●ドスパラ Prime Note Galleria IW
MSIのノートPCベアボーンMS-1727ベースのドスパラ製のショップブランド・ノートPCです。
AC付属のACアダプターはLITO-ON製の120Wタイプでした。CPUとGPUのTDPの合計73W(45+28)に対してマザーや液晶パネルの消費電力を足しても余裕があると思います。
●OSについて
比較的新しい製品のためターゲットとするOSはWindows 7となります。ドスパラでの販売も基本てきにWindows 7が組み合わされていたようです。
MSIのサイトでもWindows 7向けのドライバーのみ公開されています。保障外ですがGPU、LAN、サウンドのドライバーを製造メーカーからダウンロードして準備すれば、Windows Vistaもセットアップ可能でした。(AHCIでの新規インストールにはドライバーの準備が必要です。)
●CPU
CPUはSocket G1を採用しCore i3-300M/500M、Core i7-600M/700Mシリーズに対応します。購入した製品には4C/8Tの上位モデルとなるCore i7-720QMが取り付けられていました。
●GPU
採用されているGPUは96spのアッパーミドルGPU「Geforce GTS 250M」です。DX10.1世代のGT200系ベースで40nmで製造されています。SP数に対してメモリバスは128bitと細く、デスクトップで言うところのアッパーミドルと言えるほどの性能は無いわけで限界性能は低いです。(写真2)
ノートPC向けGPUは各社でクロックのチューニングが異なりますが、GPU-Z読みで「コアクロック 450MHz/SPクロック 1080MHz/メモリ 790MHz」と低めに設定されています。公式スペックは「コアクロック 500MHz/SPクロック 1250MHz/メモリ 800MHz/TDP 28W」とのことです。
以前からノートPC用のミドルレンジ以上のGPUの発熱(排熱)が気になってました。GeForce GT 250Mはアイドル時に「コア135MHz/メモリ135MHz(270MHz)」までクロックが下がるため発熱はかなり低いようで、ファンから熱風が出ることはありませんでした。室温17度と季節的なものもありますがアイドル時のコア温度はGPU-Z読みで32度でした。省電力機能が十分に働いているようです。
●メモリ
メモリはノートPC向けのDDR3-1066/1333タイプに対応。DDR3-1066x2で4GB搭載していました。その後DDR3-1333 2GBx2を購入して差し替えています。
●HDD
HDDは5400rpmの500GBのWestern Digital WD5000BEVTが搭載されていました。
ノートPC用としては大容量で高速な部類ですのでSSDには劣りますがそれなりに快適です。
●光学ドライブ
BDコンボドライブが搭載されているのでブルーレイを視聴可能です。
●液晶パネル
この頃のノートPCとしては珍しい光沢17インチ液晶パネルで16:10比率のWSXGA+(1680x1050ドット)を採用。視野角と輝度はノートPC向けとしては並程度。視野角は上下左右ともに狭く、輝度はMAXに設定してもやや暗い印象ですが実用上問題ないレベルです。
17インチでWSXGA+(1680x1050ドット)は文字の大きさも丁度良いです。情報量はWUXGA(1920x1200ドット)やフルHD(1920x1080)に劣りますが意外と悪くないです。
やはり光沢液晶パネルは写りこみが気になります。コスト削減の影響とは思いますが非光沢液晶パネルでないのは非常に残念です。
●スピーカー
出力は不明ですがヒンジの手前に設置されています。音質は家電の液晶TVライクな音とでも言いましょうか。低音が少し弱めです。ある程度音量を大きくしても音ワレはありません。
後から知ったのですがXPS M1710のように筐体裏側にサブウーファーが搭載されています。ノートPC用スピーカーでも意外と良い音だすなと思っていたのですが”サブウーファー付きの高出力スピーカー”とのことです。
ノートPC内臓スピーカーとしてみると十分な音質を備えているので動画の視聴などにも十分耐えられると思います。
●キーボード
キーボードはテンキー付でキーピッチは19mm(一部15mm)でデスクトップと同じです。一般的なパンタグラフ式で”カチッ”と確りとした音がでます。フレームの強度は十分なようで高速タイピングをしても強度不足や撓みなどは感じません。
キートップの文字は低価格キーボードに多くみられるシールタイプですので耐久性は期待できそうにありません。DTR用途ならUSBキーボードを別途用意するべきかと思います。
●各種ポート類について
GbLAN x1、モデムポート x1、USB 2.0と兼用のSATAポート x1、USB 2.0 x3、IEEE1394 x1、ヘッドフォン端子x1、ラインイン x1、ラインアウト x1、マイク x1、SDカードスロット x1。
その他に液晶フレーム中央にCMOSウェブカメラが搭載されています。
モニター出力はアナログRGBとHDMIを搭載。残念ながらUSB 3.0は搭載されていません。
●バッテリーについて
標準付属のバッテリーの容量は10.8V(4800mAh 52Wh)です。旧式ですがDELL XPS M1710の6600mAhと比べると少ないです。バッテリー動作時の長時間動作は期待しないほうが無難かと思います。
●筐体の質感について
筐体の質感は安っぽくてあまり良いとは言えません。液晶パネルはヒンジのみで畳む仕組みで開閉用フックなどは省略されています。タッチパッドもパームレストと一体整形のため安っぽい感じのプラスチックで微妙です。
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●ベンチマークテスト
2種類のCPUで各種ベンチマークソフトを使用してスコアを計測してみました。
GPUがミドルレンジクラスのため負荷率の低めなベンチマークのみでのテストとなりますm(_ _)m
<Core i3-330M(i7-720QM)>
・SuperPI-MOD:20.997(16.193)
・MHFベンチ1.01:5893(5902)
・FFベンチ3HI:4971(5375)
GPUの性能が高くないのとCPUのクロックも低めなのでスコアはあまり良くありません。ハイスペック・ゲーミングノートPCということですが、やや性能不足のように感じます。
●消費電力
2種類のCPUで消費電力を計測してみました。
計測は5パタンーで”アイドル時、SuperPI、FFベンチ3、3DMark、Prime95”となります。
<Core i3-330M(i7-720QM)>
・アイドル時:38w(43w)
・SuperPI:48w(63w)
・FFベンチ3:47w(60w)
・3DMark系:77w(90w)
・Prime95:63w(91w)
Core i7-720QMはアイドル時に43WとノートPCとしてみると消費電力は多い印象です。やはり30W代はキープしてほしいです。
3DベンチやPrime95を走らせると90Wの大台に突入。デスクトップとは違い液晶パネルの消費電力も含まれますのでトータルで見ると消費電力は多くはないと思いますがノートPCとしてみると厳しい印象です。
対するCore i3-330Mはアイドル時に38W、高負荷の3Dベンチで77W、Prime95で63Wとなかなか検討しています。クロックは低いのもありますが32nmプロセスの成果が現れていると言えます。
●発熱
Coretemp 0.99.8を利用してCPUの発熱を計測してみました。室温21度での計測です。
・Core i7-720QM: 47~62度
・Core i3-330M:計測予定
Core i3-330Mも後日計測する予定ですので、あわせてコメントも準備中ですm(_ _)m
●感想
CPUはエンスー向けの4コアで、液晶パネルやGPUそれに筐体部分でコストを抑えて低価格化しているといった感じでしょうか。ゲーミングノートとしては性能不足ですが、強力なCPUパワーとCUDAを利用したいという場合などではCore i7-720QMとnVIDEAのGPUを搭載した製品で比較的安価となっているので悪くない選択肢と思います。
元はMSI製ノートPCベアボーンということでBIOSやドライバーなども公式サイトで配布されているのは魅力です。
メーカー製PCのように筐体デザインなどもこだわった製品に比べると機能はシンプルで品質的も劣りますが、それを補う価格という魅力があります。必要以上の機能は必要ないという方はシンプルな作りでコストパフォーマンスの高いショップブランド・ノートPCも選択肢に加えてみるのも悪くないと思います。
<2011/04/23>
・記載し忘れていた情報を追記しました。(CCD Webカメラなど)
<2011/04/24>
・記載し忘れていたバッテリーとHDDの情報を追記しました。
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購入金額
63,800円
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購入日
2010年頃
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購入場所
mickeyさん
2011/04/19
ショップブランド・ノートPCも面白そうですね(^^)
Sheltieさん
2011/04/19
ショップブランドのノートPCは安っぽいのが難点ですが、BTOに柔軟に対応するためCPU、メモリ、HDD、miniPCI-Eスロットなどにアクセスしやすいのがメリットでしょうか。デスクトップの自作の延長でパーツ交換が可能ですからなかなか面白いのでお勧めです!
ネイエフさん
2011/04/20
いいですね~
ノート用グラフィックに関しては本当最上位じゃないと
デスクトップではミドル程度の性能になってしまいますね
まあノートPCでTDP100Wとか言われても困りますが(笑
Sheltieさん
2011/04/20
価格に関してはドスパラでメーカー保障が受けられないなどデメリットもあるので、この価格ということみたいです。その為、動作確認済みのジャンク扱い商品という感じです。
ノート用のGPUで最高峰と言えばGTX 280(GeForce GTX 9800M)ですが、凄まじい性能と引き換えに高発熱で扱いが難しいですよね。
GeForce GTX 9800Mを搭載するノートも一台所有しているのですが、フルロード時の消費電力が130Wこ越えてしまうというとんでもない代物でした・・・。こちらのノートも少しづつレビューを作成していますので完成したときに紹介したいと思います(>_<)ゞ
ネイエフさん
2011/04/21
あれを搭載しているノートPCのバッテリ持ち時間を見ましたが
30分と書いてありました
もうすでにノートの意味がないんじゃないかと(笑
重量的にも持ち運びは不可能そうですけども
Sheltieさん
2011/04/21
> 確かGeForce GTX 480Mが単体でTDP100Wでしたね…
30分動作ではノートPCとしての価値ないですよねw
実際のところGeForce GTX 480MやGeForce GTX 280MはDTR向けのGPUなのでバッテリー動作については停電時のUPSのような感じで簡易的に動作する程度の意味合いしかないのかもしれませんね。
久しぶりにGTX 280(GeForce GTX 9800M)搭載ノートPCの電源入れてみたのですが、アイドル時でも排気口から熱風が出てくる始末で・・・DTR向けとしても厳しい印象です(^-^;
長時間のバッテリー稼動はさせたことがないのですが30分と言うことはありませんが1時間くらいしか動作しないと思います。
リーダーさん
2011/04/24
どれくらい動くのか興味はあったので
良いレビュー感謝!です♪
>バッテリーの持ち時間30分
うはw
Sheltieさん
2011/04/24
9800M GTXとGTX 280(TDP75W)やGTX 480(TDP 100Wとの噂)などの上位GPUは消費電力と発熱が多すぎなのでノートPCとしては実用的ではないかもです。据え置き設置のDTR向けでバッテリーはUPS感覚でしょうか。
バッテリー稼動で30分との噂のGTX 480搭載ノートもそのうち値段が安くなったら掴んでみたいです(>_<)
自宅当においてあるDTR向けノートPCは基本的に外に持ち出さないので、バッテリーの消耗を抑えるため普段は本体からバッテリーを取り外してますので持ち時間を計測したことはなかいのですが、ACアダプターを抜くと基本的にバッテリー動作モードでCPUとGPUクロックが自重しますのでGalleria IWに関しては30分てことは無いと思います。ただし、付属のバッテリーは4800mAhとこのクラスにしては容量少ないので1時間半とかは持たないかも・・・と思います。