囲碁には定石や、定石後の決まった打ち方というか「常識」ともいえる一定の展開というものが有ります。
何も考えずにそれらの常識に従っていると、知らないうちに損をしたり、得をするチャンスを逃してしまうことは少なくない、と戒める一冊になっています。
一例として、星の黒石への白一間高ガカリ①から、以下❷~⑤は通常の定石手順。
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┠α❹ε┼┼┼┼┼┼
┠┼③●┼❷┼┼┼╋
┠┼⑤┼┼┼┼┼┼┼
┠┼┼①┼γ┼┼┼┼
┠┼┼┼┼δ┼┼┼┼
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┠┼β╋┼┼┼┼┼╋
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これに続いて黒がαとサガり、白がβにヒラいて一段落です。
95%以上のケースでこれが正解になると思います。
しかし、状況によっては、黒からαとサガったあと白からγが大変な好点になるようなことも有り得ます。
それが模様の接点(=互いの勢力の要点)となるような場合には、白⑤のあと黒δとトビ、白にαの点を許しても黒εで打てるということが詳しく解説してあります。
学生囲碁王座戦(本因坊戦だったかな?)の地方予選の対局で上に記した形を使用して強豪プレイヤーに勝ったことが有ります…ヒヤヒヤの半目勝ちで、しかも対局が終わるまでは目算の結果負けてると思っていましたが…
先輩たちには検討時に「この手(図中黒δ)は無いだろw」と笑われましたが、ここからもαと下がるのが常識的であることが分かります…が、なにより勝は勝ちです。
そんなに昔のことではありませんが、思い出深い一冊ですね。
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購入金額
1,400円
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購入日
2005年頃
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購入場所
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