レビューメディア「ジグソー」

孤独と狂気と猜疑心と自己陶酔の果て

20数年聴き続けているアルバム。
評論じみた言葉は一切不要・・・またずいぶんとエラそうに(笑)

中学生のときに、ダビングされたカセットテープを知人から貰ったのだが、当時は関心がなく放ったらかしで聴かずじまい。
高校生になって、たまたまラジオで流れた「Another Brick In The Wall」を聴いた瞬間とんでもない衝撃を受け、レコード屋に走った。


当時私は、ストーンズのコピーバンドを友人と組んでいて「ロックとは酒と女と3コードだぜ!」みたいな戯言を言いながらマルボロを吹かしていただけに、メンバーにピンクフロイドのサウンドにやられたことは黙っていた。
プログレなんてインテリを気取った連中が聴くもんだ、みたいに稚拙で狭義な決め付けをしていたのは青春ならではの発想。

ロジャー・ウォーターズの孤独と狂気、猜疑心と嫉妬心、歪みきった愛と目くるめく自己陶酔とが密に音となって構築され、やがて光り輝く破滅を迎える。
その破滅が「壁」をぶち壊すものなのか、自己崩壊の結末なのかはまだ解らないし、この先解る事もないだろうと思う。
それは、10代の頃からこのアルバムを聴くたびに、自分の中で何かが音を立てて崩壊し、その都度何かが再生されるような感に陥るからだ。

ロック史上に燦然たる輝きをいまだに放ち続ける、眩暈がしそうなこの大作は1979年発表。
2011年の現在にリリースされたとしても、その輝きが変わることはないと思う。
  • 購入金額

    2,910円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

10人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • N-DRさん

    2011/07/17

    不思議とリアルタイムではピンと来なくて数年後ピンと来る音楽ってあります。

    このアルバムはピンクフロイドにしてはジャケットがシンプルだし、vingt-et-unさんやアマゾンでのレビューも読んで聴いてみたくなりました。
  • vingt-et-unさん

    2011/07/17

    N-DRさん、「ロック史上」と言いましたがジャンルを越えて、存在し続ける作品だと思いますので、是非!!

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