レビューメディア「ジグソー」

出逢いはいつも突然?

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。インターネットと宅配が普及し、ダウンロードデータでないCDやDVD等の実物商品を購入する際にもショッピングサイトやオークションを使うようになった今日、実店舗の存在価値はリスナーに新たな出逢いを提供することにあります。ジャケットで目を惹かれ、試聴後その歌声にヤラレタ、そんな出逢いをした作品をご紹介します。

それは外勤時食事に入った商業ビルで。食後待ち合わせ迄に少し間があったので、下の階のCDショップで少し時間を潰していたときのこと。JAZZ系の新譜はなんか出てないかなぁ、と見て回っていたら、試聴機の棚で自分を呼ぶCDがいた。朱い椅子に座った白いドレスの女性。「2番ディスクに入っているから、聴いて♡」というw。

聴くと一気に彼女の世界に引き込まれた。

「Moondance」。この曲でヤラレタ。オリジナルのVan Morrisonは聴いたことがあったが、ここまでCOOLでなかったな。もすこしソウルな味付けで、ブルージィ。4ビートのジャズリズムをベースにフルートが冴える曲だった。こちらはキレのあるシンコペーションリズムの4ビート。金属的なアタックの遠藤征志のピアノの音、左chから井上晋平のフルート、右chから松田靖弘のアルトサックスに包まれながら直子のシルキィで色気のある声が絡む。所々に挟まれるオルガンのグリスも曲を盛り上げる。

「あじさい」はブラシドラムとベースが目立つお洒落なオリジナル(作曲が彼女)。部分的にダブリングで歌われるボーカルと跳ねるピアノソロが軽やかだ。

「Fly me to the moon」は定番曲だが、ボサノヴァ調のリズムとフルートの対旋律が切ない。録音も良くてドラムが近い。シンバルの重さが判るクリアさだ。直子のボーカルも息吹が感じられるセクシィなもの。
CDが呼んでたんスよ...
CDが呼んでたんスよ...
他にも少しけだるげなGershwinの「I've Got A Crush on you(あなたに首ったけ)」やポップな平井堅の「センチメンタル」のカバーもあってイロイロ楽しめる。

帰って調べてみると彼女これがデビュー作。どれだけこれから伸びるのか、楽しみ。デビュー作だけあって、まだカラーが完全には定まってはいなくて「アルバム」としては少し散漫な感じがしたけれど、いい作品でした。この出逢いに感謝!

【収録曲】
1. Moondance
2. No One Else
3. I've Got A Crush on you
4. This Masquerade
5. センチメンタル
6. あじさい
7. Fly me to the moon
------------------------------------
ご結婚されてママにもなったようで、残念ながら現在活動休止中。ブログでは幸せそうな生活が綴られる。一段落したら、帰ってきて欲しいなぁ。
2015/02/07 追記

「Moondance」(プロモなので短縮編集版です)


秋元直子 ブログ
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  • 購入金額

    2,000円

  • 購入日

    2012年05月28日

  • 購入場所

    HMV

19人がこのレビューをCOOLしました!

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