搭載しているDSPは、Crystal(CirrusLogic) Sound Fusion CS4630で、当時のCrystal製DSPとしては上位仕様となるものです。
D/Aコンバーターはさすがに独立型ではなくAC'97 Codecですが、これを2基搭載することにより5.1chのDolby Surroundをサポートしていました。ちなみにこのCodecは20bitのD/Aコンバーターと18bitのA/Dコンバーター相当の性能を持つものだそうです。
一見するとごく普通のCS4630搭載サウンドカードでしか無いこの製品でしたが、他の製品とは一線を画す特徴となっていたのがVersaJackと呼ばれる端子でした。Versa(Versatile)Jackという名前の通り、多目的端子として動作するものです。具体的には、ドライバーに装備されたツールを使うことで、1つのステレオミニプラグをヘッドフォン出力・ライン出力・ライン入力・マイク入力に切り替えることが出来るように設計されていました。
地味なところでは、当時としては比較的珍しいMP3 Accelarationという機能があり、MP3再生をハードウェア支援することが可能となっていました。当時はまだメインCPUがPentiumIII程度でしたから、この有無だけでもCPUの負荷率はある程度変わっていました。
音質の方は、基本的にはごく普通のCS4630カードといって良いでしょう。当時のCrystal DSP搭載カード全般にいえるのですが、あまり力感や馬力という部分が出る音ではなく、線が細い印象の音です。オンボードサウンド機能と比べればずっと音は整っていますが、分解能や緻密さという点でも、もう少し上のクラスやオーディオインターフェースと比べれば大きく劣っています。悪い音ではないのですが、個人的には一世代前となるAureal Vortex2搭載の同社製品MontegoIIの方が好みでした。
WaveBlaster互換のMIDIドーターにも対応していますので、機能的には当時必要とされる大体の機能は備えていたといって良いでしょう。
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購入金額
1,000円
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購入日
不明
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購入場所
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