所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティストは自己表現が仕事ですから自己主張も強く、能力ある人たちの集まりである「スーパーバンド」は長続きしませんが、才能のぶつかり合いでその交叉点ですばらしい輝きを放つ場合があります。そういった盤をご紹介していきます。
UK。King CrimsonにいたJohn WettonとBill Brufordに、Eddie JobsonとAllan Holdsworthを加えたプログレユニット。実質3年しか活動しなかったユニットだが、実はその中でもメンバーチェンジがあり、このメンツでの活動はわずか足かけ2年。それでもプログレ史、とくに日本におけるそれに大きな足跡を残した。
(この時期の)UKの特徴は、後のASIAにもつながるJohn Wettonのある意味わかりやすさがあるベースに、Bill BrufordとAllan Holdsworthが作り出すジャズの薫りが漂う展開がかぶり、ヴァイオリンも弾くキーボーディストEddie Jobsonが華をそえるという構成。楽曲から受けるイメージとしてはEddie Jobsonの存在が大きく、美しい曲が多い。
1曲目「In The Dead Of Night」はいきなり7拍子で始まる。中間部のHoldsworthのギターソロが美しい緊張感溢れる曲。続く「By The Light Of Day」は1曲目と対をなす曲であり、モチーフは同じだがスローに進行する。さらに3曲目「Presto Vivace And Reprise」は、邦題の通り、1曲目、2曲目との組曲であり、ここまでで約15分の大作と言える。"Presto"の名の通り、非常に速いキーボードとドラムスのユニゾンが超テクニカル。また例のモチーフに戻って大団円。
「Nevermore」。Allan Holdsworthの美しいアコギで導入される、幻想的なシンセソロ。最後のギターとドラムスのエンディングソロにまでいたると、8分を要する大作。他にも「Alaska」~「Time To Kill」など大作目白押しでまさにプログレ王道。そういえば邦題も、王道っちゃぁ王道で仰々しさ満点。
日本では(同時期に活躍したプログレバンドが多くなかったせいもあり)人気を博した。
ただこのユニットが活動した70年代末期は、世界的に見ると「プログレッシヴ・ロック」はそれだけでは成り立たないジャンルになっており、この後John Wettonは明快さを増した構成のASIAへ、Bill BrufordとAllan Holdsworthはフュージョンシーン(日本の「いわゆるフュージョン」ではなく)へと移っていった。
一瞬の光芒でした。
【収録曲】()内邦題
1. In The Dead Of Night (闇の住人)
2. By The Light Of Day (光の住人)
3. Presto Vivace And Reprise (光と闇)
4. Thirty Years (若かりし頃)
5. Alaska (アラスカ)
6. Time To Kill (時空の中に)
7. Nevermore (ソーホーの夜)
8. Mental Medication (瞑想療法)
「Presto Vivace And Reprise」
ASIAより華麗で「映える」
やはりヴァイオリンの華がすごい
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購入金額
2,627円
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購入日
1988年頃
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購入場所
N-DRさん
2011/05/12
cybercatさん
2011/05/12
>アラン♪ホールズワースさまがいた~
ギターを持った渡り鳥。エディ・ヴァン・ヘイレンもあがめる初代神?
N-DRさん
2011/05/12
baelさん
2023/09/19
cybercatさん
2023/09/19