レビューメディア「ジグソー」

最初の一滴...

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。それはここから始まった...そんな時代の波を読むのに敏なアーティストの名盤をご紹介します。

フュージョン...ジャズとロックを混ぜた音楽、ジャズロックにさらにクラシックなどが入ったクロスオーバーを経て、さらにポップになった音楽。それはこのアルバムから始まった。アメリカ帰りのジャズマン、渡辺貞夫。今のジャバニーズフュージョンではない。まさに題名通りカリフォルニアの乾いたイメージ。

音がデッドでドライ。時代の問題か、技術の問題か、当時の録音は比較的余分な音をミュートして音の芯をぼけなくしたものが多い。そのため、リバーブやエコーと言った成分が多くなく、それが参加したミュージシャンのレベルの高さを際立たせる(エコーの少ないカラオケは歌い手の上手い下手を暴露する原理)。

タイトルチューン「CALIFORNIA SHOWER」 Dave Grusinが律儀なコードカッティングでラテンっぽいリズムを創り、Chuck Raineyがベースの高音域でグリスを多用した効果音?を入れる中Harvey Masonのドラムが「どデッド」で迫る。このデッドさで実にグルーヴィ。カリフォルニア、というよりも少し南っぽい明るさが心地よい。
曲はこのイメージ...!
曲はこのイメージ...!
続く「DUO-CREATICS」はDave Grusinのオシャレなローズソロと、Lee Ritenourの熱いギターソロの対比が新鮮。ナベサダのアルトも泣く!泣く!
「SEVENTH HIGH」はホーンセクションのバッキングが盛り上げるが、ココでもLee Ritenourが他ではあまり弾かないブルージーな展開のソロを披露する。それが蛇遣いの笛のような音色のソプラニーノで責めるナベサダと上手く絡み合ってます。

今、これを他の「ジャパニーズフュージョン」と同じレベルで聴いてしまうと流してしまう。でもココが源流最初の一滴です。正座して聴きましょうw

【収録曲】
1. CALIFORNIA SHOWER
2. DUO-CREATICS
3. DESERT RIDE
4. SEVENTH HIGH
5. TURNING PAGES OF WIND
6. NGOMA PARTY
7. MY COUNTRY
  • 購入金額

    1,800円

  • 購入日

    1996年頃

  • 購入場所

17人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • marchinさん

    2011/09/30

    ナベサダ…時々聞きたくなるんですよね~
    サックスが心地いいんですよね~
    MALTAとは違った感じで、良いです。
    まあ、ナベサダとMALTAどちらも気に入ってます。
  • cybercatさん

    2011/09/30

    marchinさん、コメントありがとうございます!
    >まあ、ナベサダとMALTAどちらも気に入ってます。
    ナベサダの時代と自分の折り合いを付けながら変化していく懐の深さもいいですが、MALTAのほうがより明快でハッピーですね。
    MALTAか...
    じゃ次はそこ行くかなw

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