ギタリスト...いや最近では「世界遺産」のテーマ「Songs of Life」での音楽プロデューサーや、松田聖子のアレンジャーとしてむしろ有名な鳥山雄司のソロ4作目。Neil Larsenの嵐のように唸るハモンドソロがものすごい“PLATINUM DORI”
の2作前。ギタリストとしては確かなテクニックと幅広いジャンルへの適応性、歌心のあるライン取りで定評がある彼だが、こんな早いうちからプロデューサーとしての視点も持っていた。この4thアルバムはギタリストのソロアルバムとしては奇妙なほど「弾いていない」。
「FLASHBACK」は硬く跳ねる青山純のドラムスと名ベーシスト伊藤広規
のリズムの上に、鳥山の端正なギタープレイが乗る。アタックが綺麗につぶれた(ヘンな言い方w)強オーバードライヴ、という感じの太く暖かい音。曲の構成を大切にしていて、中間ソロは歌心溢れるプレイで魅せるが、エンディングはオブリガードに徹してあまり「弾きすぎない」感じ。
「CITY SCREAM」。若き日のMadonnaっぽいエロキュートな歌い方でCINDY姐さん(一般的には「うる星やつら」のオープニング曲「Chance On Love」などが有名??残念ながらすでに鬼籍に入られました(ノД`))が実力派コーラスグループEVEとともに歌うフュージョンボーカルチューン。間奏のヘヴィな音のアーミングヴァリヴァリのソロはスリリング!他は意外にもチョッパー的奏法でパーカッシヴなバッキングに徹しているけど。
タイトル曲の「A TASTE OF PARADISE」はギタリストのソロアルバムの曲とは思えない造りの曲。基本ハーモニカ調のキーボードの調べで2コーラスたっぷりメロが取られる(ピアニストは別にいる-富樫春生-が「シンセサイザー」は鳥山のクレジットなので彼がメロを弾いているんだろうけど)。その後クリーンなエレキの音で幻想的な演奏があるけど、「間奏」「ソロ」という感じで主役っぽくはない。弾くとこは弾いて、引くところは引く、ギタリストの自己満足よりも曲の完成度を重視した構成。20代中盤でこの悟り?wとても上質なフュージョンギターアルバムです。
【収録曲】
1. FLASHBACK
2. EYES OF GOD
3. ISLAND RAIN
4. CITY SCREAM
5. A TASTE OF PARADISE
6. BLUEROCK BOULEVARD
7. BAY/SKY PROVINCETOWN 1977
8. MAZE
9. SOMETHING GOING ON TONIGHT
「MAZE」
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購入金額
3,200円
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購入日
1988年頃
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購入場所
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