とはいえ、これは公式ソング集ではない。日本人として初めてF1の表彰台に乗った(1990年鈴鹿、ラルースランボルギーニ)鈴木亜久里が、当時日本のフュージョンシーンで人気を二分していたうちの一方、CASIOPEAの曲の中から「F1に合う曲」ということでセレクトしたもの。各曲に対する彼の一言もついている。F1というスポーツがそもそもその日本フュージョンのもう一方の巨頭、T-SQUAREの曲(「TRUTH」)をテーマソングとして使っていたので、二匹目のどじょうを狙ったレコード会社側の企画でもあったんだろうけど、ちょうど黄金期のメンバーが分裂してメンバーが替わり、曲調がややわかりやすいものになっていたこともあってまさにT-SQUARE対抗、と言う感じ。このときのメンツは後期安定期と呼ばれるドラムスに熊谷徳明が加わった頃
の直前、ギターの野呂一生とキーボードの向谷実というオリジナルメンバーに途中交代ながら2期以降未だに一緒に行動するチョッパーベースの御大、ナルチョこと鳴瀬喜博にドラムスは日山正明という布陣。この布陣ではオリジナルとしては3枚のアルバムと1枚のシングルを残しているが、うまく網羅されるように選曲されており、この時代のベストアルバムとしての位置づけもできる。
オープニングの「TOP WIND」は1小節おきに2拍目を喰うスリリングなリズムアレンジで、タイトな日山のドラムがCOOL。上物系2人の音色はまだ黄金期のそれで、まさにCASIOPEA。亜久里は「F-1レースが始まる直前の気持ちの高ぶり」と記しているが、センスいいな。
「PASSIONATE VOLTAGE」は爆速サンバ調リズムに乗せてグイグイ引っぱられるスリリングな曲。ギター⇒ベース⇔ドラムの掛け合い⇒キーボードと続くソロ回しも、キレたもの。各メンバーがテクニックを尽くしてぶつかる様は「スリリングなデッドヒート」という感じ。
「SPLENDOR」は本来パリ-ダール・ラリーのテーマソングだった。亜久里の選曲理由としては「次のレースに向けての新たな闘志を燃や」す曲との事だけど、ちょっとさわやかすぎ?でも資料的価値としては高くて、実はこの曲オリジナルアルバムには収録されていないシングル発売のみの曲。
結構亜久里がイイ選曲していて、センスあるなと。CASIOPEAのアルバムとしても日山在籍時代のベストアルバムとしてとらえることができる作品で廃盤が残念。つか「SPLENDOR」がアルバムとしてはココでしか聴けないので...←コレクター..
【収録曲】
1. TOP WIND
2. NAVIGATORS
3. THROUGH THE HIGHWAY
4. 目撃者
5. PASSIONATE VOLTAGE
6. MESSENGERS
7. ときめき
8. CYBER ZONE
9. TIME STREAM
10. SPLENDOR
「SPLENDOR」
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購入金額
2,500円
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購入日
1993年頃
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購入場所
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