この製品はS3製Savage 2000を採用し、ビデオメモリーとして32GB SDRAMを搭載していました。Savage 2000自体はミドルレンジ用としては十分使える仕様を持ったチップでしたが、リファレンスドライバーも、アイ・オー・データ製のドライバーもチップの能力を引き出すには至らず、「GA-VDB16/PCIの方が実質的には速い」など、ユーザーからの評価もあまり芳しいものではありませんでした。
私も当時1枚だけこのカードを買いましたが、GA-VDB16/PCIに対しての優位点は、DirectXの対応ファンクションがやや多いことと、フルカラーでもハードウェアアクセラレーションが有効であるという点だけでした。フルカラー対応は現在の価値観であれば当然なのですが、当時はビデオカードの能力が低く、高解像度のフルカラーで常用というのはかなり上位の環境でしか使い物にならないレベルでしたから、お世辞にも速いとはいえないPCIスロットでしかビデオカードを搭載できないPC-9800シリーズにおいてはそれほど大きな優位とはならなかったのです。
もっとも、機能面では大きな優位点が一つだけありました。PC-9800シリーズ対応製品として、唯一DVI出力を持っていたという点です。これより前の世代ではアナログRGB(VGA)だけという製品が殆どで、ごく一部DFPコネクターを備えた製品(主にSavage 4シリーズのチップを搭載していた)があった程度でしたから。
冷静に考えれば機能面では割合現代的であり、速度はVoodoo Bansheeよりは遅い(ベンチマーク以上に体感速度で)ものの使えないというほどでもなく、それなりに存在意義はあった製品なのかもしれません。ただ、PC-9800シリーズの衰退と歩調を合わせるかのようにWindows 9x系のOSのユーザーも減少していき、代わって台頭したWindows 2000で新世代のビデオカードを動かすことが出来てしまったこともあり、価格に見合った満足感が得られたとは言い難い部分がどうしてもあったことが、不人気につながってしまったということでしょう。
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購入金額
0円
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購入日
不明
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購入場所
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