レビューメディア「ジグソー」

省電力ITXを先駆けたEPIAシリーズ

さりげなく持ち物300個目。登録しようしようと思っていてついつい後回しになっていた省電力プラットフォーム。2006年、まだATOM等の省電力プラットフォームが一般化する以前。ひっそりと販売されていたMini-ITXマザー&オンボードCPUだ。


CPU:VIA C7 1.3GHz
NB:VIA CN700 North Bridge
SB:VIA VT8237R-Series South Bridge
LAN:VIA VT6103 LAN Controller
VGA:VIA UniChrome Pro
Audio:VIA VT1618 AC'97 Codec
TVout:VIA VT1625M HDTV Encoder
と凛々しいまでのVIA固め。まあVIA自身が出してるのだから当たり前だが。
C7搭載EPIAとしては拡張機能が削られた廉価モデルになるが、C3世代と比べるとパワーアップしている。

基盤全景
基盤全景

搭載されたVIA C7は1.3GHzのシングルコアCPU。体感性能的には同クロックのPentiumIIIよりちょっと遅めを想像してもらえばわかり易いと思う。クロックを高めた上位モデルやクロックを抑えファンレス化したモデルもあった。
スロット周り
スロット周り

メモリはDDR2 400/500スロットがひとつのみ。当初は512MBを使用していたが、後に1GBモジュールを投入した。ストレージ用としてはIDEポートとSATA(1.5G)を2つづつ装備、PCIスロットもある。
全高も低く収められている。
全高も低く収められている。

性能こそ当時としても限定的だが、その本領はズバリ省電力性。ワットモニター読みでアイドル19W、Prime95時で27W、電源をACアダプタに変えればさらに数値は低下する。現代のネットブック並みの省電力プラットフォームを06年に実現していたのだ。
性能を気にしなければ恐ろしい低消費
性能を気にしなければ恐ろしい低消費

また、同CNシリーズの1GHzモデルが完全ファンレス仕様だったことからも判るように発熱は低く、1.3GHzモデルでも冷却ファンの音は非常に小さい。
CPUファン
CPUファン


但し「癖」も強いのも事実で、例えばWindows2000でSATAHDDを繋いだ時のみ(パラレルATAは大丈夫)PIOに固定されてしまうという謎仕様。その対処法はマザー付属の“RAIDドライバ”をインストールすることだ。
またデフォルト状態だとCPUクロックが確か1GHz辺りになっていて全力を出していないとい、PCIにビデオカードを装着しても画面出力されない事がある、USBピンヘッダは専用配列だったりと厄介な部分も多い。
また、ネットワーク用途としてみると、廉価版なのでオンボードLANがGbE非対応なのが惜しい。用途によってはPCIスロットGbEカードを装着する事になるだろう。
バックパネル
バックパネル

そんな中意外だったのがオンボードサウンドの音の良さ。主観に頼るしかないので参考だが、手持ちオンボードサウンドの中でも未だに3本の指に入るモノだと思う(明確な優劣はつけられないが候補としては他にMaximumIIGENE)。元々VIAチップのサウンドカードがあるくらいだから手馴れたものなのだろう。
また、搭載されたオンボードグラフィック「UniChrome」はDVDビデオなら動画再生支援が効くのでリビング用としての活躍も可能だった(昨今のH264形式やHD動画にはまるで歯が立たないが)。

この「C7」の頃まで省電力小型プラットフォームはVIAの独壇場だったのだが、目立たない存在で業務用はともかく自作PCとしてはマニアックな扱い。
後々ATOMやE-350が登場し、省電力小型プラットフォームが市民権を得たのだが、結局の所VIAはマニアックな扱いである事は変わっていない。しかしそれらへ繋がる先鞭を付けたという意味で、忘れてはいけない存在…かもしれない。


さて、はっきりいって必要性があった訳ではない。純粋な小型プラットフォームへの興味で21000円も出すべきかと、かなり悩んだ挙句Arkのレジにコイツを持ち込んだ。
お財布も厳しく、当時はITXが一般的ではなかったのでケース類も選択肢が少なく高価。そこでなんとこのマザーを100円ショップのケースに突っ込んで使うというなんか色々と酷い使い方だった。
ひっでえ!
ひっでえ!

しかしそんな状態でも当時は今みたいにPC台数があふれていた訳ではないので、リビング用の家族兼用PCとしてプラケースを棚に配置、配線類をほぼ固定して使用していた。

その後、HPのd330ST廃棄品がゴロゴロしてきたので、そのうちの1台の内部をくりぬき、バックパネル部を破壊、CN13000を組み込んで余ったスペースには、余剰になっていたIDEHDDを4台を突っ込んだやっつけファイルサーバー化。
また、ラック&100円ケース時代からオンボードサウンドを生かしてミニコンポに接続したジュークボックス的な役割での使用も多かった。


こうしてファイルサーバーとして活躍していた2011年3月頭にシステム用のHDDがクラッシュ(ぶっちゃけデータ用さえクラッシュしなきゃいいやとかなり古いHDDを使っていたのもある)。急ぎではないので余裕ができたら復旧させようと一旦稼動を停止。

そしてその月の11日…ご存知大震災。計画停電云々もあり、いくら省電力といえど(しかも古いHDD4台ついているので言うほど省電力でもない)あまり使わないファイルサーバーを24時間稼動させる雰囲気ではなくそのまま放置。
2500T消費電力レビュー時に一度だけバックアップイメージから臨時稼動させてデータを取ったのが最後。やっつけサーバーは解体、ルーターの共有USBメモリとPogoplugを組み合わせたより簡易なファイル共有環境に移行してしまった。

という訳で役目もなくひっそりと元の紙箱に収まっているVIAC7。結局最後まで「まともな」ITXケースに収めてやれなかった。使う使わないは別にして、いつかはカッコイイ小型ITXケースに収めてやりたいと思っている。
ただきっとその時は実用品(ファイルサーバー等)ではなく趣味の品になっているだろうが…。


あ、このITXケース(?)はスサノヲ様の指定席なんで。







↑備忘録なので特に意味はない
↑備忘録なので特に意味はない
  • 購入金額

    20,980円

  • 購入日

    2006年頃

  • 購入場所

    Ark

33人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (8)

  • 退会したユーザーさん

    2012/04/05

    レトロマシーン的な感じで味があってかっこいいし
    レイアウトも可愛い。SATAコネクタがあるから現存のSSDを採用すれば
    低発熱ミュージックサーバーに早変わりかな。
    さすがに動画再生マシンとしては使えないだろうけども…
    ACアダプタを採用して贅沢にIntelSSDを使用して
    WindowsXPを入れればあら不思議。
  • cybercatさん

    2012/04/05

    >いつかはカッコイイ小型ITXケースに収めてやりたいと思っている。
    [オススメ物件]

    結局仮設住宅かよ!!(^^ゞ


    C7....Centaur系ですね。
    Winchip使ってました

    整数演算がソコソコ速く、発熱の少ない石だったなぁ←ウラを返せば浮動小数点計算は....
  • 下小川さん

    2012/04/05

    実はこれ、裏面見ると恐ろしくミッチリしていて驚きます。さすがITX…
    SATAがあるのはほんと幸いですね。IDEのみだったらストレージ周りが今やコストに見合いませんから。PCIスロットに好みのサウンドカードを挿してやはりジュークボックスか!

    オススメ物件が高級仮設住宅じゃないっすかwww

    そしてC7のご先祖様!当時から発熱は控えめだったんですね。VIAって色々なメーカー取り込んでますよねえ。完全に消えてしまうよりはまだこうして系譜があるだけ幸せなのかもしれません。
    とりあえずnanoX2やASRockのPV530がほしいなの。でも使い道がないのナノ。
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