あくまで工業用なので通常のケースとして考えるのはナンセンスというか大間違いなのだが、ここはあえて「普通のPCケース」という視点で見てみましょう。
といっても通常のケースと比べると異なる点が多すぎて長くなりそうなんでもう箇条書きで特徴や注意点あげちゃいますね。
・サイズはM-ATXケースに近いが幅は大きい。ATXマザー使用可能。
・厚めのパネルとがっちりした作りのおかげで人が座っても大丈夫なくらい堅牢。
・上記と同じ理由で共振の類はおき難いが所詮鉄板一枚なので静音性は並。
・フロントにある12cmファンは高回転高風量爆音。
・フィルター付きなのでホコリは安心
・前面USBはあるがオーディオ端子は無い。
・メンテナンス性は悪い。
・拡張ボード類はかなり長いものでも入る。
・電源は一般的なATX電源が搭載できるが、ストレート排気タイプ前提。
・パーツの組み込み方や順番も独特で悩む。
・筐体色は微妙な色なのであうドライブが無い。アイボリー系が一番マシ。
・下記の点から熱にも気を使う
・特殊な電源配置故CPUクーラーは8~9cm程度の高さが限界。
・またCPU周囲の排気手段が無いので高発熱CPUは向かない。
・しかも通常状態では電源が唯一の排気手段
・3.5インチシャドーベイはファンの風が当たらないのでHDDも温度が上がる。
さて、内容的には上の箇条書きで全てなんですが細かく見てみましょう。
外観は見ての通り無骨すぎるステキスタイル。本体は独特な色なのでドライブの色合わせるのは諦めたほうがいい。アイボリー系が一番近いが。全体的にすごくガッチリ作ってあり、人が座ってもとりあえず大丈夫なくらい堅い。
内部は梁のような棒が特徴的。フロントパネルはパワースイッチ・リセットスイッチ・パワーLED・HDDLED・USBポート2つ。フロントオーディオは無し。なんか青い丸はビープ用スピーカー。さり気に音大きめ。
フロントの12cmファンは中心部分が金属だったりするヤルキなファン。やる気すぎて高回転・大風量・爆音。静音化するにはファンコンかファンの交換が必要だが、大4pin電源なので使えるファンコンは少ない。大人しく交換したほうが手っ取り早いだろう。
ちなみにサイドパネルをあけるにはネジ5本を外す必要があり、その他の部分もいくつもいくつもネジを外すハメになるので頻繁に組み換えをするには全く向かない。
まあ手回しネジ1本だけで固定も可能なので、そうすれば剛性は落ちるが通常のケースに近い開閉作業になる。
付属品はねじ類充実。金具は梁にくっつけて拡張カードを固定するためのもののようだが、使い方次第でファン増設とかにも使えそう。
ちなみにブランケットのフタはメッシュタイプの汎用サイズなので他ケースに流用可能。
ちょうどCPUの上に電源が来るのでCPUクーラーは8cm程度の高さが限界か。
実はマザー設置で早速罠があり、ぱっと見マザーマウント用の長いネジ穴があるんでそのままつけたくなるんだが、なんとその上に付属のマウンタを更につけないと高さが足りず拡張ボードがささらなくなる(バックパネルは緩めなので低くてもくっついちゃったりする)。実際その罠にはまって一度マザー付け直すハメに。
さて電源を設置…ってオイ。
CPU方向から吸気するようになるのかと思ったらなんと外側が吸気ですよ奥さん。これは予想GUY。サイドパネルにメッシュなんかは無いので、底面吸気タイプの電源の場合パネルとの隙間からしょんぼり吸気。この電源配置故、電源の固定前に一通り配線をしないと無理。特に補助4pinなんかは絶対届かない位置。
現在はM-ATXマザーに小型のグラボだが、入れようと思えばかなりでかいグラボやカードも入る。
但し光学ドライブ周辺とメモリや電源コネクタとの干渉がシビア。
サイドパネルが片側しか外れないのでどうやってドライブ類にアクセスするのかと思えば…
丸ごととれた。
HDDはフロントファンの風が直撃できるケースに比べるとどうしても温度が高くなる。まあ少スペースケースに比べれば周囲に余裕がある分マシだが。どっちにしろシャドーベイは1個だけなので、HDDを増設するには5インチベイを潰す等の工夫が必要。
そして排気は通常状態では電源による排気のみ。排気ファンをつけられる場所は通常状態ではないので梁の金具を利用したり、スロットクーラーを搭載したりしないと高発熱構成は厳しいかもしれない。ただ穴自体は何箇所もあるので完全窒息ケースという訳でもない。どちらにしろ工夫が必要。
特にそのままではCPU周りが窒息してあっさり危険温度に。
こんな感じでブラケット部に9cmファンを2個搭載し強制的に空気を流入させている。
写真ではストレート排気電源であるANTEC EA-380SFを使用しているが、底面吸気タイプの電源の場合電源まで熱を持ちやすいので更に悲惨になる。
頻繁にパーツを交換したり、発熱の大きい構成を想定している人には全く向かないケース。だからといって静音性も共振がおきにくいとはいえ高い訳ではないし、自作PC用としては扱いが難しすぎる。考えられる構成としては、5インチベイをぶっつぶしてHDDマウンタをつけ、CPU類は低発熱構成に徹したサーバー機とかか?
まあ本来用途が固定されている産業用ケースにありえないモノをぶち込んでいるのだから不都合出るのがあたりまえなのですが。
とりあえず現在はケース余剰状態になっているので、その頑丈さを生かしてパーツ倉庫(主にマザーボード類)となっている。いやもうすっげえ頑丈なので上にモノを積んでも安心です。
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購入金額
1,980円
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購入日
2010年01月15日
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購入場所
Sofmap(通販)
ヨッシーさん
2011/07/20
ふっけんさん
2011/07/20
実際にはMINI-ITXケースサイズのものが多いですが・・・
下小川さん
2011/07/20
このケースも明らかに内部に組み込む為であろうネジ穴とかが点在しているので同じ感じですね。もっと発熱の低いモノを想定しているようですが。拡張カード部に大きなスペースをとっていたり、固定するための金具があったりする辺りもいかにもです、
退会したユーザーさん
2012/04/05
もしくは、Xeonをぶち込んで12スレッドの最強サーバーっぽいマシンを組むのもよし。
こういう見た目のPCも嫌いじゃありませんが
やはり私はややデザインは先進的なのが好きなので
どうしてもフラクタルデザインのやつとか採用しちゃうんですよねぇ~
まだまだ変態道の道は険しい
下小川さん
2012/04/05
私も好みでいったらもうガッチガチにデザインされたヤツ大好物で手持ちではコイツが正真正銘の異質さんです。私の場合それ以上に光り物の比重が多いんで古くてピカるのが多いですが。
ちなみにコイツに光る12cmファン仕込んだらホコリフィルターのせいであまり目立ちませんでした!