に続いて、つぎはジャズ編。
矢野沙織。驚異の中卒デビュー
のサキソフォニスト。デビュー当時の彼女はとても16歳とは思えない堂々たる吹きっぷりで、周囲のジャズメンたちをあっと言わせたが、そんな彼女が美しく成長して、その長髪をさらしたのがこの作品に入っている曲をバックに流すヘアケア製品のCF。【比較試聴対象曲】「I & I」その花王“ASIENCE”のCF曲。ハッピーなクインテットジャズ(サックス+ピアノ・ベース・ドラムス)。ゴキゲンな増原巖のランニングベースに、少しオールディーズな薫りもある沙織のメロディが乗る。後藤浩二のアウトスケールな音が入っているのに、ちょっと茶目っ気があるピアノソロがハッピー。小松伸之の叩くシンバルが、ゆれている空気感が判るような近さ。
※比較ポイント:シンバルの音。近めに録っているライドのレガートでシンバル全体が鳴っている感じだが、シンバルの「大きさ感」が描き出せるか。
「Sweet Love Of Mine」。Mike Le DonneのオルガンがCOOLな、トランペッターWoody Shawの曲。キメのフレーズで、全員で粘るのは、最近の打ち込みの音楽では見られない阿吽の呼吸。Peter Bernsteinのギターソロのピッキングの強弱が表情豊か。先にソロを取るEric Alexanderのテナーは、特に前半リップノイズの少ない丸い音でラインで攻め、後攻の沙織は逆にアタック強めの音色で聴かせ、音色の幅で攻める。
ムーディな「Everything Happens To Me」はピアニストMatt Dennisの代表作。サックスはテーマの呈示や〆をとるけど、やっぱりピアノの曲。Harold Mabernはテーマのバックではトレモロ奏法を使ってピロピロ飾りを入れているだけのようでいて、途中のピアノソロのあたりから少し早くなり、バンバンオクターブ奏法を使ってパーカッシヴに決める。
もはや「女性」プレイヤーとか「若干16歳でデビューした」とか装飾しなくても充分通じる堂々のプレイ。彼女はたぶんこれからもっと深みのある音を出せるようになるかな。有能なプレイヤーが育ってくるのを見ると嬉しいね!
【収録曲】CDエキストラ仕様
1.I & I(花王“ASIENCE”CF曲)
2.Sweet Love Of Mine
3.Everything Happens To Me
・CDエキストラ内容「CM撮影時のメイキング」
日本コロムビア該当CDページ(「I & I」の試聴ファイルあり)
「I & I」(ライヴですが)
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購入金額
1,000円
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購入日
2011年頃
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購入場所
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