レビューメディア「ジグソー」

コンパクトさとしっかりしたエアフローの両立を実現したケース

既に日本でも海外の自作系レビューサイトやフォーラムでも高評価のケースでしたが、
ドスパラの特価セールでチタンカラーバージョンを買いました。
その時は確か黒バージョンSST-TJ08B-Eは特価ではなかったのでこちらを選びましたが、
この色だと5.25"インチドライブベイに搭載したいベイアクセサリの前面と色を合わせるのが困難なので、
値段に関係なく黒バージョンを選んだ方が良かったかもしれません。

コンパクトなサイズ、マザーボード倒立配置+電源上配置、フロントファンからHDDケージを通り抜け
CPUエリアを通りリアファンへ一直線のエアフロー、着脱可能なマザーボードの台座、などが
特徴のケースですが、これらは既に2005年頃に発売されたAbeeのAS Enclosure S1/S2で
実現されているかと思います。
それらの特徴に加えて、フロントに18cm角の渦流式直進性ファンを採用してケース内正圧を
実現している事や、十分な裏配線スペースを用意している事、およそ165mm高のタワー型
CPUクーラーも収まる事、ハイエンドなCPUクーラーやGPUの支持機構など更なる工夫も
詰め込まれたのがこのケースの特色かと思います。

購入前の下調べで、このケースの問題点として、HDDのケージの向きとケースの奥行きの短さ故
HDDケージに搭載した3.5"HDDのケーブルコネクタが奥行き長めのタワー型CPUクーラーと干渉する
(あるいは干渉しなくともぎりぎりで脱着作業がしにくい)事を了解していたので、
3.5"HDDは当初からリムーバブルケースを使用して5.25"インチベイ2段に搭載する方針でした。
因みにリムーバブルケースは当初からSilverStoneのSST-FP57Bを2台と決めていました。
このケースは写真でも分かる通り5.25"インチベイ2段ですが、5.25"インチベイ2段占有の
HDDリムーバブルケースはあまり日本市場に出まわっておらず、日本で発売されている
Sharkoonブランドの物も少し高価だった事と、
多くの後部4cm角冷却ファン搭載(可能)の5.25"ベイ1段占有型HDDリムーバブルケースと違い、
SST-FP57Bは2段積んだ場合後部に8cm角ファンを搭載できるように取り付け穴が用意されている事、
この2点がSST-FP57Bを選んだ理由です。

ついでなので電源もSilverstoneブランドに揃えようと同時期に同じくドスパラでセールだった
SST-ST75F-Pを購入しましたが、5.25"インチベイのSST-FP57Bの奥行き+その後部に設置した
25mm厚ファンと、SST-ST75F-Pの奥行き160mmの間の隙間が非常に狭く、ケーブルを
マザーボード裏側へ出すにも大変だったので、奥行き140mmのScythe ENERGIA-P-550Aに変更。
リムーバブルケース+ファンとの隙間に余裕ができただけでなく、この電源の各ケーブルの長さが
SST-TJ08T-E内での配線においてちょうどいい感じの長さでした。
特にCPU用12VATX4ピン/EPS8ピンケーブルは手持ちの別の少し古めの電源(KRPW-J600W)だと
裏配線では届きませんでしたがこの電源では裏配線をしてぴったりの長さでした。

このメーカーのケースは効率的なエアフローと正圧の確立の為のアイデアの工夫が素晴らしい
一方で一般的に工作精度や剛性がイマイチなどの評価があるようですが、少なくとも
このケースに関して私個人の組立て作業時の印象としては1箇所を除き悪い印象はありませんでした。

組立て作業時に感じたフラストレーションを挙げるなら、
1)その「1箇所を除き」と書いた点ですが、底面前方エリアの3.5"ドライブケージ真下にある
2.5"ドライブベイがかなり窮屈目で、2.5"ドライブの取り外しの際ドライブの出し入れに
非常に難儀しました。
(なかなかベイから引っ張り出せず、SSDドライブ表面がかなり擦れて傷がつきました。)
2) 裏配線を綺麗に固定するためのフックなどがもう少し欲しいと思いました。
(microATX用の小型ケース故にマザーボード裏の面積自体がATX用ケースと違って狭い為、
うまくアレンジしないと電源ケーブルがだぶつきやすく、サイドパネルを閉めた時に若干膨らんで
しまう事がありました。)

あと、私はCPUオンダイのグラフィックスで十分でディスクリートGPUを挿していませんが、
ハイエンドなGPUを使用する方にとってはGPUの排熱と、電源筐体の配置について
問題を感じるかもしれません。GPUはブロワータイプのクーラーで拡張スロットから後方排気で
騒音と感じること無く且つ排気が間に合うならば問題無いですが、GPUクーラーをハイエンドな物に
変えたい場合、その排気をどうするか。
ケース天面後部、電源のすぐ真上にあたる場所に通気口がありますが、
1) 電源筐体の吸気面を下向けにすると、GPUクーラーの排気を取り込んで電源後方から排気できますが、電源筐体内の温度が上がるので電源の寿命に悪影響を及ぼす可能性が高い。
2) 電源筐体の吸気面を上向けにすると、GPUクーラーの排気のケース外への排気が
間に合わない可能性が高い。電源への吸気は一見ケース天面の通気口より確保できそうに思えるが
天面と電源筐体の間にスペースがあるため、ケース内正圧によりこの天面通気口は吸気でなく
排気のエアフローになってしまい電源筐体内は効率よく排熱できない可能性がある。

私はこれらの点についてGPUを挿して検証していないので、実際のところGPUや電源筐体の排熱に
問題が出るかわかりません。ただ理想をいえばマザーボードは倒立のまま電源筐体の位置を入れ替えて電源を底面吸気にし、GPUもケース点面の通気口に接近させた方がいいと思います。
(発売未定ですがComputex 2012で発表されたAntec Mini P280がそのデザインになっていたかと
思います。そちらでは前面側の、フロント吸気ファン+HDDベイケージと、5.25"ベイの位置も入れ替えて
直線的なエアフローを確立しているようです。)

以上幾つか気になる点もありますが、それらを除いて問題もなく、コンパクトさとしっかりしたエアフローの
両立を実現した非常に満足度の高いケースだと思います。

現在以下の構成で使用しています:
【Chassis】SilverStone Temjin SST-TJ08T-E
【PSU】Scythe ENERGIA-P-550A
【M/B】Asus Maximus IV Gene-Z
【CPU】Intel i5 3570K
【CPU Cooler】Phanteks PH-TC14PE (白)
【2.5" SSD】Crucial m4 64GB
【HDD Enclosures】SST-FP57B
【3.5" HDD】色々取っ換え引っ換え
  • 購入金額

    7,980円

  • 購入日

    2012年02月頃

  • 購入場所

    ドスパラ

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