1996年に産声を上げたロジェ・デュブイですが、当初のオマージュクラシックラインはパテックの意匠に範を取りつつもロジェ・デュブイ独自の世界観を作り上げる事に注力したラインでした。
同様にクロノラインも往年のパテックの名作をモティーフにしながら、それを超えることを目標としたものであったと聞き及びます。
日本上陸前にその話を聞いたオールドパテのファンとしては、嬉しいような気もしながら、なんだか形だけを真似ただけの薄っぺらい時計をイメージしておりました。
実際に写真を見ると、もう明からにこれはオマージュというよりはコピーでは!?と思わせるデザイン。当初ははっきり言ってかなり悪い印象でした。
なぜなら、1950年前後のパテの世界観は何人たりとも侵すべきものでなく、それに対して冒涜とも言えるコピー製品の登場に感じられたからです。
勿論、ロジェ・デュブイ氏がパテックの複雑時計を専門としたセクションの長を勤めており、自身のコレクションを含めてオールドパテに対する造詣は群を抜いており、また実際にいくつもの名時計をレストアした事もあるという事実は十二分に評価出来るものです。
当時は、その経験から得られた美意識がロジェ・デュブイの時計に反映されている事を祈るだけでした。
そして満を持して手にすることが出来た実物のロジェ・デュブイ、オマージュクロノの印象は、思っていたよりも悪くない。
それ以上でもそれ以下でもありませんでした。
なぜなら、Ref.1463風のプッシャーと雰囲気を持ちつつ、Ref.130で有名なセクターダイヤルを持ったPGの個体は残念ながら目にすることが出来ず、当時は、セクターダイヤルでもWGの37ミリや黒文字盤夜光、ツートン2つ目の個体と、ワンプッシュクロノの個体しか見る事が出来なかったからです。
その時に手に取ったその時計達は、どちらも本当に良くできてはいるものの300万円オーバーの時計としては些か高級感に欠けておりました。
ただし、表の顔とは一転、裏のスケルトンから眺めることが出来る、パテックと同等のレマニアベースのムーブメントに対しては、極めて高い評価を与える事が出来たのを覚えています。
当時もそして今も、レマニアをここまでしっかり作っているブランドはパテック、ブレゲ、バセくらいしか有りません。
そうして、10年以上経った今、私の手元に来ることになったこの個体は、当時私が見る事の出来なかったセクターダイヤルのPGモデルです。
実は以前、セクターダイヤルのWGモデルを手に入れる事が出来て、一時期満足もしていたのですが、やはりスケルトンハンドやWGという素材に対しての思い入れの無さから手放してしまいました。
そして数ヶ月前にようやくと言っても過言では無いのですが、セクターダイヤルのPGモデルと出会うことが出来ました。
実際にこの時計を手に取ってみるまでは、やはり「薄っぺらかったらどうしよう・・・」という思いで一杯でしたが、いざ目の前に置いてみますと、これが34ミリとは思えないほどのオーラです。
オフホワイトのパウダー文字盤に上品に置かれたラッカーマーカー、そして12と6にのみ施された18KPGのインデックス。ブルーに焼かれたクロノ系ハンドも抜群に上品です。
そして何よりもこの小ささ一杯にぎっしり詰め込まれたレマニアベースのスペシャルチューンムーブが大変に魅力的です。
3970よりもかなり小さく、印象としてはまさしくアンティーク風。
プッシャーの造作や、針の立体感など、今の時計では到底考えられない仕上がりの良さを持っております。
僅かにコンケーブしたベゼルはクラシックラインのベゼルよりも分厚く、より立体的な存在感を放ちます。
腕に載せてみた時の収まりの良さと満足感は、何度も思わず手元に目が行ってしまうような愛おしさです。
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購入金額
0円
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購入日
2011年06月05日
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購入場所
お富さん
2011/06/05
認定書はとても美しいものです。
やっぱりコレを見ると絶対にこっちの方がいいな〜と思います。
ちらっと写るのはジュネーブシール認定書です。
正直言うとジュネーブシールなんてただの飾りなのですが、やはり有ると嬉しいモノですね。
お富さん
2011/06/05
この頃は・・本当に楽しい時計でしたね−。
お富さん
2011/06/05
やっぱりクロノの方が存在感が抜群です。
お富さん
2011/06/05
本当に最初期ですね。
お富さん
2011/06/05
お富さん
2011/06/05
たぅさん
2011/06/05
こわくて近寄りたくない><;
お富さん
2011/06/05
これは一生モノです!
しょぼさん
2011/06/05
素晴らしい一品ですね
kenさん
2011/06/05
歯車が写っている写真は、美しくて1つの芸術ですね。
kazさん
2011/06/05
まさに芸術品ですね。
惚れぼれしてしまいます。
お富さん
2011/06/05
本当に細かなところまで気が行き届いていて観ていて楽しくなります。
お富さん
2011/06/05
お富さん
2011/06/05
そう考えると・・なかなか日常的に使えなくなってきますので、あえてそう思わないにようにしております!(笑)