ボード側にはブレイクアウトボックス用のコネクターの他はステレオミニプラグによるライン入力端子しかなく、あくまでもブレイクアウトボックス込みでサウンドカードとして機能するように設計されています。
ボードとブレイクアウトボックスを結ぶためのケーブルはとにかく太いとしかいえないものです。あまりに太く曲げにくいため、ボードとブレイクアウトボックスを至近距離に置くのはほぼ不可能だったほどです。私は普段はブレイクアウトボックスをCRTの上に設置して使っていました。
このブレイクアウトボックスで少々面白いのは、USBハブ機能を持っていて、USBコネクターを2つ備えているということです。製品名から想像が付く通り、ゲームパッド等のゲームアクセサリーを接続することを前提とした端子ですが、一応汎用のUSB1.1として機能するものです。もっとも、給電能力が弱かったため、動かない機器も多かったようですが。
D/AコンバーターやA/Dコンバーターについては、AC97互換CodecのCS4294を採用しています。当時はハイレゾ音源など殆どで回っていない時代でしたので、性能面では特に不足というほどのものでもありません。Crystal (Cirrus Logic)のCodec内蔵アンプは、この類の製品としては比較的音質も良好だったのではないでしょうか。
音質については、比較的まともなサウンドカードというところでしょうか。同じCS4630を採用するTurtleBeach SantaCruzと比べれば、低域方向の力感や密度はこちらの方が良好です。おそらくはブレイクアウトボックスを採用したことによる設計の違いが影響しているのでしょう。どちらにしても、少なくともSoundBlaster Live!系よりは音楽鑑賞向きであったことは間違いありませんが。
とはいえ、最近のハイクラスサウンドカードはVIA/ICEnsemble ENVY24系のDSPと、24bit/96KHzサポートのCodecやD/Aコンバーターを採用していることが多いわけで、それらと比べればオーディオ的な次元は低いといわざるを得ません。分解能も劣りますし、力感で劣っているにもかかわらず緻密さも感じられません。
一時期はメインPCであったPC-9821Xt13/C12でも使っていた製品ではありますが、あくまで当時のメインストリームクラスのサウンドカードとしては良く出来ていたという程度の評価です。音質を重視するなら、私がかなり厳しい評価を下しているONKYO SE-200PCIなどの方が遙かに上ですから。
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購入金額
5,980円
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購入日
不明
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購入場所
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