ハイスピードの音楽は人を高揚させる。速さの限界に挑戦した曲というのは、ただそれだけですげ~の対象。さらにそれがスピードのみにとどまらず、確かなテクニックと歌心に裏打ちされていたら...普段どちらかと言えばインテリジェンスな雰囲気を醸し出しているジャンル、JAZZ。でももともとは楽しい娯楽音楽のハズ。その愉しさを速さに求めたのがこの作品。
“BATTLE JAZZ BIG BAND”、通称BJBB。このバンドほぼ年1枚のアルバムを出しているが、実はこの3rdからは意味合いが異なる。2枚目までは“BATTLE JAZZ BIG BAND”と名前はついているがコンピレーションアルバムで、過去の名演からハイスピードジャズを抜き出したもの。クインシー・ジョーンズ・アンド・ヒズ・オーケストラやバディ・リッチ、ブレッカー・ブラザーズらのオムニバスに過ぎなかった。それがこの3rdから新録。そういう意味ではこの3rdからは同一趣向をもった別バンドのアルバムである。
中心となったのはアルトサックスの吉田治。他にこの3rdの時点では鍬田修一(アルトサックス)、本間将人(テナーサックス)、鈴木圭(テナーサックス)、長島一樹(バリトンサックス)、五十嵐誠(トロンボーン)、榎本裕介(トロンボーン)、石戸谷斉(トロンボーン)、比嘉一博(バストロンボーン)、佐久間勲(トランペット)、中野勇介(トランペット)、田中充(トランペット)、中村恵介(トランペット)、宇関陽一(ピアノ)、岸徹至(ベース)、丹寧臣(ドラムス) の16人構成のビッグバンド。これにフューチャリングプレイヤーとして本アルバムでは則竹裕之(ドラムス)、エリック・ミヤシロ(トランペット)、守屋純子(ピアノ)、本田雅人(アルトサックス)が一部の曲で加わる。
とにかく疾い。一般には圧倒されるスピードにのけぞらされ、音楽やった人間はこれはできないな、という感心(諦観?w)が加わるかもしれない。高揚する演奏。
オープニングの「Explosion」で既に爆発。後に正式加入する元T-SQUAREの則竹裕之の爆速ドラムスが聴ける。ほぼ全編がドラムソロのようなスゴイ演奏で、キメの嵐、チャイナシンバルやスプラッシュなどがセンス良く混ぜ合わされる。吉田の流れるような息もつかせぬソロも素晴らしい。たぶん脚が自然とカウントをとって落ち着いて聴くことはできないだろうw
続く「Take The "A"Train」はホンマに
と同じ曲かいな、と言いたくなるような変わりよう。元曲が元曲で旋律的にはあんまり爆速に出来はしないので、“A”リニアモーターカーとまでは行かないが“A”エキスプレスとは間違いなく言える。エリック・ミヤシロのスーパーハイトーンに高揚させられる。イントロやブリッジで聴かれるサイレンのような音は危険なまでの暴走を示してる?w
「Ballad For A Rough Year」は元T-SQUAREの本田雅人がメロウな旋律を聴かせるスロー16ビートのバラード....と思いきや途中でノルノル!!本田の速吹きは旋律も素晴らしく、スピード感満点!んで、また何事もなかったかのようにスロー16ビートに戻って終わる。
JAZZって、元はなにも決まったものってなかったよね、と言いたくなるおもしろさ。速さへの純粋な憧れがココにはあります。聞き終わると元気になれます。
【収録曲】
1.Explosion featuring 則竹裕之
2.Take The "A"Train featuring エリック・ミヤシロ
3.Cinderella's Waltz featuring 守屋純子
4.Checks In The Mail
5.Apple Honey featuring 守屋純子
6.Ballad For A Rough Year featuring 本田雅人
7.Pressure Cooker
8.Open The Door! featuring 則竹裕之
Battle Jazz Big Band HP
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購入金額
2,835円
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購入日
2011年11月01日
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購入場所
新星堂
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