その後、6610、1016へと変遷を重ねて参ります。
細かな違いは数有れど、大きく分けて違うのは文字盤、針、ケースの違い。
最初期のモデルは針も長く、文字盤にはギョウシェなどもありました。
また基本的にはミラーダイヤルであることが多く、サークルラインも入ってます。
針に関しては、初期はペンシルで、秒針のドットが大きいのも特徴です。
今回手に入れた個体は、56年の個体。
正直言うと、お店で手に入るこの時代のエクスプローラー1はほとんどの場合オリジナリティを残しておらず、最悪なのは文字盤そのものが後期のフェイクに変わっていたりもいたします。
ホンモノとの見分けに関しては、もうこれは数多く個体を観るしかないのですが、まずはオーラを感じられるかどうかで判断すれば良いかと思います。平たく言うと、ビビッと来るかどうか。
ちなみに私の個人的な好みとしてはミラーダイヤルに長年ハマってきたのですが、ここ最近になって、ミラーではなく、ミラーが褪色し、ざらっとした粗野な質感に変化したものが好みに変わってきております。
ミラーはミラーでギルトだったりするとかなり美しく、観ていてうっとりとしてしまいますが、長年使っていると飽きるというか、綺麗すぎてつまらない的な感覚を覚えることもあります。
その点、いわゆるアンティーク風のマット変化ダイヤルには経年変化だけが作り得るシブみのような(まるで陶芸の世界に感じるような)侘びた良さを感じます。
ただし、ここから先が本当に難しいのですが、その枯れたダイヤルにマッチした、夜光と針のヤレ具合が伴っていないと全くといって良い程興ざめになります。
夜光は限りなく茶色に。(黒ではなく)針は絶対にオリジナル。かつ、夜光とは微妙な違いがある焼け加減。
そしてエクスプローラー1に関しては、初期に採用されている金色の針が焼けた茶色と相まって最高に美しく感じられます。
さらにいうと、そんな状態にヤレていても、絶対に譲れないのはケースシェイプ。
ケースはやはり使われていることが多いのですが、オイスター系ケースのぷっくりした側面と足。そしてバネ棒のはまるホールがブカブカでは無いこと。
これらの要素を満たす個体となると、10年に1本出会えるかどうかとなります。
また、今回の個体はリベットブレスなのですがエクステンション付きのレアブレス。
条件を満たす最高の個体だと思います。
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購入金額
0円
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購入日
2011年02月16日
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購入場所
お富さん
2011/02/16
お富さん
2011/02/16
この当時は大変に手間を掛けていたことがよくわかります。
お富さん
2011/02/16
侘びた風合いのダイヤルに光るゴールドレターと針のコントラストが最高に美しいです。
operaさん
2011/02/16
ここまでの拘りももてるお富さんがCOOLですよね!
私はまだまだ経験も何も足りません。。(^^ゞ
※食料品の件COOLなど頂いて居たと思いますが、申し訳有りませんでした。
お富さん
2011/02/16
どこに拘りを持てるのかにこそ、蒐集の楽しみがあります〜。
調べて、買って、手放して、また調べて、買って・・・この繰り返しを果てしなく繰り返す事によって、自らの方向性を洗練、収斂していく事こそが生き甲斐です(笑)
リーダーさん
2011/02/16
惚れました
たぅさん
2011/02/16
個性の違う顔が現れている感じ・・・
ということは、実物はまったく違う印象のような気がします。
またも危ないこですねぇ~(笑)
お富さん
2011/02/16
お富さん
2011/02/16
エクスプローラーは本当にひとつひとつ全く違った個体ですので、深く掘り下げるのには良い時計だと思います。
flammulinaさん
2011/02/16
ダイアル盤のテクスチャー、
インデックスの経年変化した夜光の色、
対するダイヤルの艶容な艶の落ち着いた減り張りが
とても美しいですね。
まるでこの半世紀刻んだ時間が風防の中に封じ込められているようで、貫禄を感じます。お富さんの仰る『侘びた良さ』という表現が見事に物語っていますね。
お富さん
2011/02/16
仰るとおり時間の流れだけが生み出すことの出来る枯れ加減は人間の「作為」とは程遠いところで、思わぬ美を生み出しているように思えます。
古い陶磁器を観ると同様の感銘を受ける事が多々ありますが、それほどでは無いにせよ、この時計からも似た印象を感じる事が出来ます。
腕にまとえる美術品という存在感は素晴らしいものがございます。
kassyさん
2011/02/16
これは雰囲気いいですねー。
針と夜光のやけ具合、ゴールドのレターの、このマッチング。
こんなに、いい感じのはないですね。
これぞ、ヴィンテージエクスプローラーですね!
お富さん
2011/02/16
私も滅多な事がないと手を出さない(出せない)ヴィンテージロレですがこの個体はちょっと別格でした。
まさに完璧な枯れ具合!実物を見たらたぶんタメイキ出ちゃうと思います。
さらに値段を聞いたら絶対に悶々とした日々を送るはずです(笑)
hatahataさん
2011/02/16
お富さん
2011/02/17
やはりロレックスというとどうしてもイメージが固着しがちなのですが、本当の黎明期、そしてこの1950年代まではロレックスといえど、必至に今の地位を築く努力をしていた時期です。
ある意味でこの時期こそ、本当にロレックスが面白かった時代だったような気がいたします。
そして、その頃の時計が時を経て、未だに色あせない魅力を放っていることこそにロレックスの本当の魅力があるような気がいたします・・・!