所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティストにとっては色物アルバム、企画ものなどの中にも埋もれた名曲がありますのでそれらを拾いつつご紹介します。

“Miss You In New York”。これは純粋なT-SQUAREのアルバムではない。「T-SQUARE and FRIENDS」とクレジットされたアルバムで、基本T-SQUAREに、ゲストミュージシャンが加わる形だが、出ずっぱりのギターの安藤正容とキーボードの和泉宏隆以外の他メンバーは、参加しないこともあるというシャッフルアルバム（ゲストミュージシャンがそのパートをやる）。同様の企画アルバムが以前にもあったが（“Refreshest”）

そのときのLAのミュージシャンでなく、こちらはNYのミュージシャンが集められている。

中心となったのは、アレンジも手がけたキーボーディストPhilippe Saisse。これにサックスのMichael Breckerや、ギターのMike Stern、ドラムのOmar Hakimなど東海岸のフュージョンシーンを支えたメンツが曲ごとに加わる。

そうそうたるメンツ

どこかわかりやすく、ポップでロック寄りのオリジナルアレンジに比べ、よほど「フュージョン（融合）」です。はっきり言って数曲はオリジナルアレンジより好きかも。

特に5人のメンバー（このときのメンバーはNEWSのころのメンツ・・・ギター安藤、キーボード和泉、サックス本田雅人、ドラムス則竹裕之、ベース須藤満）全員参加で、ギターにMike Stern、HammondにLeon Pendarvisが加わった、1曲目「Midnight Dreamer」と6曲目「Breeze And You'95」がイイ。

アルバム通して聴くと「いつもの」T-SQUAREとはバランスが違う。和泉は本来ピアノが好きなのだが、T-SQUAREではジャンル上どうしてもシンセなど電子系キーボードを弾く必要があった。それがHammondが加わることでピアノに専念できてるし、ギターも逆に個性が出てイイ感じ。

あと競演ならではというところでは、Michael Breckerのソロや、則竹とツインドラムで攻めるOmar Hakimが聴ける7曲目「Final Drop Goal」が楽しい。

T-SQUAREはわかりやすすぎて、と考えてる人、日本のフュージョンでなく、欧米のクロスオーバーが好きな人は「はまる」作品だと思います。

【収録曲】()内元題
1. Midnight Dreamer (Night Dreamer)
2. 'Cause (Because)
3. Papillon～Cajan Style～ (Papillon)
4. Miss You,88 (Miss You)
5. Who's Lickin' It (Lickin' It)
6. Breeze And You'95 (Breeze And You)
7. Final Drop Goal (Drop Goal)
8. Unexpected Lover In NY (Unexpected Lover)

「Midnight Dreamer」