というのも、SAMSUNG社は、PC-OEM(メーカー製パソコン向けOEM)を中心に事業を展開しているため、PCメーカーにおけるテストが入念に行われており、製品の完成度が比較的高いからです(もちろん、バグがないわけではありませんが)。
しかも、NANDメモリ生産の最大手で、現在は売却してしまいましたが、HDD事業も手がけていました。NANDメモリ、ストレージ共に実績があるSSDメーカーは、国内では東芝一社のみで、他を見渡してもSAMSUNG意外には存在しません。実際にメーカー製パソコンにもっとも多く採用されているのが、SAMSUNGまたは東芝製のSSDです。
SAMSUNG SSD 830は、同社初のSATA 3.0(6Gbps)対応のSSDで、トリプルコアの自社製コントローラで性能向上を図っているのが特徴です。これまでは、一世代前のSSD 470シリーズが、メーカー製パソコンに多く採用されていましたが、今後は、SSD 830シリーズがそれにとって代わることになるはずです。
実際の性能ですが、Crystal Disk Markの結果は、読み出し最大520MB/sec弱、書き込み最大320MB/sec弱と現役トップクラス。128GBの記録容量のSSDで、この書き込み速度がでているのは、PlextorのPX-128M2P/M3PとそのOEM製品ぐらいしかありません。その一方で、512KBのリードライトは、思ったほど速度はでていません。PX-128M2P/M3Pなら、リード400MB/sec、ライト300MB/secオーバーの速度がでますので、見劣りするのも事実です。
また、512KBの性能が微妙に悪いためか、実環境をエミュレートするPC Mark Vantage HDD Test Suiteの結果もイマイチふるいません。人気のCrucial m4とは、約10000ほどスコアに差を付けられているだけでなく、Sandforce社のSF-2281をコントローラに採用したSSDよりも劣ります。シーケンシャル速度は、速いですが、実用系ベンチマークでは、他社製品よりも落ちるという感じでしょうか。
以上が一般的なベンチマークベースでみる結果ですが、普段あまり着目されない点に本製品の優れた点があります。それが、レイテンシの低さです。以下にIOMeterで4KBのランダムライトを60分間行ったときのResponse Time(レイテンシ)の推移グラフを示します。これをみてもわかるように、本製品のレイテンシは、非常に低く、Cruical m4やPX-128M3Pなどとは比較になりません。
SSD 830は、初期性能では、Crucial m4やPX-128M3Pなどに劣りますが、レイテンシが低い点は魅力です。Crucial m4と比較すると少々実売価格が高いですが、かなり安価になってきているので、選択肢としては悪くないと思います。ただ、消費電力が高く、128GBの製品で最大6Wほど消費してしまいます。発熱もそこそこあります。その点については、明らかなマイナスポイントです。
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購入金額
18,000円
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購入日
2011年11月頃
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購入場所
秋葉原
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