レビューメディア「ジグソー」

徹底した非磁性体化設計

1979年発売のプリメインアンプで、当時の社名はまだTRIOだったはずですが、国内向け製品のブランド名として初めて「KENWOOD」の名前が冠された製品でした。ちなみに海外ではこれよりも遙かに前から「KENWOOD」のブランドが使われていたのですが、日本では実験的高級オーディオシリーズとして投入された「Lシリーズ」用のブランドとして採用されたそうです。

この製品はプリメインアンプでありながら、2つのユニットから構成されていました。片方は電源部分だけを取り出して専用筐体に収めたもので、こちらの方が大きさは小さいのですが重量はありました。そしてもう片方は回路部分が詰め込まれたユニットで、こちらが一般的なオーディオ機器としての機能を有しています。

回路側の筐体の大きな特徴は、全ての素材が非磁性体化されていたことです。これはこの製品の最大のコンセプトが「マグネティック・ディストーションの追放」にあったことによります。マグネティック・ディストーションとは回路に磁力が干渉することでオーディオ信号に歪みが生じるという現象であり、これを排除するために構成する全ての素材を磁力を持たないものにしていました。そのため、シャシー部分に至っては木製となっているほどです。

強大な電源を採用しているにもかかわらず、出力は100W+100W(8Ω時)と小さめでしたが、その一方でダンピングファクター1000という、ある意味常識外れな値を達成しています。ただ、この数値から感じられるほどのスピーカーの駆動力は無いようで、大型のフロア型3ウェイスピーカーよりは、2ウェイ型の中型クラススピーカーの方が相性は良いようです。

現在はSANSUI SP-100i、DIATONE DS-77Zを主に組み合わせていますが、出てくる音はSP-100iの方が良好です。2ウェイスピーカーとは思えないほど重厚かつ力感のある低音が出てきますし、音場の密度や生々しさなど、まだまだ生半可な新世代製品など寄せ付けない力を感じます。これがDS-77Zと組み合わせてしまうと、低域の表現は平坦で、鮮烈さも大きく減退してしまいます。DS-77Zはもらい物なので仕方ないのですが、相性という意味ではよくありません。

プリアンプ部も凝った構成で実力は高いのですが、端子の数や使い勝手の関係上、現在はONKYO製のプリアンプP-308を組み合わせ、L-01Aはほぼパワーアンプとしてのみ使っています。

実は現在使っているものは2台目のL-01Aで、これは4年ほど前に新たに入手したものです。初代機はもっと前に入手していて、音質では気に入っていたものの、至る部分での劣化が見られるため現在は引退させています。

製造から既に30年以上経過しますし、使用中はパワートランジスターの発熱がすさまじく、耐久性には不安を感じざるを得ないのですが、それでもこの製品の音質には捨てがたい魅力があり、今でも愛用し続けています。
  • 購入金額

    13,000円

  • 購入日

    2009年04月頃

  • 購入場所

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