Canon製ネットワーク接続対応のインクジェット複合機「MG6230」です。
今でこそLAN/WiFiでネットワーク接続できるプリンタが当たり前となっていますが、これまで使用していたMP610はUSB接続のみだったため、このネットワーク接続による利用シーンの展開には驚きました。
まずは開封から。
行き所のなくなったMP610が、主プリンタの座を明け渡しまいと頑張っているような図になっていますが、すでにMP610は動作しない状態になっています。
本体サイズは、ほぼMP610と同じです。新モデルMG6330はかなり小型化されたようですが、MP610がこれまで鎮座していた場所に設置する予定でしたので、その差は小さなものです。
写真を見て頂くと分かりますが、本体は異常な程に光沢があります。指紋を嫌う人(私を含む)には、残念な点でしょう。
では、電源を投入してみます。
梱包用のフィルム、テープ、固定材を外し、メガネ型のACケーブルを接続し、電源を投入します。
同梱されている品は、本体、ACケーブル、インクタンク一式、ラベル印刷用トレイ、セットアップCD-ROM、調整用の用紙、それに簡単な設置マニュアル(スタートアップガイド)で、USBケーブルや詳細な取扱説明書は添付されていません。
USBケーブルはネットワークで使う分には必要ないですし、取扱説明書は電子マニュアルを参照する形になっています。
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セットアップはPCを必要としません。
スタートアップガイドに従い進めるのですが、セットアップ中も同様の内容が液晶画面に表示されるため、難はありません。
インクタンクのセットやキャリブレーション等を含めて10分程度で完了しました。
ネットワークの設定が複雑な場合は、もう少しかかるかもしれません。
我が家では、バッファロー製のアクセスポイントが稼働していたため、AOSS(今では使われることが少なくなった)を使ったため、ネットワーク設定も簡単に完了できました。
ただし、ここには問題がありました。
ドライバのセットアップの際、同系列、つまり本品が接続されたアクセスポイントに接続されたPCからはプリンタを検出することができるのですが、別ネットワークからは検出することができません。
プリンタが検出できないとセットアップを完了することができないため、別ネットワークに接続されたデスクトップではセットアップすることができませんでした。
色々調べていくと、本品は有線LANコネクタも有し、有線接続することもできることに気が付きました。
結局、有線による接続に変更しましたが、今度はアクセスポイントに接続しているノートPCから印刷することができません。
根本的な解決にはなりませんが、ノートPCから印刷する場合は、PCを有線接続することにしました。
本品は、有線と無線が排他使用になっています。これを両方に対応してもらえると難はなかったと思い、是非対応して頂きたいと感じます。
機能を見ていきましょう。
当然の機能として、プリンタ、スキャナ、コピー等、複合機としての機能があります。
その他に、写真印刷、ディスクラベル印刷、応用印刷等の便利な機能、エコ、サイレント、設定等のユーティリティ機能があります。
それらはタッチセンサ(タッチパネル液晶ではない)で操作ができます。
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タッチセンサはプリンタの天板(液晶手前)にあり、センターに[OK]ボタンを備える方向キー、機能を選択する3個のファンクションキー、ホームキー、戻るキー、さらにカラー、モノクロもタッチセンサです。
物理ボタンになっているのは電源ボタンと液晶を起こすためのボタン(ボタンというべきか否か)くらいです。
機能を選択する場合は方向キーで選択し、ファンクションキーで選択する流れになりますが、私としては馴染みにくい感じが否めません。MP610に搭載されていたクルクル回すキー(物理キー)が便利だったため、そのギャップに違和感を感じているのかもしれません。
便利機能は追々見ていくとして、私が最初に好印象に感じたのはスキャナ機能とネットワーク機能です。
MP610の時はスキャナはあくまでPCの周辺装置としての位置付けでした。原稿をセットし、PCからスキャンを開始し、スキャンデータはPCに保存されます。
しかし、本品は、本体だけで完結できます。スキャンしたデータは、SDカードかUSBメモリに保存することができ、そのデータはネットワーク経由で共有フォルダとして参照することができるのです。
これは、我が家のようにプリンタがPCから離れた場所に設置されている場合に便利です。本体操作で連続でスキャンしておき、後からPCでそれを参照することができるわけです。
MP610もSDカード/USBメモリに対応していましたが、このスキャン機能には対応しておらず、対応して欲しいと感じていた点でした。
ネットワークというメリットは、このスキャン機能だけに及びません。
テレビCM等でアピールされているように設置場所を選ばずに印刷できる(前述ネットワーク問題はあるものの)ことや、iPhone等のスマフォからの印刷が可能、そして試してはいませんがGoogle Cloudやオンラインアルバムからの直接印刷も可能なようです。
正直、「プリンタ+ネットワーク=ネットワークプリンタ」程度にしか考えていませんでしたが、これに高度のユーザインタフェースが加わることで、その応用は広がり、機能が充実することを感じました。
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肝心の印刷機能は、可もなく不可もなくといったところでしょうか。
まだ、年賀状50枚(3デザイン各20枚程度)を印刷しただけですし、以前の機種と異なるデータですので、比較できるほど使い込んではいません。
強いて書くとすれば、MP610より黒が抑えられた印象があります。MP610では黒(イラストの中に入れたテキスト等)がベタッとした感じがしてマニュアルで補正していました。
それが本品では抑えられ、私好みになった感じがします。見る人によっては全体的に薄くなったと感じるかもしれませんが、私としては気になるレベルではありません。
最後に気になった点。主にMP610との比較になります。
1点目、背面給紙です。
MP610でも一度も使ったことがないのですが、本体背面からの給紙が、本品では削除されているようです。
背面給紙ができると、賞状等の高級厚紙の印刷ができるため、あると便利な機能だと思っていました。
2点目、ディスクトレイの収納です。
MP610では前面カセットの下に、ディスクラベル印刷用のトレイを収納する仕組みがありましたが、本品では削除されています。
紛失することを防ぐことができ、収納スペース自体が邪魔になる程のものではなかっただけに、なぜ削除されたのか疑問です。
3点目、灰色インクの消耗です。
本品では、白を際立たせるための灰色インク(説明員談)が追加されています。灰色インクがなくなったら、新しいインクを補充(交換)しないといけません。
従来、灰色インクがなかった機種では、黒で灰色相当の機能を担っていたわけですので、灰色インクが切れた場合は黒で代用して欲しいところです。説明員の話ではそういった機能は搭載されていないとのことでした。
そして4点目はやはり印刷コストです。
インクタンクが、MP610のそれと比べ、小さくなっており、印刷コスト(インクコスト)が上がっているように感じられます。
最初のセットアップのキャリブレーションや、毎回の電源投入の際のヘッドクリーニング等でもインクが消費されると思いますので、こういったところは最小限にして欲しいところです。
私はスキャナだけを使いたいことが多々にありますが、その際にヘッドクリーニングが走るのが気になります。必要なことなのでしょうが、しつこいようですがインクのロストを最小限にして欲しいと思います。
とりあえず、使い始めてまだ1週間程度です。
MP610も長い時間をかけて仲良しになってきた(最初から仲良しだった感じもしますが)わけですので、本品MG6230とも長い時間をかけて仲良しになっていきたいと思います。
MP610は突然動かなくなりました。メッセージだけを見るとプリンタ部の故障のようでしたが、電源が入らない以上、スキャナも使用することができません。
こういったことが本品には発生しないことを願いつつ、はるかに高機能になった本品を使いこなしていきたいと思います。
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前述の通り、本品を購入する前は、同じCanon製MP610を使用しておりました。
ところが、身内より来年の年賀状作成の依頼を受けた直後に故障してしまったため、市場調査を経て、本品の購入に至りました。
MP610は、5色インク(マゼンタ、シアン、イエロー、染料ブラック、顔料ブラック)、スキャナ、プリンタ、メディアや携帯端末からの写真印刷、ディスクラベル印刷と、私が必要とする(希望する)機能を一通りカバーしてくれており、気に入った機種でした。
そのため、修理も検討しましたが、見積りで1万円を超えると言われ、断念しました。
市場調査の段階で、本品1.4万円に対し、新モデルは2.5万円。
印刷コストの面では、新モデルの方が微妙に安い(タンク形状変更に伴い新設された大容量タンクを使用した場合)ため、新モデルにも魅力を感じました。しかし、印刷コストを差し引いても、本体価格1万円以上の差は大き過ぎます。
しかも、新モデルの印刷コストが安いとはいえMP610には劣り、店頭の説明員によると通常タンクを使用した場合はむしろ旧モデルの方が印刷コストが安いという話を聞き、本品購入を決意しました。
これまで頑張ってくれたMP610に感謝しつつ、本品に移行していきたいと思います。
プリンタを購入する時に毎回思うのですが、修理代と言い、新旧モデルの価格差といい、プリンタはインクで商売していると感じてなりません。
本モデルは、すでに店頭では品切れになっているようです。
私が行きつけの家電量販店4店、カメラ専門店1店でも品切れになっていたため、今回はamazonで購入しました。
インターネット上でも在庫切れになっているショップも出始めており、これからシーズンに入りますので、購入を検討されている方は早めに手配した方が良いかもしれません。
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購入金額
14,091円
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購入日
2012年11月06日
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購入場所
amazon
リーダーさん
2012/11/27
セットアップも本体だけで完結するし、いやはや・・・。
蒼-aoi-さん
2012/11/27
そうなんです。
正直、自分が考えていた以上の機能が実現されていて、ギャップを実感しました。
あとは、便利に使うために、我が家のネットワークを見直さないといけません。
この時期ですので、レビュー描きかけでしたが、フライング気味に公開してしまいました。
ふじしろ♪さん
2012/11/27
廃品回収にさようならしましたー(涙
インクタンク、ものすごく小さくなりましたよね。
それで値段は相変わらずなんですから…。
がじおさん
2012/11/27
便利になりましたね。
我が家はその都度スキャナーに接続して使っています。
とっても不便です。(^^;;;;
蒼-aoi-さん
2012/11/28
ほんとMP610は、私と相性がよかったのですが、残念ながら...。
タンクが小さくなって、どんどんインク代が上がっている感覚になっていきますね。
技術的にはインクを節約するようになっているのでしょうが...。
がじおさん>
そうなんです、MP610をnet.USBでつないでいたのですが、PCとプリンタが1階と2階だったので、行ったり来たりを繰り返さないといけなかったんです。
それが、その場でとりあえずバンバンスキャンして、後からPCで引っ張ることができるので、大変便利に感じています。
aoidiskさん
2012/12/03
便利さが謳われすぎて・・こんな事も出来るのかと思いながらも
自分には不要な機能だったりして、時代に取り残されている感が
ひしひしと感じられるようになってきました。
使いこなせる人が羨ましい。
蒼-aoi-さん
2012/12/04
本文にも書いた通り、接続がUSB→LANになる程度を考えていました。
が、実際はプリンタ自体がホストになることができるので、メールで送信するとかクラウド上の文書も印刷できたりするので、私の固定観念をはるかに超える便利機能があるのに驚かされました。
私の場合、LAN化できることだけを期待していたので、それ以上の機能を使うかどうかはわかりませんが、それぞれ一度は試してみたいと思っています。
使ってみて便利であれば、たぶん常用機能になるでしょう!