所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。バンドが歴史を刻むとメンバーの思いや指向性は徐々に拡散してくることがあります。そんなとき、外部からプレイヤーをまねき、カツを入れた作品を創ることがあります。そんなアルバムをご紹介します。
NANIWA EXPRESS。何度かご紹介している
日本のフュージョンブームを支えたバンドの一つ。デビュー時はサックス青柳誠、ギター岩見和彦、ドラムス東原力哉、ベース清水興にキーボード中村建治の体制(デビューアルバムにだけ前メンバー、ドラムスの鎌田清が1曲ゲスト参加)。 関西3大フュージョンバンドの筆頭(他ふたつは99.99(フォーナイン)と羅麗若(ラレイニャ))、東西の代表的フュージョンバンドとして「東の○○、西のナニワ」と呼ばれ、東は人によってCASIOPEAを採るかTHE SQUAREを採るかは様々だったが西は択一。そんな人気と、年間150ステージはこなしたというライブでの結束力を誇った彼らも、青柳のピアニストへの転向に伴う離脱の話が出始め、でもセールス的には上昇気流に乗っていたため、前年共演したジャズトランペットの大御所日野皓正を迎えてカツを入れようとした。
結果とても質の高いフュージョアルバムができた。しかし「ナニワならでは」のコテコテ度が落ちたのも事実。
「THE LADY OF TOLEDO」。工レピの印象的なコードのイントロに日野皓正のコルネットが絡む。ユンゾンするギターとエレピのオブリ、ブリッとしたカタイベース。怪獣(東原)のスネアは裏の皮がパンッと張ってあってスナッピーの返りがよくわかる。メロディーは明解なラインを採る日野も、ソロのときは、ハナッから少し♭した音で攻撃的。調も少しくだけて、フリーに吹いている。スネアの音のせいか全体の音作りの問題かかなり硬いリズムだが、CASIOPEAみたいに端正にならないのは、さすがというか、クセありすぎというか(^^ゞ
「ANIMALS」はドラムマシンの打ち込みと、ホコーダーのような音色ではじまりシンベが絡む。それがそのままの肌ざわり?で怪獣の乱入。硬いマシンリズムと怪獣の熱いビートがからみあって、すごいグルーヴだ。機械とヒトのアツイ融合だ。ワクワクする。
「NIGHT FLOWER」。カタイシンセの音色のコード弾きからはじまり、きれいに歪んだ(ヘンな言い方だなw)岩見のギターが、うたっている。中間部のエレピのソロが青柳らしいジャジィなものだ。怪獣もタムを下からまわすなど印象的なプレイ。比較的綺麗にまとまったこのアルバムの中では最も初期ナニワのコク、だとか、アクが感じられるもの。
結局、日野皓正を迎えた意欲的な?取り組みも活躍フィールドが広がってフュージョン一辺倒ではなくなっていたメンバーの離散を防ぐことはできず、NANINA EXPRESS最終期に咲いた華となってしまったが...
【収録曲】
1. THE LADY OF TOLEDO
2. PARADISE
3. BOYS BE GO GO
4. METEOR
5. ANIMALS
6. NIGHT FLOWER
7. HI-LAND
8. LAZY FANTASY
9. LET ME TRY
NANIWA EXPRESS OFFICIAL WEB SITE
*This column is writen & uploaded using Slate PC "TW3A-A31C77H"
「NIGHT FLOWER」
完成度は高いンだけれど....
妙に「綺麗な音」が、終わりに向かっている感じがする。
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購入金額
3,200円
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購入日
1985年頃
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購入場所
pakapakaさん
2012/05/31
教えてくれたのはバイト先の先輩で、コルネットを吹いている人でした。
当時は、テレビのCMで流れてましたっけ。
僕自身、音楽を聴き込むほどではないので、ハマりはしませんでしたが好きなバンドでした。
いやー懐かしいです。
また聴いてみたくなりました!
cybercatさん
2012/05/31
>教えてくれたのはバイト先の先輩で、コルネットを吹いている人でした。
Trumpetでなくcornetってのがシブイですね。
>当時は、テレビのCMで流れてましたっけ。
自分は実際には聴いたことないんですが、そうだったみたいですね。
>また聴いてみたくなりました!
こうしてつらつらと書いている拙文でそう言っていただけるのが最大の喜びです。
今後ともよろしゅう..