1.はじめに
レビューの期限が過ぎてしまいましたが、
途中まで書いていたので、書ききろうと思います。orz
本当は、Windows7なメインPCをWindows8へアップグレードしてみようと思いましたが、とりあえず、お手軽にVHDなデュアルブートで試すことにしました。
Windows7とWindows8の機能比較はもうだいぶできった感があるので、
ちょっと技術的なVHDブートをするまでの手順を書いていきます。
TechNetを持っていますので、検証用途ということで、Windows8 Enterpriseを使って、
既存のWindows7Ultimateの環境をのこしたまま、VHDブートでのデュアルブートを実現します。
事前に、TechNetからISOイメージをダウンロードしました。
別なHDDで起動してもよかったのですが、せっかくならVHDブートでいきたいと思います。
VHDブートする理由はほかにもあって、以下の点で検証できたらと思います。
・VHDではあるが、同じドライブ(同じハード構成)で、比較ができる。
・VHDの性能がわかる。
・既存の環境を変更することなく、windows8を検証できる。
・ちょっとやってみたい、enterprise版なので、WindowsToGoを試す環境ができる。
2.環境
M/B
メモリ
CPU
メインドライブ
他HDD
と、SATA3 500GBのHDD
以上のような構成です。
Windows7のドライブ構成ですが、
C: SSD Intel 335
D: SATA3 500GB HDD
E: USB3.0 1TB HDD
C:ドライブに当たる、SSDへVHDディスクを作成し、そこから起動をします。
3.VHDブートな環境を作る
早速、VHDブートをする環境を作るために、まずは、Windows7の環境でVHDディスクを作成します。
1.VHDディスクを作成するために スタート→コンピューターを右クリックし、「管理」を選択します。
2.記憶域→ディスクの管理をクリックします。
3.操作→VHDの作成をクリックします。
- 今回はVHDディスクを、サイズ固定 40GBでSSD内へC:\VHDフォルダへ作成しました。
4. VHDを初期化して、領域確保する。
作成すると、自動的にマウントされ、オフラインの状態になりますので、ディスクをクリックし初期化を行います。
MBRで初期化します。
初期化が完了すると、未割り当ての状態になりますので、今度は、パーティションのフォーマットを行い、エクスプローラーから参照できる状態にします。
- ドライブレターはもろもろの都合で、Hドライブになりました。
以上で、VHDディスクの作成は完了です。
4.Windows AIKの準備
Windows8のメディアを使って、インストールするだけだとつまらないので、WindowsAIKというMS製の自動展開ツールのImageXコマンドを利用して、ISOイメージのままVHDにOSを展開します。
Windows AIKはWindows 8用がまだ準備されていませんでしたので、Windows7用を使いました。
ダウンロードはhttp://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=5753
サイトよりダウンロードを行い、インストールします。
ISOイメージのため、メディアへ焼くか、マウントツールでマウントして使います。
私は、WinCDEmuというソフトを使ってます。
AIKのISOをマウントすると、インストールメニューが起動しますので、
「Windows AIK セットアップ」をクリックします。
セットアップウィザードが起動しますので、インストールを進めます。選択項目はなかったので、次へで進めました。
完了すると、スタートメニューにグループが作成されます。
以上で、Windows AIKの準備が完了しました。
5.ImageXからのOSの展開
AIKに付属のImageXコマンドを利用して作成したVHDディスクにOSをインストール(展開)します。
ここからは、コマンドプロンプト操作が続きます。。。
1.OSメディアのISOイメージを適当なドライブへマウントします。
・ 私の環境では、Vドライブにしました。
2. OSメディア内のイメージインデックスの調査
ImageXコマンドを使うために、インストールイメージファイル(.wim)ないのどのイメージをインストールするか指定する必要があります。
イメージによっては複数エディションの展開を可能にするために、1イメージファイル内に複数入っていることがあるため、まずは調べる必要があります。
・ スタート→Microsoft Windows AIK→Deploymentツールのコマンドプロンプトを起動し、以降、コマンドプロンプトから操作します。
コマンド: ImageX /info V:\sources\install.wim
・ 表示された、結果の中の「NAME」タグ内に、OSの名前があり、
「IMAGE INDEX="1"」がインデックス番号になります。
すみません、画像にNAMEタグがないですね。。。実際は下のほうにあります。
3. VHDへのOSの展開
・ OSイメージを展開します。
・ VHDディスクはHドライブになっています。
コマンド: ImageX /apply v:\source\install.wim 1 h:
- VHDディスク(Hドライブ)へInstall.wimのインデックス1のイメージを使って展開しました。
これで、VHDディスクへのOSの展開(インストール)は完了しました。
SSD上のVHDディスクへの展開でしたが、3分14秒で完了したようです。
6.VHDからブートできるようにする
OSの展開が終わったので、VHDディスクより起動できるように、ブートメニューにVHDディスクを追加します。
BCD(ブート構成データ)を編集して、メニューへの追加とWindows7のbootMgr(ブートマネージャー)だと、Windows8の起動に失敗するので、BootMgrの置換も行います。
1.ブートメニューを追加する
コマンド: bcdedit /copy {current} /d "Windows 8 Enterprise VHD"
・ 現在のブートローダーをコピーして新規で"Windows 8 Enterprise VHD"という名前で作成する
2.コピーされたか確認
コマンド: bcdedit
・ BCDの内容を表示する
・ ここで、コピーされたブートメニューの「identifer」のGUIDを控えておいてください。
3.コピーしたブートメニューを編集する
コマンド: bcdedit /set <2で控えたGUID> device VHD=[C:]\VHD\Win8Ent.vhd
・ VHD=の後ろは[]の中はVHDを格納したドライブ名を指定してください。
・ その後に、フルパスで作成したVHDファイルのパスを記述します。
コマンド: bcdedit /set <2で控えたGUID> osdevice VHD=[C:]\VHD\Win8Ent.vhd
以上で、ブートメニューにVHDから起動するメニューが追加されました。
・ ただ、このままだと、VHDからはWindows8は起動できません。
Windows7であれば起動可能ですが、Windows8を起動するには先ほども書いたように、BootMgrをWindows8のものと置換する必要があります。
4.ブートマネージャ(BootMgr)を入れ替える その1
Windows8のブートマネージャは、インストールDVDのルートにあります。
Windows7のブートマネージャは、ディスクの管理で見た際に100MBほど、
ドライブレターが割り当てられていない領域があり、そこにあります。
ですが、OS起動状態ではつかまれているため入れ替えができません。
なので、別途、OS回復メニューを起動しそこから入れ替えます。
まずは、一時的にDVDから、別名でコピーします。
コマンド: copy v:\bootMgr c:\bootMgr.new
5.ブートマネージャ(BootMgr)を入れ替える その2
PC再起動しすると、ブートマネージャのOS選択画面になる
F7キーを押し、詳細ブートオプション画面にします。
メニューから「コンピューターの修復」を選択します。
すると、GUIのシステム回復オプションのIME選択画面になるので「次へ」をクリックします
ローカルAdministratorでログインするよう求められるので、ログインします。
これで回復オプションを選択する画面が出るので、一番下の「コマンドプロンプト」をクリックします
コマンドプロンプトで、先ほどコピーしたBootMgr.newファイルで現状のものを上書きします。
WindowsPE環境なので、ドライブレターが激しく変わっていますので、BootMgr.newファイルを探してください。w
私の環境ではEドライブにありました。
そして、上書きするBCD領域のドライブも探してください。
bootMgrは隠しファイルですので、Dirコマンドに/aオプションをつけて探します。
私の環境ではDドライブでした。
ということで、入れ替えのため、以下の作業を行います。
・ Dドライブ上の今のbootMgrファイルの属性を変更(解除)
コマンド: attrib -R -S -H d:\bootMgr
・ 今のbootMgrファイルをリネーム
コマンド: ren d:\bootMgr bootMgr.org
・ 新しいbootMgrファイル(bootMgr.new)をbootMgrというファイルで上書き
コマンド: copy e:\bootMgr.new d:\bootMgr
・ 上書きしたbootMgrファイルの属性を元に戻す(設定)
コマンド: attrib +R +S +H d:\bootMgr
以上で、ブートマネージャの入れ替えが完了しました。
7.Windows8をVHDブートする
やっと、環境が整ったので、いよいよWin7な環境でWindows8をVHDブートします。
前項のコマンドプロンプトは終了し、PCを再起動します。
ブートメニューから、Windows 8 Enterprise VHDを選択し、起動します。
起動します。ロゴが見えてきました。
なにやら、準備しているようです。w
しばらくすると、ライセンス条項を聞かれますので、チェックして同意して次へ進みます。
パーソナル設定で画面の色合いを選択します。また、ここでコンピューター名も指定します。
もろもろ設定ありますが、Win8なPCを買うと通過する画面でしょうか。
細かく設定してもよし、簡単設定でもよしです。
画面だけは写真に取ったので、写真貼り付けます。
こんな感じで、いろいろと初期設定が続きます。
完了すると、よく見る、新UIが出てきました。
8.VHDで起動したら、HDDの速度は?
気になったので、CDMで測定しました。
Win7上でCDMの結果がこれです。
Win8 VHDディスク上で実行した結果がこれです。
そん色ない速度が出ています。むしろ、4K QD32は、Win7ローカルよりも早いです。
使っていても仮想HDDで動いている感覚はありません。
昔はVHDは遅いといわれていましたが、物理ディスクと同等の速度で動いていたのには驚きました。
9.VHDブートするとドライブレターは?
結果からいいます。
VHDの起動ドライブ → C:
SATA 500GB HDD → D:
USB3.0 HDD → E:
VHDがおいてあったSSD → F:
という結果になりました。単純にVHDがおいてあるSSDは、ドライブレターが一番後ろになります。
あとは、D、Eドライブに関してはそのままです。
光学ドライブ関係はそのまま後ろへずれました。
てっきり、D:にVHDがおいてあるSSDがきて、後はずれずれで来ると思いましたが、
以外にも、うまいことドライブレターが振られていました。
D,Eドライブはデータドライブに使っているので、Win7のときと違和感なく使えました。
10.Windowsエクスペリアインデックス
Windows7とWindows8 VHD起動で取得してみました。
ですが、VHDブートしたWindows8では取得できないことがわかりました。
仮想ディスクでは、パフォーマンスを計測できないようです。。。
Windows7
Windows8
11.あとがき
VHDブートにしたことで、デュアルブート環境を手に入れましたが、
普段使いで、自宅でVHDブートで使うかというと、検証以外では、使うことはない気がします。
ただ、CP版、RP版のときに既存の環境を壊さずに利用できるので、そこはいい点だと思います。
VHDブートをノートPCでやれば、Vista以降のOS、Serverも含む環境を切り替えて、
デモ等を行うことができるようになるので、人によっては便利かもしれません。
Win8ではHyper-Vも使えるので、VHDブートの用途は限られますが、仮想ではなく、ローカルのハードウエアを利用する検証作業には最適かもしれないですね。
また、不要になれば、ブートメニューから削除と、VHDファイルの削除で、きれいさっぱり消えますので、後始末も簡単です。
もう少し、Win8を使ってみて、Win7な環境をWin8へアップグレードするか検討したいと思います。
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購入金額
0円
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購入日
2013年02月03日
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購入場所
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