モバイル環境の定番といえば、PCカードまたはCFカードで提供される、DDI PocketのAirH"(後のWILLCOM AIR-EDGE)だった時期です。私は当時SONY CLIE PEG-S300/DやPalm m100というローエンドのPDAは持っていましたし、多少は使ってもいたのですが、これらは家でPCとHotSyncさせる以外は完全に何とも接続せず、スタンドアロンの機械として使っていました。
CLIEには携帯電話を接続するアダプターやケーブルは用意されていましたが、当時携帯電話の通信でコンピューターを接続するという使い方は、相当金を豊富に使える人だけだったでしょうし、少なくとも私には不可能だったのです。ちなみにCLIEがCFカード型の通信カードをサポートしたのは、Palm OS 4.x後期に発売された、PEG-NR70系やPEG-Tシリーズに通信カードジャケットを接続した環境からであり、初代CLIEのPEG-S300/DではPCカード型のAirH"を利用する手段は無かったのです。
そのような時期に、中古処分品がかなり安くなっていたSHARP Zaurus MI-506DCを入手したのです。
当時の「Power Zaurus」シリーズの上位モデルということで、デジタルカメラを標準搭載していることが大きな特徴となっています。標準搭載とはいっても、実際にはこのカメラはPCカードスロット形状となっていて、着脱が容易に出来るよう設計されていました。
そして、このデジタルカメラを抜いた後のPCカードスロットは汎用のものですから、ソフトウェア的にサポートされているものであれば利用することが出来たのです。私ももはや当時の記憶があまり残っていないのですが、確か標準モデム用のドライバーを利用し、ATコマンドをきちんと書いてやるとAirH”を利用することが出来たと記憶しています。
今となってはあまりにも大がかりなPDAですが、当時はこの程度の価格でいつでもインターネットに接続出来る環境が手に入っただけでも画期的といえました。
この機種を入手した直後に、PC-9800系ユーザーが待望していた、I-O DATA UIDE-133/98が秋葉原で限定販売されたのですが、その時の模様を仲間内に向けて掲示板で実況していたときに、利用したのがこのMI-506DCでした。
予備バッテリーや充電器なども用意(但し秋葉原で100円程度で放出されていた未使用ジャンク品で)してしばらくは使ったのですが、機能・性能が当時ですら時代遅れとなってしまい、やがて手持ちのCLIEが拡充されていくに従って使われなくなり、CLIE PEG-NX60入手後は全く使われなくなりました。
当時としては極めて意欲的な製品ではあったのですが、大きさ・重さやバッテリー持続時間など、あらゆる意味で実用性は乏しいデバイスであったと思っています。
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購入金額
3,980円
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購入日
2003年03月頃
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購入場所
はにゃさん
2014/04/05
Windows Handheld機は言うに及ばす、PalmOS4末期から5系の使い勝手には敵わないものの、その後の Windows Mobile 5.0のW-ZERO3とその一族に少しだけ影響を及ぼすことができたとすればいい商品だったと思います。
jive9821さん
2014/04/05
完成度という意味では微妙なものが多かったのですが、今でもスマートフォンを精力的に出し続けている下地はこの頃に出来上がっていたのかと思わされます。