所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ライヴアルバムに期待するところは人それぞれです。MCなどで普段判らないアーティストの素顔に触れたり、アレンジが変わったり演奏者が変わったりで新味を得た曲との出逢いだったり...そんな中「ライヴ」ならではのエネルギーを感じることが良い、という人もいます。そんな熱いエネルギーが感じられる演奏を封じ込めた作品をご紹介します。
高中正義。フュージョンという言葉もまだなかった頃から、インスト分野で活躍するギタリスト。虹を食べる小鬼の絵本にインスパイアされたアルバム
と、その小鬼のかぶり物をかぶったままでの演奏をするライヴが有名だが、その前夜。初期の名曲を演奏したライヴが本作。1979年末の録音。
このときのメンツは高中本人に加えて、サポートギター椎名和夫、キーボード石川清澄と小林泉美、ドラムスが上原'ユカリ'裕と井上茂、パーカッション菅原裕紀と中島はじめ、ベースが高橋ゲタ夫、サックス土岐英史という大所帯。つか、サックスとベース以外はすべてツインというww
混沌としたエネルギーに溢れている。
「BLUE LAGOON」。初期高中を代表する名曲。ツインパーカッションとツインドラムの豪華なリズム隊によるトロピカルなイントロがついており、元曲よりかなり速くなっている。ツインドラムならではの豪快だが若干ルーズなリズムが「ライヴ!」という感じだが、この曲のキモは初期高中を支えた名ベーシストゲタ夫のランニングベースとチョッパーベースを行き来する雄弁なプレイ。実にドライヴィン!!
「EXPLOSION」。イントロや間奏の12小節に及ぶフルユニゾンがライヴならではのユルさ、カオスの魅力。途中の土岐
の濁っていないサックスの合いの手がCOOL。高中のボコーダーが懐かしいなぁ。
「TROPIC BIRD」はけたたましい怪鳥の鳴き声のようなギターのイントロから始まるエネルギッシュな曲。寄せては返すような強弱のうねりがあるリズムとシンクロするオルガンソロがCOOL!打鍵の強いダイナミックなピアノソロがHOT!!途中の爆発音の効果音でさらにヒートアップ!この速さの16ビートのツインドラム、かっちり合うわけもなくw、なんというかカオスというか、塊というか、すでにビートの「うねり」、血の猛りだ。ラストはパーカッションソロを挟んで、会場との掛け合いを含むギターソロになだれ込んでいく。そのまま、次の曲へ~ドドドドドと言う感じで~
もう10人のエネルギーが、パワーが何もかもなぎ倒していくという感じ。クライマックスの「READY TO FLY」は、オリジナルのように軽く飛び立....たずにw、飛行場の端まで何もかもなぎ倒しながら駆け抜けてフェンス突き破って海に落ちるようなパワーに圧倒されるし、続く「黒船」
は当時のエンディングを飾るドラマチックな名曲だが、ツインドラムのシンバル連打でこれでもかと盛り上げるこのバージョンが一番好き!
ドンカマもないだろう時代の10人のピッタリと合うのではないw、でも塊として「だいたいあっているw」というカオスの魅力。人の鼓動を感じる名盤です。
【収録曲】
1. BLUE LAGOON
2. EXPLOSION
3. 珊瑚礁の妖精
4. RAINY DAY BLUE
5. TROPIC BIRD
6. DISCO"B"
7. READY TO FLY
8. 黒船
「BLUE LAGOON」「EXPLOSION」「RAINY DAY BLUE」
ライヴで求められるのは「完璧度」ではない
うねり、ヒートアップ、脈動...そんな生ならではの熱量
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購入金額
3,200円
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購入日
1987年頃
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購入場所
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