のコメントでMALTAに触れられたので...MALTA。本名丸田良昭、サックスプレイヤーである。ジャンルはジャズ~フュージョン。その音は流麗で明快、そのプレイは明瞭でハッピー。ソロなどもテンションノートやブルースノート、スケールアウトなどを多用はせず、王道を行く。従ってオリジナル中心の彼の曲は覚えやすく親しみやすいものが多い。特に初期はこの傾向が強い(最近はジャズ・スタンダードやビッグバンドなどにも手を伸ばしているのでさすがにJAZZYだが)。本作“High Pressure”は彼の5作目で初のLA録音。前述のナベサダの作品がDave Grusinと組んで作り上げたものに対して、奇しくもDaveの実弟Don Grusinと組んでの作品だ。彼と共作した2作品(「Touch」と「My Summer Love」)は女性コーラスが入り、ちょっとファンキー。オリジナルもスピーディーで、ポップなものが多い。支えるのはキーボードDon Grusin、ギターはDann Huff。リズム隊は
ここいらではじけるベースソロを披露していたNathan Eastと
ここらへんで変体ちっく((c)N-DR)なドラムを聴かせていたVince Colaiuta。でも二人ともグルーヴィーなノリは流石だけども、MALTAの曲に合わせて爪を隠しまくってスタンダードなプレイ?で攻めてるw
「High Pressure」。Jerry Heyが率いるホーンセクションのイントロに続いてMALTAの切れの良い音が飛ぶ旋律(運指的にキーボード作曲??)Aメロ、一転して流麗なBメロ、リズミカルなサビと非常にドラマチックでノリが良く覚えやすい。Donのオルガン風の音でのソロもモダンで、Daveとの年の差を感じさせる。
「Secret Island」ではゲストギタリストのOscar Castro-Nevesがアコギのソロをとるが、MALTAのソプラノのラインは非常に良く歌っている。彼には珍しくテンションノートが多い節回しだ。
「Splashing Angel」はMALTAならではの覚えやすい流麗なトーンが印象的なポップチューン。Dann Huffのリズムギターがバーカッシヴでノレる。Donのピアノソロもリキが入ったコードカッティングバリバリのダイナミックなもの。ドラムのVinceはここで次の小節の1拍目まで残るフィルインを多用し、ちょっと尻尾を出しかけるが何とかリズム変態であることがばれないですんでる(^^ゞ
聴きはじめは取っつきやすく、聴いてるうちにハッピーになれ、聴き込むと裏打ちされたテクニックにほれぼれします。人声に最も近い楽器=サキソフォーンの魅力が感じられるアルバムです。
【収録曲】
1. High Pressure
2. Touch
3. Only Name Missing Is...
4. Exotic Bird
5. Overnight Trip
6. Secret Island
7. My Summer Love
8. Feel the Heat
9. Splashing Angel
10. Stranger in Paradise
11. Quiet Stars
MALTA Official Web Site(Discographyのページで1曲目と6曲目の試聴ファイルあります)
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購入金額
3,200円
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購入日
1987年頃
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購入場所
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