Jeff Porcaro。不世出のドラマー。すでに20年前若くしてなくなったが(38歳)、10代の頃からプロとして働き、数多くのセッションワークを残してきたので20年程度の活動期間ながら数々の名演を残している。1980年代のヒット曲にはジャンルを問わず彼のドラミングが刻まれていた。
本作はそんな彼がドラムで参加した曲のアンソロジー。ジャンルもロックありフュージョンありブラックあり...彼のジャンルにこだわらない柔軟性とどんな音楽スタイルでも自分を出せる味のあるプレイが堪能できる。
まずTOPはミディアムテンポの名曲、TOTOの「GEORGY PORGY」。TOTOの1stからの3rdシングルだが、出した当時は売れず、その後じわじわと人気が上がり多くのアーティストにカバーされるようになった曲。ここにはレアな「DISCO VERSION」が収められている。オリジナルのふわっとフェイドインしてくる出だしと異なり、最初から一定の音量で始まる。またCheryl Lynnのソウルフルなコーラスのフェイク部分が伸ばされているのと、ベースとドラムスの音量が若干大きく、ドラムスのタイトさが強調されている。Jeffのドラムはあまり「タイト」という方向性の評判はないのだが、彼の守備範囲にはこのあたりまで入ることが判る。
「I KEEP FORGETTIN' (EVERY TIME YOU'RE NEAR)」。これは以前ご紹介したWarren Gのヒット作、「Regulate」
でサンプルとして使われていた曲(サンプリングされていたのはイントロ部分)。「Regulate」の方はWarrenのキャラもあいまって暗い夜の闇のようなラップチューンとなっていたが、こちらはBメロに入ると明るさが見えるソウルドAOR?Michael McDonaldの声がセクシー。Jeffは二つ打ちの16ビートでは難しい中間スピード(速くもなく遅くもないちょうどヤな感じの?速さ)で押し切るが、所々にバスドラムの二つ打ちを使ったフィルインを入れて、でもこれ見よがしでないあたりが素晴らしい。
「ROOM335」。この曲もJeffか?言わずと知れたLarry Carltonの代表曲だが、TOTOでのJeffをイメージしていると、この曲での軽めでデッドな音作りは意外。シンバルワークというかその使い方が絶妙。複数のクラッシュシンバルのカップだけをまわし叩く軽いアクセント、ショルダーをスティックの先で叩いた鋭いアクセント、エッジを叩いた強いアクセントとシンバルのあらゆる音を引き出している。ビートもAメロの跳ね気味の16ビート、エレピのソロのバックの二つ打ちの装飾音を加えた16ビート、ラストのギターソロのバックはライドシンバルのカップを四分音符でぶったたくロック調のものと表現形は変えながらグルーヴは変わらないと来た!
他にもMichael Jacksonの「BEAT IT」、Christopher Crossの「ALL RIGHT」、Airplay「NOTHIN' YOU CAN DO ABOUT IT」など“1980ベスト××”とか“AOR百選”などでは必ず選ばれる曲の数々。
こんなにも多くの曲が彼のドラミングで支えられていたと思うと、あっけにとられるしかない。ものは購入店でスタンプ満了につき2000円引きとなったが、あまりその店で買わなくなってきているので、その場で2000円ジャストの商品を探していて遭遇。「Ⅱ」ということなので「Ⅰ」に遡ることを決意してますw
【収録曲】
1. GEORGY PORGY (DISCO VERSION)/ TOTO feat.Cheryl Lynn
2. I KEEP FORGETTIN' (EVERY TIME YOU'RE NEAR)/ Michael McDonald
3. BEAT IT(今夜はビート・イット)/ Michael Jackson
4. GUESS WHO'S LOOKING FOR LOVE AGAIN/ Ned Doheny
5. WHAT A FOOL BELIEVES/ Aretha Franklin
6. ALL RIGHT/ Christopher Cross
7. MORNIN'/ Al Jarreau
8. ONE STEP AHEAD OF THE BAD NEWS/ Randy Goodrum
9. SPANISH FLIGHT/ Rodney Franklin
10. GIMME THE GOODS/ Boz Scaggs
11. NOTHIN' YOU CAN DO ABOUT IT(貴方には何も出来ない)/ Airplay
12. ROSANNA/ TOTO
13. ROOM335/ Larry Carlton
14. HAVEN'T WE COME A LONG WAY(二人のラヴ・ウェイ)/ Eric Carmen
15. YOU SHOULD HEAR HOW SHE TALKS ABOUT YOU(気になるふたり)/ Melissa Manchester
16. WHY DO LOVERS BREAK EACH OTHER'S HEART?(恋の傷痕)/ Daryl Hall & John Oates
17. SONG FOR JEFF/ Steve Lukather
「I KEEP FORGETTIN' (EVERY TIME YOU'RE NEAR)」
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購入金額
0円
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購入日
2012年10月12日
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購入場所
新星堂
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