘のSHANTIもデビューアルバムがフランス盤だったり、欧米でもツアーを組んだりと結構ワールドワイドな活動をしている。
もう既に日本でも5枚のアルバムを残しているが(配信除く)、そんな彼女のカバーアルバム。オリジナルアルバムにも自作の曲に加えて、サザンオールスターズや清志郎らの曲をカバーしているが、かつて“Sunny and Blue ~J-pop'n Jazz~”というJ-POPカバーアルバムを出している。本作はそれに続く全曲(除く1曲)カバーの作品。今回はジャズ、ロック、ポップスから歌謡曲?まで幅広い品揃え。そして本作では鬼才クリヤ・マコト
が全面バックアップ。彼のクロスオーバーな才能とSHANTIのクロスカントリーな生い立ちとが上手くコラボした作品となっている。
「Every Breath You Take」はTHE POLICEの「見つめていたい」。元曲はStewart CopelandのタイトなドラムにAndy Summersのギターのミュートカッティング、Stingの味のある声がのる「乾いた」トラックだったが、本作は潤いがある。ドラムスは実父Tommyが淡々としたリズムを叩くが、クリヤの流れる様なピアノと鳥越啓介のふくよかなウッドベース、柏木広樹のヴァイオリンやセロの調べでとてもオシャレ。ジャズ、という感じではないけれどとてもいい癒やしの曲。
「I can't tell you why」(邦題「言いだせなくて」)はEaglesの再結成前のラストアルバム“The Long Run”から。フィンガースナップの音や軽く跳ねたリズムは元曲をやや軽やかにしたようなアレンジ。クリヤのなが~~いRhodesソロが堪能できる。最後の明るいコードの解決がイイナ。
「Twisted」はこのアルバムで最もジャズっぽい曲の一つ。もとはWardell GrayのサックスアドリブをLambert, Hendricks & RossのAnnie Rossがヴォーカライズした古典ジャズ。鳥越のウッドベース高音域を複数弦鳴らすコード弾きに、クリヤが軽快でパーカッシヴな伴奏をつけるのをバックにSHANTIがスキャット気味に早口で歌う。間奏前にドラムが入ってピアノトリオ状態に(このドラムスは最近MISIAのツアーに参加しているFUYU)。ピアノソロの後のサックスとペットのラインが楽しい!ふつ~の8ビートでカラオケ状態になってしまってる「木綿のハンカチーフ」だけが違和感あるけれど、彼女の「構えない」音楽がいい。空気のように必然で、でもいつも側にある、そんな音楽です。
【収録曲】
1. Every Breath You Take (THE POLICE)
2. Dat Dere (Rickie Lee Jones)
3. No One But Myself to Blame (Joe Sample)
4. Watch What Happens (Michel Legrand)
5. 木綿のハンカチーフ (太田裕美)
6. Waltz for Debby (Bill Evans)
7. Poetry Man (Phoebe Snow)
8. I can't tell you why (Eagles)
9. Smile -Live Recording- (Charles Spencer Chaplin)
10. Twisted (Annie Ross)
11. Haven't met you yet (Michael Buble)
12. TIME TO GO (木原良輔&SHANTI-オリジナル-)
13. Your Song -Bonus Track- (Elton John)
「Watch What Happens~TIME TO GO~Your Song」(ダイジェスト)
日本コロムビア SHANTIホームページ
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購入金額
2,940円
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購入日
2013年03月30日
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購入場所
山野楽器
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