1994/5/1...この日神に愛されたF1界のヒーロー、ブラジルの英雄は神の御許へ召された。
Ayrton Senna....ホンダエンジンの全盛期と重なるその活躍時期で、日本のF1ブームを支えた。ホンダの創始者、本田宗一郎への厚い信頼と交流でも知られ、日本通として有名だった。
そんな彼が、宗一郎亡き後急速に力を失ったホンダエンジンがF1界から去り凋落したMcLarenからの離脱を試み、当時最強と言われたRenaultエンジンの後塵を2年連続で拝したあと、念願の最強チームWilliams Renaultへ移籍がかなった、その年に悲劇は起こった。
第三戦San Marinoグランプリ。この日予選でポールポジションを得ていたSennaは一度も自分の前を他人に走らせることなく天に昇った。Autodromo Internazionale "Enzo e Dino Ferrari"(Imola)、Tamburelloコーナー。時速200km/h以上でコースアウト、壁に激突した彼は還らなかった。
これはそんなF1ヒーローに捧げられた鎮魂歌集。音楽担当は当時F1のテーマソング、「TRUTH」のヒットでF1音楽と言えば、と言う立場であったT-SQUAREに挿入歌などを担当していた大橋勇武
らを加えた“T-SQUARE and FRIENDS”名義。T-SQUAREのフルメンバーとしてはリミックスによる転載曲「FACES 1994 Re-Mix Version」しか演奏されず、他の曲はメンバーの一部+他のミュージシャン、の形態を取る。その結果、T-SQUAREの単独アルバムよりもバラエティに富んだサウンドになっている。
「HEAVEN KNOWS」。この激しくも美しく切ない曲はドラマー則竹裕之の筆による。T-SQUAREとしては他にギターの安藤正容とEWIの本田雅人が参加。激しく、劇的な記憶を我々に残した「音速の貴公子」Sennaの波乱の人生を象徴しているような強い印象を残す曲。安藤の泣きのギターソロと本田の緩急をつけたEWIソロがもの悲しい。
「SOLITUDE」は安藤の手になる寂しげなアコースティックチューン。安藤の生ギがリードするメロディに続いて、櫻井哲夫のベースソロを経てT-SQUARE史上最もアコースティック寄りのキーボーディスト和泉宏隆がセンチメンタルなアコースティックピアノソロを聴かせる美しい曲。
その和泉の手になる「SALAMANDER」は、どこか南米調のツースリーのリズムに乗せて大航海時代のイメージ。何となくゲーム「大航海時代」
のBGMを彷彿とさせる曲調。後半泣きのギターソロを取るのはT-SQUAREのメンバーでなく大橋。いずれの曲もSennaの激しく感情的な性格、勝利を目指すには純粋で、欲すること子供のようなその人物像を良く表していると思う。
アルバム全体としてそういった曲が集められているため、どうしても聴く時には感傷的にはなってしまうけれど、 Sennaの遺した我々の記憶をたどるよすがになる、そんなアルバムです。
【収録曲】
1. HEAVEN KNOWS
2. SOLITUDE
3. NO END RUN
4. SALAMANDER
5. QUIET MOMENT
6. GOOD-BYE HERO
7. FACES 1994 Re-Mix Version
8. HEAVEN KNOWS Reprise
「HEAVEN KNOWS」
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購入金額
2,800円
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購入日
1994年頃
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購入場所
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