寺島靖国。吉祥寺のジャズ喫茶「Meg」のオーナー兼マスター。またジャズエッセイストであり、オーディオマニアでもある。さらに寺島レコードなるコンピレーション、旧盤発掘を手がけるレーベルを主宰する。ジャズ喫茶で使うオーディオをジャズに関する著書の印税で増強し、そこでかけるCD/レコードを自ら作る。その印税収入をまたオーディオに突っ込んで、そのオーディオに関する著書を成す....∞
サスガに目は(耳は?)確か。
「My Cherry Tree」はピアノの平林牧子のプレイ。Klavs Hovmanの出だしのベースのうねりがいい。巻き弦の上を滑る指の音、強く弾いた時に弦が指板に当たる音...平林の切ないピアノの旋律が始まると寄り添うようにドラムスのMarilyn Mazurが入る。所々で挟まれるツリーチャイムがいい感じ。まさに息吹を感じる音だ。
「Hymn of The Orient」はハイスピードなBen Paterson(ピアノ)のプレイ。少しラグタイムの薫りをはなちつつ、スピード感あふれる演奏。ベースのJake Vinselのイントロからピアノが入るとターボに火が入ってばんばん飛ばす。Jon Deitemyerのスネアの「パンッ!!」と破裂的なショットが気持ちよい。
「Hotel California」は言わずと知れたEAGLES
の大ヒット曲。松尾明のドラムはJAZZという世界を超越している!寺村容子のドラマチックなピアノとエモーショナルな嶌田憲二のベースがあの名曲を雄弁に情感たっぷりに育てている。この曲は「正統派」ジャズファンには受け入れられないかもしれないw良い音のソースは弾き手の心情を余すことなく伝える。そしてそれをあまねく受け取るため再生機器に次の段階を要求する...そんな無限ループに嵌まりそうな、アルバムです。
【収録曲】
1. My Cherry Tree (MAKIKO HIRABAYASHI)
2. Petite Fleur (Jan Harbeck)
3. Walking On Water (Will Bonness)
4. If I Had You (Ignasi Terraza)
5. Faith And Works (Scott Earl Holman Trio)
6. Guapparia (Roy Powell Trio)
7. La Valse Inconsolable (Georges Paczynski)
8. If I Should Lose You (Trisha O’brien)
9. U-Turn (Alex Riel)
10. Hymn Of The Orient (Ben Paterson)
11. The Nearness Of You (HIROKO TAKADA)
12. Hotel California (AKIRA MATSUO TRIO)
13. Waltz For CJ (Doug Roche)
ジャズ喫茶メグHP
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購入金額
2,940円
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購入日
2011年12月08日
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購入場所
HMV
北のラブリエさん
2011/12/13
cybercatさん
2011/12/13
>寺島さんといえばシンバルのイカす鳴らし方のためにオーディオをやっている
そうなんですか。
さすがに「AUDIO FANS ONLY」とあるだけあって音は「生々しい」ですね。
ただコンピレーションなので元録音によって「音色」は違いますが。