元々使っていたGTX260じゃ古すぎるし、今考えれば性能もイマイチだし、OSもXPからWin7にするっていうのにDX11に対応してないし…
と、グラフィックボードの更新も必要と思い新規購入。
GTX560Tiは値段比性能的によろしいが、ミドルレンジの域は(値段的にも)出ていない気がする。
とは言っても580は値段がちょっとなぁ…と、半ば自動的にGTX570に決まってしまった。
GTX570はGTX580と同じ、もっと言えば前代のGTX470やGTX480と同じ志向のGF110アーキテクチャ。
GF110はGTX260のGT200(現在のGTX560TiやGTX460に使用されているGF114やGF104と同じく、グラフィック効率を一番に考えた設計)とは異なり、GPUコンピューティングを第一に考えた設計である。
ミドルレンジながらグラフィック、もっといえばゲーミングに特化したGTX560Tiと比べると560Tiが570を上回ることは無いものの(私の見た限り)、パフォーマンスの発揮具合には差が出ている様に思える。
値段差がGTX570とGTX560Tiでは5千~1万円程度だが、コストパフォーマンスよくゲームをやりたくてその金額出す?となったらおそらく出さないのではないだろうか。
先月のクリエイターPC中でも10万円前後のゲーム対応な物では軒並みGTX560Tiが搭載されており、GTX570は登場しない。性格の違いが現れている結果だ。
元々冷却性能にすごくこだわっていたりしていたわけではないのだが、たまたま安くなっていたこのカードが目にとまったので、多少最安の他社GTX570と比べると高いもののよく冷えるのはいいよね、とポチってしまった。
なんだかんだで、自分で新品購入したグラフィックボード(8600GT,GTS250)に続いて今回のGTX570はすべてASUS製かつオリジナルクーラー付きという結果になった。
なんと言ってもこのカードの特徴は大きなクーラーだ。リファレンスクーラーの外排気型と違って、所謂トップフローの様な大きなヒートシンク真上にファンを設置して吹き付ける形のクーラーが3スロットを占有する。
巨大なクーラーは冷却性能が高く、室温29度下でMHFやFF14のベンチマークをずっと回していても60度近辺を大きく越えることは無い。
NineHundred Twoの中に入れて負荷をかけても、このグラフィックボードのファンが五月蠅いと感じることはなかった。
製品名にDirectCUの名前がつくように、銅製のヒートパイプが直接チップに接触することで熱を効率よく逃がせるらしい。
私の好きなCPUクーラーメーカのScytheは、直接接触はあまり意味ないと言っているそうだが…。
GPUチップの実装されていない基盤の裏には簡単な金属板がマウントされる。
おそらく重いヒートシンクで基盤がたわまない様にという物なのだろうが、チップの熱を吸収しているのか結構熱を持っていたので補助的にヒートシンクな役も果たせているのだろう。
ちなみに左側に見えるチップはNEC TOKIN製のコンデンサに変わるプロードライザと呼ばれる物で、後続回路へのノイズをフィルタリングする機能があるそうだ。品質の高めなパーツには搭載されているようである。参考:4Gamer.net GALAXY 560Tiの記事
カードのインプレが長くなったが、パフォーマンスの具合をベンチマークで見てみようと思う。
なおロッコアのレビューと同じくグラフィックボード以外の環境を変更せずベンチマーク比較が出来なかったので、比較対象は前代のメインマシン C2D E6750 + GTX260となる。
GTX570と比較対象のGTX260を搭載したマシンの構成は以下の通り。
-GTX570マシン
CPU:intel Core i7-990X@4.25GHz
CPUクーラー:Scythe 峰2
M/B:intel DX58SO2
メモリ:DDR3-1333 4GB *3
VGA:ASUS GTX570
SSD:intel SSD510 120GB
電源:Corsair HX750W
ケース:Antec Nine-Hundred Two
OS:Windows 7 Professional SP1 64bit
-GTX260マシン
CPU:intel Core2 Duo E6750
M/B:Gigabyte EP45-DS3R
メモリ:DDR2-800 1GB*4
VGA:Leadtek GTX260
OS: Windows 7 Professional SP1 64bit
グラフィックスドライバはWHQLの最新版、280.26を使用。
それぞれベンチマークで値に差がありグラフの表記が難しいので、C2D + GTX260マシンのスコアを100%としたときのi7-990X + GTX570のパーセンテージをグラフに表記した。
●モンスターハンターフロンティア"絆"ベンチマーク 解像度 1280x720
GTX570:26687
GTX260:12369
全体的なパフォーマンスが影響するのでカードの性能がそのまま出たとはいえないが、順当なスコアが出た。
●ファイナルファンタジーⅩⅣベンチマーク Low 1280x720
GTX570:7700
GTX260:2887
最近だとグラフィックスドライバのレビューによく用いられるFF14のベンチマーク。
こちらもMHFと同じく全体のパフォーマンスなので純粋に比べがたいが、2.6倍のスコア差はすばらしい。
●Folding@home GPU3 ConsoleEdition
GTX570:1h6min = 66min
GTX260:2h45min = 165min
タンパク質の解析を、一台のスパコンで行うのではなく各家庭にあるパソコンでソフトを使って行う分散コンピューティングのプロジェクト『 Folding@home 』を利用して、同じプロジェクト(=与えられた課題)を50%完了するまでの時間を計測。
結果的に2.5倍の早さで終了したので、スコアは250%とした。
使用したのは、Folding@homeで配布されているコンソール版のGPU3 High Performance Clients Project: 6800 (Run 18272, Clone 0, Gen 217)
こちらは若干のCPU負荷があるものの基本はGPUのみフルロードして行うものなので、純粋にGPUのパワーを比較できているはずである。
結果は、半分以下の4割の時間で処理を終わらせてしまった。
さすがはGPUコンピューティング向けの設計と言ったところか。
●ゆめりあベンチマーク
GTX570:146250
GTX260:101645
今はあまり流行っていない?CPUの性能に左右されずGPU単体の性能を試せるベンチマーク。
私がGTS250を購入した当時はグラフィックボードの簡単なベンチマークとして一般的だったような気がするのだが…。
ともかく、ベンチマークをやる方には一回はやっていただきたいベンチマークだ。
設計の差が顕著に出たのか、4割程しか向上しなかった。
●Cinebench OpenGL
GTX570:46.73fps
GTX260:31.56fps
zigsowでもいろいろな方がやられている、Cinebench11.04のGPU OpenGL。
このベンチマークもGPU単体の評価が出来そうだ。
こちらも顕著に伸びはしなかった。
●LuvMark OpenCL Benchmark OpenCL GPUs-only
GTX570:5100
GTX260:2024
Quadroなどワークステーション向けのGPUが得意とするOpenCL処理のベンチマーク。
OpenGLか、なら次はOpenCLじゃない?と安易な発想でこのベンチマークをみつけ、実行してみた。LuxMark公式サイト
やはり設計がこういう物向けなのか、GPU単体の評価が出来ていそうな後半四つのテストの中では一番の伸びを見せる。
いろいろベンチマークを走らせてみたが、やはりゲーミング特化ではないアーキテクチャの所為か得手不得手が垣間見える。
CPUの性能向上ももちろんあるだろうが、MHFとFF14の様な実際のゲームに関連したベンチマークが良好な結果を見せたのは良かった。
出来ればCPU他環境を全て同一にして、グラフィックボードの交換のみを行い検証したかったが…まぁそれはもう少し換装の容易なケースにしてから行おう。
現在のケースだと、全ての配線を終えると少々狭く換装を行いづらい。
GTX580と比べると性能のインパクトももちろん価格のインパクトも薄いGTX570だが、登場して時間が経ち値段が下がってきている事を踏まえるとセミハイエンドとして十分購入の視野に入るように思える。
今流行のオンラインゲームTERAでも、GTX570は実働でいい動きをしているようだ。
新しいグラフィックボードの動きが全く見えない今、新しい物へのつなぎとしてもあり得そうだ。
GTX570としては高めの価格、さらには他の拡張カードを増設したりSLIをする場合3スロット占有というのは少し壁となり得るかもしれないが、室温29度下でフルロード時騒音を伴わず60℃台に収まる冷却性能は捨てがたい。
単機使用で冷却性能の高いGTX570を探してる方には、十分お勧めできる。
この秋からはBattelfield3やCall of Duty:Modern Warfare3というビッグタイトルが二つも控える事もあり、このカードにはガンガン頑張って貰いたいところだ。
なお本来は自分でいい写真を撮るべきなのだろうが、あまりにいい写真写りだったので一枚目の写真だけはgeeks3d.comよりお借りした。
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購入金額
31,980円
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購入日
2011年08月03日
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購入場所
通販 TSUKUMO
愛生さん
2011/09/01
Folding@homeだけ、逆転してるので苦手な分野があるのかと思ったら、処理時間で表示してるんですね。
250%でも良い気がしますね。
miraさん
2011/09/01
後々見直してみましたが、やはりわかりづらいですねw
250%速かったってことでグラフ訂正してみました。
ご指摘ありがとうございます。
デカいですよねー。
補助プレートがついてるにもかかわらず、ボードにさして右側の方が心なしかお辞儀してるように思えます。w
退会したユーザーさん
2011/09/01
ベンチのグラフみて笑いました。圧倒的すぎる。。。
1KGくらいあるのかなぁ?と思いながら読みました!
miraさん
2011/09/01
1kgはどうだろう…超えてるのかな?
それにしても重いです。笑
出来ればCPU他を同環境にして、ガチでGTX260と勝負させたかったですけどね。
今やってるゲームにしてみても、かなりぬるぬるになりました。
ネイエフさん
2011/09/03
3スロット占有はちょっと痛いですが、その分冷えてくれそうです
zigzsowzさんと同じく重量は気になるところw
ポキッと折れたりすることはないでしょうが…
miraさん
2011/09/03
結局支えてるのはPCI-Eの端子と基盤の端から伸びた出力端子側のステーだけですからね。
元々重いCPUクーラーはケースから釣らないと心配だった私ですが、このグラボこそ何かしらで負担を軽減させてあげないと怖いですね…汗。