ナルチョ、こと鳴瀬喜博。最初がフュージョン畑でなく、スモーキー・メディスン(Char在籍)やカルメン・マキ&OZでキャリアを開始したため歌もののバックも多く、知る人ぞ知るの場合が多いフュージョン畑の凄腕プレイヤーの中では例外的に一般にも識られている。そんな彼の1983年の作品。もともとレコード(当時)発売時には“BASE METALS”だったが、先行するソロアルバム“MYTHTIQUE”と“Bass Bawl”からいくつかの曲が追加されているため『+(プラス)』がついている。これがCDでのリリース形態。曲は「ど」フュージョンでなく、ファンキーな歌ものあり、ベースをフィーチャーした実験的な曲あり、フュージョンタッチの曲ありとバラエティに富む。ただ御大ナルチョはいずれでも弾きまくり~w
「CAPTAIN CHAOS & ME」は“Bass Bawl”からの選曲。2分足らずの曲だがパワー溢れる曲。イントロはナルチョのベース...それが2本になり左右に分かれた...と思ったら片方(右)は元CASIOPEAの櫻井哲夫!ブラスのラインに2本のベースが絡む。その後1小節のリフを演って1小節ずつ交互にソロをやっていたところから、後半1小節を二人で一緒にやり始め、その後2小節まるまるソロの応酬になるという(^^ゞ主張のぶつかり合い!
「TAKE A WALK WITH ME~WALKING ALONG THE STREET」はライトハンドを使ったベースのイントロから、3本のベース(オーバーダブ)で奏でられるメロディへ、左右にパン移動するベースのグリスが加わりベースだけで作られる協奏曲の風情からリズムインするとベースの複数弦弾きバリバリのメインテーマへ。その後はピアノの佐山雅弘が『おみゃ~は山下洋輔かっっっ!?』って感じのぶっ壊れソロ。一旦テーマに戻って今度はアームバリバリのディストーションギターソロはカルメン・マキのところで親交があった小川銀次!そのままテーマには二度と戻らず仙波清彦らしい仏教的な?パーカッションの乱打で終わるという忙しい曲。これは“MYTHTIQUE”からの選曲。
「HOW'S YOUR MAMMY?」は前(CAPTAIN CHAOS & ME)が2本なら今度は3本だっっ!とばかりに3人のベーシストが張り合った曲(以前雑誌のインタビューでそう返答していた)。一人は前述の櫻井哲夫だがもう一人はNANIWA EXPRESS
の清水興!ゴジラベースことナルチョがセンターでメロディを弾いた後、1小節ごとにチョッパーと複数弦弾きの交互に出てくるソロで攻めればキングギドラベースこと櫻井哲夫はディストーションベースで応酬!続くガメラベース=清水興はソロの順番になって一音弾いたかと思うと二分休符がいきなり入るwという間を大切にしたひねったアプローチ。オンビートのドラムソロ(なぜかこのアルバム、クレジットに不備や誤字が多く定かではないが、プレイとジャケットのクレジットからおそらく神保彰)がひとしきり続いた後、櫻井と清水のハーモニクスによるバッキングに載せてナルチョが決める!ベース3本とドラムスだけの曲だが、NANIWA EXPRESSのカズボンこと岩見和彦の筆。NANIWAのファーストに入っていた「FIELD ATHLETOR」っぽいCOOLな曲。
他にも高中正義やCASIOPEAの野呂一生が加わっており、コーラスありの南国系楽曲からスピード感あるフュージョンまでバラエティ豊か!
...だけど、主役のナルチョはベーシストなので上物のカラーに支配されがち、と言う点と、3枚のアルバムのセレクト盤と言う事で曲調がバラエティに富みすぎ、少しとっちらかった感じがあるのが残念。☆一つ減はその点で!
【収録曲】
1. CAPTAIN CHAOS & ME
2. HURRICANE BASSMAN
3. TAKE A WALK WITH ME~WALKING ALONG THE STREET
4. TALK TO MYSELF
5. LAND OF WILD GUITARS
6. TIGER RHYTHM
7. HOW'S YOUR MAMMY?
8. DAY-O Banana Boat
9. BOOGIE ON BOOHYEE
10. IF YOU PLEASE
11. ONE NIGHT SCENE
12. SO LONG
・CAPTAIN CHAOS & ME
-
購入金額
3,500円
-
購入日
1986年頃
-
購入場所
北のラブリエさん
2011/12/07
cybercatさん
2011/12/07
>うわ、これホシイw
残念ながら廃盤ですが、むしろアナログ盤の方(+なし)が最近市場に放出されたのか何度か見かけましたね。ちょっと全然ジャケットが違うので見逃しそうですが...