唯一、日本では発売されなかったものの、Intel純正のPentiumII ODPが発売されましたが、日本円換算で10万円前後と極めて高価で、かつクロックも333MHz駆動とやや物足りないものでした。もっとも、CPUコア自体はPentiumII Xeon相当のもので、標準のPentiumIIよりは高性能なものでしたが。
私も後に格安で(それでも2万円以上しました)輸入されたPentiumII ODPを複数入手しましたが、当時のPCは既にPentiumIIIに移行している時期であり、PentiumII ODPでもそこそこは高性能だったものの物足りなさの方が強く感じられました。
そんな中で新たなSocket8向けのアップグレードパスとして注目されたのが、Socket8→PGA370の変換アダプタである、PowerLeap製PL-Pro/IIでした。当時PentiumII/IIIはSlot1形状で提供されていて、PGA370だったのはCeleron(Mendocino)だけでしたが、それでもFSB 66MHzであっても実クロックが500MHz台に達するという大きな魅力がありました。
もっとも、Mendocino Celeronが動作しただけであれば、恐らく救世主とまではいわれなかったでしょう。本当の意味で救世主となったのは、PentiumIIIがKatmaiコアからCoppermineコアに移行した際に、CPUパッケージがSlot1だけでなく、Socket370でも提供されるようになり、PL-Pro/IIへの搭載が可能になったことによります。
もちろんPL-Pro/IIはPGA370対応であり、Coppermineで採用されたFC-PGA370には対応していなかったのですが、これはPGA370→FC-PGA370変換アダプタをPL-Pro/IIの上に重ねることで解決出来ました。さらにPentiumIIIがTualatinコアに移行し、FC-PGA370-2に変更された際にも、FC-PGA370→FC-PGA370-2変換アダプタを重ねることで対応できたため、結果的にPL-Pro/IIを介することで、Socket370で提供されたほぼ全てのCPUを、Socket8のPCで使うことが出来たのです。
私のPC-9821Rv20/N20は、このPL-Pro/IIと2つの変換アダプタを重ねることで、現在PentiumIII-S 1.4GHzが動いています。FSB 133MHzで1.4GHz駆動となるCPUを、FSB 66MHzのPCで動かしているため、実クロックは700MHzとなってしまうのですが、それでもWindows2000を快適に使うことが出来る性能が得られたことの価値は、非常に大きいものがありました。
CPUソケット変換アダプタとしての出来は決して良いものでは無く、比較的故障も多かった製品ですが、発売されただけでも大きな意義があった製品ということが出来るでしょう。
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購入金額
5,980円
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購入日
2001年頃
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購入場所
けんこうさんさん
2012/10/19
IBM PC 365にコレ載せてDualで動かそうとしたら・・・
下駄のピンがショートして熔けました。 orz
jive9821さん
2012/10/19
私はピンのショートはありませんでしたが、3つ持っていたうちの1つで面倒な場所のピンを折ってしまい、修復不能にしてしまったことがあります。
PL-Pro/II自体、さほど完成度の高い製品では無かったため、Dual動作に関しては大抵不可能だったようです。あの「デュアロン」でお馴染みだったMendocinoでも、PC-9800では全滅でした…。