所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。 こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。新しい分野を拓く人は常にシーンの中央にいるとは限りません。西洋音楽の市場としては僻地と言えるアフリカ西部からやってきた開拓者の作品をご紹介します。
Keziah Jones、“blufunk”の開祖。ナイジェリア出身の彼、祖国がイギリス連邦という関係もあり、イギリスへ留学し、そのときミュージシャンとして頭角を現す。彼の音楽は渾然一体。、“blufunk”のキモとなるブルース、ファンク、さらにロックやアフリカの民族音楽のようなテイスト。それらがミクスチャーされ、彼のスプリングのように弾みナイフのように鋭いギターカッティングを通して表現される。全身これリズムの固まりかと言うくらいのカッティングの鋭さ。エレギも弾くがアコギの方がさらに良い。これだけ鋭い音が出る速さと強さのカッティングで、良く弦が切れないなと(^^ゞ
そんな彼の2作目が本作。
なんと言っても1曲目「Million Miles From Home」につきる。熱いアコギのカッティング、その速さ!その鋭さ!そのしなやかさ!野生の若豹が毛皮を煌めかせながら歩いているようなイメージがある。シンプルなサウンド、ファンキィでブルージーで熱い。ギタープレイは上手いとか下手とか言う座標軸とは違う。強いて言えば近いのはジミヘン?ギターは彼にとって打楽器であり、弦楽器であり...声であり、身体であり、自己表現の道具。かき鳴らす、打つ、スライドする...そこに彼の叫びが重なる♪A million miles from home / I could shoot myself today♪
他の曲はソコまでファンキーではないが、「Colourful World」はクロい、でも重いリズムのロック。スリーピースバンドならではの濃さで迫る。
「Funk 'N' Circumstance」はドラムとシンクロしたカッティングが気持ちよいリズミカルな曲、サビの暗いコード展開とブリッジ部分のチョッパーベースのどこか楽しげなリズムが対照的で面白い。
異色のファンクシンガーが叩きつけた問題作。一度は聴いて損はない!例によってAmazonは試聴ファイルのあるmp3盤に繋いでありますので、ぜひ!!
【収録曲】
1. Million Miles From Home
2. Colourful World
3. Prodigal Funk
4. Splash
5. Dear Mr Cooper
6. African Space Craft
7. Speech
8. Cubic Space Division
9. Funk 'N' Circumstance
10. Man With The Scar
11. Never Gonna Let You Go
12. If You Know
13. Stereophobia
14. Sugar Coated Bombs
「Million Miles From Home」
スピード感溢れるカッティング
このキレと粘り...スバラシイ...
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購入金額
2,500円
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購入日
1995年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2012/01/03
音楽雑誌の萩原健太さんの記事を読んですぐ1stを買いに走ってぶっ飛んでました。
今聞いても充分にカッコイイです!
cybercatさん
2012/01/03
>音楽雑誌の萩原健太さんの記事を読んですぐ1stを買いに走ってぶっ飛んでました。
彼は1stとこの2ndがイイですね!
ぶっ飛べますww
>今聞いても充分にカッコイイです!
久しぶりに引っ張り出しましたが、「古く」ないですね。