前作「Minutes To Midnight」との間に2枚のデモトラック集、3年の間隔が開いた。
Rick Rubin (Slipknot等も手掛ける大物プロデューザー)と手を組んでの2作目、
そして前作からのメッセージ性の高い音楽が、今作ではどうなっているかを伝えたいと思う。
※なお、今回は完全初聴きです
1. THE REQUIEM
いよいよ始まり…キックの重みが心地良いーってルカさん!? ヴォーカルルカさんですか?!
2. THE RADIANCE
切れ目無く次曲へ。オッペンハイマー(原爆の開発者)の声のサンプルだそうで。
訳を見るととても意味深。
3. BURNING IN THE SKIES
2つのインデックスの後の1曲目。前作に増して「POP」的な要素が出てきている感。
根っこには「ROCK」は残っていますが。
4. EMPTY SPACES
18秒とごく短いインスト。炸裂音と喧噪。
5. WHEN THEY COME FOR ME
リップミスかと思ったがそうではない。重いノイズから超ヘヴィなprepared distortion。
ドラムもライムも重い。コーラスは神秘的なハーモニー。あとFワード。
6. ROBOT BOY
ピアノのフレーズからシーケンスへ。LPのニュースタンダードはコーラル、メロディックか。
7. JORDANA DEL MUETRO
インスト。声のサンプルが空耳だが、タイトルと合わせて考えるに恐らくイタリア語か。
8. WAITING FOR THE END
ラップのハモりは“P5hng Me A*wy”終盤に似るも、やや明るいレゲエ的曲調。
9. BLACKOUT
一気に“BLACKOUT”。チェスターのラップとはこれまた新しい。ここまでチェスターのシャウト無し。
またシャウトのサンプリングも意欲的。
10. WRETCHES AND KINGS
再び演説のサンプル。Slim Shady(=EMINEM)を重くしたような曲調、というかまあラップだし似るか。
シャウトはSlipknotに聞こえてもきて。
11. WISDOM, JUSTICE, AND LOVE
みたび演説。 洋楽の社会批判は暗喩的で、英語力も世界の狭さも自分は及ばなさと自覚。
12. IRIDESCENT
壮大な開き直りソング。明るいロックに「Let it go(あきらめろ)」とかもう。
13. FALLOUT
トラック3(BURNING~)からのリフレイン。ヴォコーダも初なのでは。
14. THE CATALYST
15. THE MESSENGER
アコギ+ピアノ+声を張り上げて歌い上げるヴォーカルとか何てフォーク。
総評としては、LPらしからぬLP性を見せつけられ、音楽的に佳く評価出来る。
しかしエッジの立ちが薄れ、溢流感・冗長感ととれなくもない。これが「新しいLPの忌避」を呼ぶ
一因なのではなかろうか。
歌詞はネガティブなものばかりだ。世界情勢が不安定で後ろ向きな現状に追い打ちを掛ける
のか、いや世界情勢が音楽をも暗くさせているのか。
自己を確立するポジティブな破壊を過去の作品に見出すなら、世界に諦観し疎む今の作品とは
非常に対照的だ。
次のアルバムが出る時、どんな世情だろうか。それは如実に音楽として現出するだろう。
なお、この盤では2010年西・マドリードでに開催されたライブのDVDが付いている。
今年は9月に来日単独公演もあるそうなので、準備にはもってこいだ。
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購入金額
3,480円
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購入日
2011年06月02日
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購入場所
amazon通販
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