Boyz II Men。少年から男へ。そう読み取れる名を持つR&Bの男性コーラスグループがいる。1980年代末、高校の同級生だった4人が組んだコーラスグループである。以前ご紹介した
TAKE 6とは活動時期がオーバーラップしているのと、ともに黒人男性コーラスグループであることなどから日本では良く比較されたが、カラーは若干異なる。TAKE 6がどちらかと言えばゴスペルがベースでJAZZYなフレーバーを持っているのに対して、Boyz II MenはあくまでR&Bでポップス。Boyz II MenはTAKE 6の影響を受けたグループであり、それを消化・昇華してできたグループである。一方ともに現在メンバーは少し変わりながらも活動を続けていることは同じである。
ただBoyz II Menに関して言えば、その名の通り20歳そこそこでデビューし、大人への階段を上っていったデビューアルバムとNo1ヒット"End Of The Road"そこからたたみかけた本アルバム"Ⅱ"と本作に含まれるNo1ヒットの2曲"I'll Make Love To You"と"On Bended Knee"のあたりがその「二度と訪れない」時代とオーバーラップしていて何とも言えず素晴らしい。
本作は左右の定位を振り分け、打ち込みのバックにボイスパーカッションとボイスベースが絡んで始まるキャッチーな、でも何とも言えずR&Bな「Thank You」からはじまり、1分近い語り(劇)風のイントロからCOOLなピアノパターンのサンプリングでドライヴィンな「Jezzebel」まではハードサイド、ピアノ伴奏で歌う小品「Khalil」を挟んで「Trying Times」からがバラードサイドとも言うべき構成になっている。
やはり本領発揮はバラードサイドで、全米No.1の「I'll Make Love To You」~「On Bended Knee」のくだりはさすが。特に後者は詞の内容も「過ぎてしまったあの頃」を歌う内容でまさに成人にほぼなった瞬間という彼ら自身とオーバーラップしており、泣けてくるほど切ない。また詞の内容も同じく「昨日」の事を歌うスタンダード「Yesterday」も彼ら自身のアレンジで収められているが、アカペラのコーラスのみで構成されたこの曲も大変美しい仕上がりだ。
最近彼らは久保田利伸の「Missing」やサザンの「いとしのエリー」などを含む日本の楽曲のカバーアルバムを届けてくれて既にベテランの域に入った素晴らしいハーモニーで存在感を示してくれたが、やはりこの切ない一瞬のきらめきを封じ込めたこのアルバムが彼らの最高傑作だと思うのは、過ぎた日が懐かしく思われる年代になってしまったからだろうか。
青春が素晴らしいモノだと識って懐かしく思い返している大人達にも、青春の中でもがいている若者達にも、聴いていただきたい「取り戻せない瞬間を閉じ込めた」宝箱のようなアルバムです。
1. Thank You
2. All Around The World
3. U Know
4. Vibin'
5. I Sit Away
6. Jezzebel
7. Khalil (Interlude)
8. Trying Times
9. I'll Make Love To You
10. On Bended Knee
11. 50 Candles
12. Water Runs Dry
13. Yesterday
14. Fallin'
Boyz II Men Official site
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購入金額
2,500円
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購入日
1994年09月頃
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購入場所
kazさん
2011/07/20
cybercatさん
2011/07/20
>Boyz II Men、文句なしCOOLです。(^^)
ポップスに流されてはいないけど、取っつきやすくてイイですよね!