ジャズ沼に完全に嵌まりきって過ごしている男、寺島靖国。オーディオマニアにしてジャズ喫茶(吉祥寺「Meg」)のマスター。つまり聴く方も聴かせる方もリキが入っている。さらに自身のジャズ喫茶に来られないひとにもジャズを布教しようと?、ジャズエッセイストであり寺島レコードなるコンピレーション・旧盤発掘を手がけるレーベルの主宰者でもある、まさにジャズ漬けの人生。
そんな彼が2001年以来毎年出しているコンピレーションアルバムが“Jazz Bar 20XX”。ライヴありスタジオ録りあり、古いのあり新録ありと彼のお眼鏡(お耳?)にかなったいろいろなJAZZナンバーがあつめられている。既に今年(2012年12月)もでたが、高い音質で良質な楽曲を提供する人気シリーズで、リリースされる年末になると購入するファンも多い。
【比較試聴対象曲】「I Will Wait For You」。いわゆる「シェルブールの雨傘」。歌うのはLisa(リーサ) Lövbrand。スウェーデンの女優・歌手らしい。ドラムスの他は、左chのフルアコ、右chのアコギ、ベースとギター系楽器だけのバックにLisaの色っぽい声が絡む。フルアコの、沁みるコード主体のソロと、時折挟まれるアコギの鋭いアクセント、最後には感極まって?泣きそうなハスキーさになるLisaの声がいい。
※比較ポイント:Lisaの息づかい、囁く歌声のエロさw。フルアコの存在感。
「Double Vision」。Kris Bowersのピアノ独奏でちょっとジブリ系のような郷愁を誘う演奏で始まるが、リズムインすると様相が一変。そのもの悲しい雰囲気は維持しながら、ドラムが32ビート!というような取り方をしているのでとってもダイナミック!!この神業ドラムはClarence Penn!Ben Williamsのベースも指板にバシバシあたっているのが判るスゴイ演奏。
「We're All Alone」。Boz Scaggs
の名バラード。ピアノトリオ+スローに語りかけるボーカル、というこの曲、音のチェックにはイイカモ。大きく録ってあるブラシのスネア、ハイハットのフットクローズ、ブラシでシンバルをこする音...とても多彩。内容はSimoneの近い声とJohn Di Martinoの2コーラスに渡る長くロマンチックなピアノソロが沁みる。
非常に高音質で、音楽もとても良質。それでいて日本でものすごくメジャー、というひとは少ない。このアルバムを聴いて、深入りすると寺島氏としては「してやったり」、なんだろう。そうそう、このコンピレーションシリーズ、2001年の開始以降ずっと同じデザイン会社(m.b.)がジャケットデザインを手がけていますが、10年で一区切り、再出発を期して?2011年は人目を惹くデザインですw【収録曲】
1. Longing/Touha(Emil Viklicky Trio)
2. Mission(Varga Gabor Jazz Trio)
3. Tennessee Waltz(Stevens,Siegel&Ferguson Trio)
4. I Will Wait For You(Lisa)
5. Circle(Triotonic)
6. Double Vision(Kris Bowers)
7. Old Folks At Home(Swanee River)(Harry Allen)
8. Langham(Trio This)
9. We're All Alone(Simone Kopmajer)
10. To Whom It May Concern(Espen Eriksen Trio)
11. The Laziest Gal In Town(Jane Krakowski)
12. The Letter(Sophisticated Ladies)
13. Melodie D'Amour(Jean-Pierre Como)
14. Beautiful Creatures(Brian Browne)
Lisa Lövbrand 本人サイトの試聴ページ
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購入金額
2,940円
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購入日
2011年12月08日
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購入場所
HMV
北のラブリエさん
2012/12/04
しばらく話題を聞きませんが元気なんでしょうか。
//もちろん知り合いとかではありませんw
cybercatさん
2012/12/04